◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  和牛にヘルパーを導入

                                                          (岩手県 佐々木 政勝)

 


 岩手県のJA江刺市は、 このほど、 県内で初めて和牛ヘルパー部会を設置した。 
和牛の市場出荷や各種検査等の作業を農家に代わって行うもので、 その成果が注目
されている。 
 
  江刺市は全国でも有数の和牛産地で 「陸中牛」 として胆江家畜市場に、 年間約4,
200頭の子牛を上場している。 しかし、 最近は飼育農家が減少の傾向にある。 飼育
者の高齢化もその原因の一つであるため、 農家の手助けを行いゆとりある肉牛経
営により、 同市の肉牛振興を図ることがヘルパー導入の狙いである。 
 
  ヘルパーの業務内容は、 @市場への上場のための出荷、 運送、 A各種検査 (登録、 
共進会等) の受検、 Bその他去勢、 削蹄等の援助や補助である。 
 
 同市には2, 500戸の肉牛飼養農家があり、 この中から65人のヘルパーが登録され
た。 ヘルパーの利用申し込みは20日前迄に行うこととし、 利用料金は農作業賃金を
基準としている。 思わぬ事故に対する補償のため、 ヘルパーは傷害保険等に加入、 
肉牛は家畜共済に加入することを条件としている。 
 
 今後はヘルパー部会が家族旅行や休養等にも活用されると思われ、 その成果が注
目されている。 

  
 

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