この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
毎年、 財団法人高橋養鶏賞財団が行っている功労者表彰において、 第19回高 橋養鶏賞として、 名古屋大学教授奥村純市氏に特別賞が、 愛知県畜産養鶏農業 協同組合連合会専務理事寺田三男氏に普及部門賞が贈られた。 財団法人高橋養鶏賞財団は、 戦後いち早くアメリカのケージ養鶏を我が国に 紹介するなど、 我が国の養鶏業の発展に多大な貢献をした高橋広治氏の功績を 記念し、 養鶏業の向上発展に寄与し顕著な業績をあげた人に対し、 これを表彰 し、 その業績の普及を後援することを目的に、 昭和50年2月に設立された。 以 来、 昨年までに特別賞5人、 技術研究部門14人、 普及部門18人、 経営部門18人、 合わせて55人が表彰を受けている。 特別賞を受賞した奥村純市氏は、 家畜・家禽の栄養学における顕著な研究業 績と日本家禽学会及び日本畜産学会における活動が愛知県はもとより我が国の 養鶏産業の振興発展に対する多大な貢献が評価された。 また、 普及部門で受賞 した寺田三男氏は、 長年にわたり養鶏施策関連事業の推進に努めるとともに、 同連合会の会員の生産効率の向上と経済状態の改善に積極的な指導を行い、 鶏 卵肉の需給安定に尽力するなど養鶏経営の安定に対する貢献が評価された。 受賞式後に行われた体験発表会で、 奥村氏は、 まず高橋氏の功績にふれ、 氏 の3大功績は雌雄鑑別技術の普及、 我が国初めての養鶏雑誌の発行及びケージ 養鶏の導入であり、 ある意味ではこれが今日の養鶏業発展の基礎となっている と述べた。 また、 日本と諸外国の食料に対する考え方の違いにふれ、 北半球、 特に日本では飢餓に対する危機意識が根底となった価値観、 文化が形成されて いることが特色であること、 また、 生産者は消費者が何を望んでいるかを充分 に検討した上で生産する必要があるなどを発表し、 幕を閉じた。