◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

鶏ふんを発酵処理に変えて在庫一掃

(愛知県 小林 一雄)

  愛知県高浜市の農事組合法人吉浜曙養鶏団地ではこれまで、 ハウス式かく
はん乾燥施設を用いて鶏ふん処理をし、 乾燥鶏ふんとして販売していたが、 
このたびこの施設の一部を改造し、 発酵処理ができるようにした。 
 
  同団地は9戸で15万羽の採卵鶏を飼養しており、 鶏ふんを乾燥処理し15kg
の袋詰めで、 年間5〜6万袋販売しているが、 最近、 在庫が多くなる傾向に
あった。 そこで、 市場調査したところ、 乾燥鶏ふんより発酵鶏ふんの方に市
場性があることが分かった。 また、 団地設立当時に比べ飼養羽数が増加して
おり、 鶏ふん処理施設の増設が必要となっていた。 
 
  生ふんを発酵させるための施設の改造は既設の乾燥レーンを用い、 従来の
乾燥のためのかくはん機を浅いものから深いものへ変え、 処理する鶏ふんの
堆積の厚さを約10cmから80cm前後に厚くする。また、 散水できる施設を追加
し鶏ふんの水分調整を行い最適な発酵条件をつくる。 この改造により処理で
きる生ふんの量も増えた。 
 
  発酵鶏ふんは生ふんに含まれる羽根が発酵により分解されてなくなるとと
もに、 製品が均一の顆粒状となる。 肥料として利用するときに乾燥鶏ふんに
含まれ、 異物として嫌われる羽根が入っていたり、 鶏ふん粉末が飛散するこ
とがなく、 扱いやすい。 商品価値が高い発酵鶏ふんの販売拡大が期待される。 
 

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