★ 農林水産省から


肉用子牛生産者補給金制度の 
運用改善について     

農林水産省畜産局 食肉鶏卵課  西山 信雄


 肉用子牛生産者補給金制度は、 平成3年度からの牛肉輸入自由化に対処して国内の肉用
牛生産の安定等を図るために平成2年度に創設された制度であります。 

1 制度の目的

 肉用子牛生産者補給金制度は、 牛肉の輸入自由化が肉用子牛の価格に及ぼす影響に対処
するため、 肉用子牛の価格が低落した場合に肉用子牛の生産者に対し生産者補給金を交付
することにより、 肉用子牛の生産安定を通じ肉用牛経営の安定に資することを目的とする
ものです。 


2 これまでの運用改善の経緯

 本制度においては、 平成2年度の発足以来、 適正に保証基準価格等を決定してきたほか、 
現実の運用過程で生じてきた課題に適切に対処し、 次のような改善を行ってきたところで
す。 

(1) 保証基準価格及び合理化目標価格の改定 (参考資料の「行政価格等の推移」を参照) 

(2) 品種区分において、 褐毛和種を分離 (平成5年度) ……省令の一部改正

ア 本制度発足時において、 品種区分は、「黒毛和種及び褐毛和種」、「黒毛和種及び褐毛和
 種以外の肉専用種」 及び 「肉専用種以外の品種」 の3品種区分を設けて運用してきたと
 ころです。 
イ これら3品種区分に設定した背景は、 牛肉の輸入自由化前の品種区分毎の肉用子牛価
 格が基本的にそれぞれ同一の価格水準で推移しており、 かつ、 飼養形態等が類似してい
 たことから設定したものです。 
ウ しかしながら、 平成元年以降、 褐毛和種子牛価格と黒毛和種子牛価格の価格格差が拡
 大傾向で推移していましたが、 牛肉の輸入自由化後の輸入量の急増等が国内の牛肉価格
 へ影響しはじめ、 その価格差が顕著となりました。 このような大きな価格格差のあるも
 のを同一品種区分において制度運用を行うことは、 我が国の肉専用種の一つである褐毛
 和種の資源の枯渇を招く恐れがあったこと、 褐毛和種を飼養している地域における重要
 な地場産業に悪影響を及ぼしかねないことから、 褐毛和種を分離独立させたところです。 

(3) 生産者積立金の単価について、 業務対象年間の途中で改定 (平成5年度) 

ア 本制度における生産者積立金は、 肉用子牛の平均売買価格が合理化目標価格を下回っ
 た場合、 都道府県肉用子牛価格安定基金協 (以下 「指定協会」 という。) において造成
  された「生産者積立金」から生産者に対し、生産者補給金を交付することとなっています。 
イ この生産者積立金の単価については、1業務対象期間(本制度においては5年間)にお
  ける合理化目標価格を基にして、当該業務対象年間における肉用子牛の実勢価格の低落
  率、 低落危険率、 補てん率等を勘案し、指定協会が理事会の議決を得て、農林水産省畜産
 局長の承認を経て決定しているところであり、基本的には、肉用子牛価格の大幅な変動が
 なければ1業務対象年間においては業務対象年間の開始前に設定した生産者積立金の単
 価を継続して採用すべき性格のものです。 
ウ また、 生産者積立金の造成に当たっては、 肉用子牛の個体登録頭数に生産者積立金の
 単価を乗じて得た額を造成することとなりますが、 その造成額の1/2については国、 1/4
 について都道府県、 1/4について生産者がそれぞれ負担しているところです。 
エ しかしながら、 牛肉の輸入自由化による影響は、 年々深刻化し、 国内の牛肉価格の低
  下をもたらし、 これに伴って、日本短角種、 乳用種等の平均売買価格が合理化目標価格
  を大きく下回って推移した結果、 生産者積立金に不足を生じ、 指定協会は(社)全国肉
  用子牛価格安定基金協会 (以下 「全国協会」 という。) から融資を受けて生産者補給金
  の交付を行っているところです。 
オ このような状況の中で、 今後、 安定した生産者補給金の円滑な交付を行うため、 業務
 対象年間における期中の生産者積立金の単価改定を行ったところです。 

(4) 急増する指定協会の借入金について、 償還対策を措置 (平成5年度及び6年度) 

