この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
愛知県名古屋市に隣接する瀬戸市郊外に位置するM牧場は、 経産牛40頭規模で 愛知県のごく平均的な酪農家である。 最近、 牛舎に隣接する資材置場を改築して 約400羽の名古屋コーチン (名古屋種) の飼養を始めた。 愛知県特産で卵肉兼用種の名古屋コーチンは、 愛知県畜産総合センター種鶏場 から供給されており、 同場には卵用タイプ、 肉用タイプ及び大型肉用タイプの3 系統が保有されている。 卵用タイプは産卵率65%程度で、 他の地鶏に比較すると 相当高く、 県では、 更に産卵性能の向上に取り組んでいる。 M農場では名古屋コーチンのヒナ導入、 生産等の相談に応じている地元の農業 改良普及所と販売作戦を練った結果、 「さんごく一の卵 三国山のたまご」 の名称 (三国‥地名) を付け、 工夫を凝らしたチラシを作成し、 1ネットに入れて販売し ている。 価格は、 1個45円で近くの乗馬クラブのお客さんに直接販売するほか、 農協をとおして販売もしており、 人気が高く常に品切れ状態のため、 増羽する準 備をしている。 酪農をとりまく厳しい環境の中、 小規模ながら養鶏部門を新たに導入したM氏 は、 「研究意欲も旺盛でとなり、 日常生活に刺激が生まれ、 家族やパートさんの会 話も活発になって酪農部門の経営意欲も増してきた。 」 と語っている。