◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

放牧牛の管理に手作りの移動式捕定車を利用

(北海道 高木 正季)

  北海道椎内市の酪農家、 木村良一さんは、 マニアスプレッダ (たい肥噴霧
機) の廃品を改造して、 放牧している育成牛の捕獲や運搬に便利な移動式捕
定車を製作し、 放牧管理作業の省力化に役立てている。 
 
  木村牧場は育成牛が約40頭で、 夏は放牧が主体である。 しかし、 放牧地が
畜舎から離れているため放牧牛の移動に時間を要し、 人工授精や治療の際の
捕獲に苦労してきた。 
 
  このような経験から生まれたのがこの捕定車。 荷台を低く改造し、 両側に
片側4頭用の連動スタンチョンを取り付け、 屋根には雨よけシートが架けら
れている。 製作費は9万円弱で、 溶接作業を除きほとんどが木村さんの手作
り。 エサでおびき寄せた放牧牛を簡単に捕定でき、 そのままトラクタで索引
して運搬できる。 
 
  木村さんは、 2シーズンの使い具合に満足のようで、 地元の宗谷北部地区
農業改良普及センターも 「放牧にはうってつけの管理機械」 と評している。  

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