ア 「その他の肉専用種」 及び 「肉専用種以外の品種」では平均売買価格が合理化目標価格
 を大幅に下回って推移した結果、 「その他の肉専用種」 については平成3年度第3四半期
 以降、 「肉専用種以外の品種」 については4年度第1四半期以降、 生産者積立金に不足を
 生じ、 指定協会は全国協会から融資を受けて生産者補給金を交付している状況です。 
イ その額は、 平成3年度7億円、 4年度69億円、 平成5年度196億円と年々増加の一途
 を辿り、 6年度においては380億円程度が見込まれています。 
ウ 制度上は、 これら借入金については、 今後、 指定協会において造成される生産者積立
 金で返済される仕組みとなっていますが、 当面、 今後一定の価格回復を見込んでも、 生
 産者積立金による借入金の返済は困難な状況となっています。 このような状況を放置し
 ておくと、 制度運営に関し、 生産者をはじめ関係者に大きな不安感を与えるとともに、 
 制度に対する不信感の増大にもつながり、 生産者補給金の円滑な交付に支障を来たしか
 ねない状況となったことから、 平成5年度において、 緊急的に国が平成4年度までの借
 入金の2/3 (43億円)を助成することとし、 「肉用子牛生産者補給金制度運営円滑化緊急
 対策事業」 (指定助成対象事業)を実施し、 6年度においても、 5年度分の借入金の2/3 
 (116億円) を助成したところであります。 なお、7年度においても、6年度分の借入金
 の2/3 (232億円) を予算措置したところです。 

3 今回の運用改善の内容

(1) 肉用子牛の生年月日の判定基準の導入 (運用通達の一部改正) 

ア 本制度において、 肉用子牛の生年月日を的確に把握することは、 制度の円滑な実施及
 び生産者補給金の適正な交付を行う上で極めて重要であり、 制度の根幹となるものです。
 
イ 本制度の発足時においては、 肉専用種については、 登録事業により、 その生年月日の
 把握は容易で、 かつ、 的確に把握できるものの、 乳用種については、 子牛の生産場所と
 飼養場所が異なること、 子牛の流通が複数多岐にわたること等により、 的確な生年月日
 の把握が困難な実態等にかんがみ、 その把握については、 生産者から提出された生年月
 日を尊重する等指定協会の裁量に委ね、 実施運用を行ってきたところです。 

ウ しかしながら、 その運用実態をみますと、 同一の肉用子牛が二つの生年月日をもって
 いるもの、 生年月日が判るにもかかわらず正確なものを把握していないもの、 申告され
 た生年月日と肉用子牛の個体の大きさ等からみて不自然なもの等が発生していました。 
 畜産局としては、 毎年度の全国会議等を通じ、 的確な生年月日の把握について、 関係者
 に対し、 その周知徹底と指導を行ってきたところであり、 平成4年度以降、 会計検査院
 の実地検査においても、 生年月日について指摘を受け、 その改善を要請されているとこ
 ろです。 

エ このような状況の中で、 制度の円滑、 かつ、 適正な実施運営を図ることは制度の安定
 を図る上で極めて重要であることにかんがみ、 先般、 運用通達の一部改正を行い、 本制
 度に加入する肉用子牛の生年月日については、 指定協会が定めた 「肉用子牛の生年月日
 の判定基準」  (平成7年3月17日付け7畜A第582号農林水産省畜産局長承認済み)に基
 づき判定した生年月日を採用することとし、 平成7年7月1日以降に出生した (譲受け
 た子牛を含む。) 肉用子牛から全国的に適用することとなっています。 なお、 同基準は、
 指定協会により異なりますが、 技術的理由等やむを得ない事情により生年月日の確認の
 できないないものについては、 導入時の体重が80kg未満であったことを指定協会が個体
 登録に係る現地調査時に確認すれば、 「導入年月日」を「生年月日」とする等の措置を含む
 ものです。 

(2) 乳用種雌子牛について 「盲乳の措置等」 を導入

ア 本制度に加入できる乳用種雌子牛については、 当初から搾乳目的でなく牛肉の生産を
 目的として飼養されるものについて、 制度の対象としているところです。 
イ 本制度における乳用種雌子牛の個体登録頭数は、 年々増加 (2年度12千頭→5年度104
 千頭) し、 販売時月齢の若齢化の進展により、 販売時点で乳用種雌子牛の用途を明確に
 判断することが困難となっており、 生産者補給金の交付対象となった乳用種雌子牛が搾
 乳に仕向けられている事実が会計検査院の実地検査において発覚し、 その改善を指摘を
 されているところです。 
ウ かかる事態を放置することは、 制度の安定性を損なう危険性があることから、 制度に
 加入した乳用種雌子牛の搾乳への転用防止について、 万全の策を講じる必要があること
 はもちろんのこと、 さらに、 指定協会等からも早急に全国統一的な転用防止策を構築し
 てほしい旨の要請があったところです。 
エ このため、 乳用種雌子牛については、 肥育に仕向けられることが確実となるよう、 指
 定協会が別に定める方法により 「盲乳の措置等」 を講じたものについてのみ制度の対象
 とするため、 先般、 運用通達の一部改正をし、 都道府県等に対しその周知徹底と指導を
 行ったところです。 
オ この結果、 指定協会においては、 都道府県の指導の下、 本年3月末までに 「盲乳の措
 置」 を講じ、 本年7月2日以降に出生した肉用子牛 (譲受けした子牛も含む。 ) から全
 国的に適用実施されることとなっています。 なお、 指定協会が定めた具体的な盲乳の措
 置とは、 物理的に搾乳に回されないように乳頭の切除、 粉砕等です。 

