◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  低コスト・省力化による肉牛生産

                                                          (鹿児島県 中原 俊一)

 


 鹿児島県曾於 (そ お) 郡における肉用牛生産の低コスト・省力化の事例を
紹介する。 

1 パドックを活用したコの字型低コスト簡易牛舎 (写真1、 2) 
 
  南九州の繁殖牛舎はつなぎ飼い方式 (舎飼い) が主流であったが、 パドッ
  ク内にコの字型の簡易牛舎を設置することにより、 繁殖牛の収容能力を高
  めるとともに、 飼料給与や発情発見の省力化を図っている。  建設資材に
  は間伐材や古電柱を活用し、 なるべく金をかけないようにしている。 安い
  ものでは30頭規模の牛舎が50万円前後で出来上がっている。 
 
  コの字型の簡易牛舎のほかに分娩牛舎と子牛育成牛舎が必要であるが、 ほ
  とんどがこれまで利用してきた既存の繁殖牛舎を改造して活用している。 

2 簡易な連動スタンチョンの設置 (写真3) 

 放し飼いによる群管理を行うため全頭除角を実施しているが、 それでも牛
 間に強弱が発生する。 そこで、 過肥牛や負け牛をなくすためコの字型の簡
 易牛舎に連動スタンチョンを設置し、 飼料給与時に3時間程度拘束するこ
 とにより栄養水準の平準化を図るとともに、 捕獲、 妊娠鑑定、 人工授精等
 の作業の省力化を図っている。 
 
  資材としては木材、 パイプ、 ワイヤー等を活用し、 1頭当たり500円程度で
  出来ているところもある。
 
 

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