◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  将来の獣医師が 「ふれあい現地研修」

                                                          (鳥取県 長谷 晋一郎)

 


 近年、 畜産分野では、 獣医師の確保が難しくなり、 このまま推移すれば、 畜
産振興に大きな支障を来す恐れがある。 そこで、 鳥取県では産業動物獣医師を
確保するため、 畜産会に県の全額出資による 「ふるさと獣医市確保基金」 が設
置された。 
 
  この基金を活用して、 平成5年度から将来県内で産業動物を対象に活躍しよ
うとしている獣医学生に奨学金を交付している。 また、 関連事業として 「獣医
学生ふれあい研修」 を実施している。 
 
  昨年度、 低学年の獣医学生を対象に実施したところ、 「もっと現地で実習を
したかった。 」 という意見が多く寄せられたので、 本年度は現地の体験学習を
通じて本県の畜産を理解してもらうこととした。 研修に参加したのは、 高学年
の8名で、 猛暑の8月上旬、 2泊3日の日程で行われた。 
 
  県営俵原 (たわら) 牧場での放牧牛の衛生検査では初めて牛に触る学生もあ
り、 オッカナビックリ、 見ていてヒヤヒヤする場面もしばしばあった。 
 
  県畜産試験場では、 受精卵移植について、 供卵牛からの受精卵の採取、 受精
卵分割、 受精卵培養などの高度な技術にチャレンジした。 
 
  また、 県の若い畜産関係職員との意見交換会では、 質問が活発に飛び出し、 
話も弾み、 打ち解けた雰囲気の中で、 畜産・農業振興について県がどのような
事業を行い、 若い獣医師の先輩がどう取組んでいるか、 その喜びや悩みなどを
直接耳にし、 大変有意義な研修で、 研修生の顔は満足気であった。 

 
 

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