◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  酪農家のミルクプラント

                                                          (北海道 黒沢 不二男)

 


 酪農家が生産した生乳を自ら処理して飲用乳や乳製品を製造・販売する事例は、
北海道酪農畜産課の調査で6年8月現在、 30牧場ある。 その中で飲用乳生産を
行うものは21牧場で、 網走、 十勝、 根室近辺に近い。 
 
 道内有数の野菜産地である道南の伊達市で酪農を営んでいる森博茂さん (44
才) も、 今年の2月から胆振 (いぶり) 管内で初めて自家産牛乳の生産処理を
開始した。 始めたきっかけについて森さんは、 自分が作った良質の生乳を自分
の手で直接消費者に届けたかったことと、 生乳に付加価値を高めて販売したか
ったからと話している。 
 
 昨年2, 500万円を投資し、 牛舎に隣接して鉄筋コンクリート平家建て52uの
牛乳工場を建設。 内部には180リットルと360リットルの殺菌処理タンク、 牛乳を詰める
充填機、 洗ビン機、 冷蔵室が設置されている。 
 
 8月現在、 25頭の搾乳牛から生産される1日平均750リットルの生乳のうち、 200
リットル前後を森さん夫婦とパート2人の計4人で週に日曜を除く6日間処理して
いる。 牛乳はリサイクルや保存性を考慮して180tと900tのビン詰めにし、
「森牧場自然牛乳」 というブランドでJA伊達のくみあいマーケットや室蘭、 
札幌などへ出荷する。 それぞれ130円と380円で販売しているが、 75℃で15分の 
「低温長時間殺菌法」 を採用しているためか 「しぼりたての本当の牛乳の味だ」
 と好評で、 最近は道外に宅配も開始した。 
 

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