◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  ドイツの味と技でハム・ソーセージ作り

                                                          (愛媛県 小西 和孝)

 


 愛媛県の西南部、 高知県堺に位置し、 奥伊予の別名がある城川町は、 町づく
りのテーマを 「わがむらは美しく」 として、 ふるさとの自然環境と風土を守
りながら、 美しい活力ある町づくりにとり組んでいる。 
 
  同町の地場産業の農畜産業は例にもれず、 非常に厳しい状況であり、 肉豚
を年間8千頭生産している養豚業でも価格の低迷の長期化と牛肉自由化の波
を受け農家の経営は圧迫されている。 
 
  このような状況の中で、 町は地場産業の養豚経営の安定と特産品作りを目
指し、 町直営のハム工場を城川自然牧場というネーミングで平成3年5月に
オープンした。 工場は木造2階建てで時計塔に風見鶏を乗せ、 ヨーロッパ風
につくられており、 見学者が窓ごしに内部の作業風景を見えるように工夫し
てある。 
 
  ここで作られるハム、 ソーセージは、 町内で生産されたSPF豚を活用し、 
ドイツからドイツ公認フラッシャ・マイスターを招いた研修や、 ドイツでの
研修を実施し、 本場の技法をとり入れ技術も充実している。 
 
  製品は、 保存料、 発色剤は極力使わず、 ハム6種、 ソーセージ5種、 ウィ
ンナー7種、 サラミ、 ベーコン等が手作りで、 直売店を中心に宅配、 町外の
デパート、 空港ビル等で販売され、 好評である。 
 
  城川の自然の味をそのままに、 人にやさしい食品作りをモットーに頑張っ
ており、 最近では、 経営も順調である。 職員も技術者3名、 補助員3名が雇
用されるなど、 城川町の地場産業育成の一翼を担っている。 

 
 

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