(3) 負担金の納付時期の改善

ア 本制度に加入した生産者は、 肉用子牛が満2月齢になるまでに個体登録を申し込むこ
 ととなっており、 同時に、負担金(生産者積立金の積み立てに要する額の生産者負担分:
 1/4) を納付することとなっていますが、 指定協会及び農協等の事務委託先においては、 
 近年個体登録頭数が急増していることから、 これら負担金徴収事務の合理化を要請され
 ているところです。 
イ このため、 負担金の徴収に当たって、 従前の負担金徴収方法に加え、 肉用子牛が個体
 登録 (契約肉用子牛)した後に、 指定協会が生産者に対し負担金を請求する後納方式を
 も採用できるよう運用通達の一部改正を行い、 都道府県等に対し指導を行ったところで
 す。 

(4) 合理化目標価格の適用期間の特例

ア 本制度は、 平成3年度からの牛肉輸入自由化に対処して国内の肉用牛生産の安定等を
 図るために創設された制度です。 
イ 農林水産大臣は、「保証基準価格」については毎会計年度、 当該年度の開始前に、 「合理
 化目標価格」 については、 政令で定める期間(5年)ごとに決定することとなっています
 が、 施行令附則第4項において特例措置が規定されており、 平成2年4月1日以後5年
 以内に定められる合理化目標価格については、 牛肉の輸入数量の撤廃及び関税率の引き
 下げ等が予想され、 肉用子牛生産をめぐる状況が大きく変化することが予想されたこと
 等から、「1年以上5年を超えない範囲内において農林水産大臣が定める期間」と規定さ
 れているところであり、 この規定を受けて、 平成2年度から平成6年度の間の合理化目
 標価格については、 特例の適用により1年間ごとの合理化目標価格を毎年度決定したき
 たところです。 
ウ 今回、 特例期間の延長を行った理由としては、 
 @ UR農業合意に基づき平成7年度から平成12年度にかけて毎年関税率の引き下げが実
  施される (50%→38. 5%)とともに、 この間、 牛肉輸入量の急増という事態に対処し
  て緊急調整措置が設けられており、 国内への影響が懸念されること
 A 自由化後における牛肉の需給及び価格の動向、 国内牛肉と輸入牛肉の品質格差等が
  なお流動的であること
 B 乳用種子牛価格が依然として低下傾向を続けているなど未だ自由化の影響が落ち着
  いたとは考えられないこと
 
 等、 肉用子牛をめぐる情勢は、 今なお、 流動的要素が残存していることから、 平成7年
度以降の合理化目標価格について、 「5年間」の合理化目標価格を定めることについては未
だ時期尚早であると考えられます。 一方、 肉用牛経営の目標としては、 合理化目標価格を
一定期間固定することが望ましいことから、その適用期間のあり方については、複数年の適
用期間の可能性を模索していく柔軟な対応をとることが現実的であるという認識にたち、 
平成7年度から平成12年度までの間の合理化目標価格の決定に当たり、 特例の運用ができ
るよう、施行令附則第4項の適用期間の延長 (平成2年4月1日以後「5年以内」 →「10年
以内」) することとし、 政令の一部改正を行ったところです。 
改正後 現行

附 則
(合理化目標価格の決定の単位となる期間の特例)

4 平成2年4月1日以降10年以内に定められ る法第5条2項の合理化目標価格について の同項の政令で定める期間は、第2条の  規定にかかわらず、1年以上5年を超えな い範囲内において農林水産大臣が定める 期間とする。

 

附 則
(合理化目標価格の決定の単位となる期間の特例)

4 平成2年4月1日以降5年以内

(同 左)

(5) 肉用子牛の販売月齢の引き上げ

ア 本制度において、 生産者補給金は、 肉用子牛の平均売買価格が保証基準価格を下回っ
 た場合に、 その平均売買価格の算定期間 (四半期ごと) 内に満4月齢以後満12月齢未満
 で販売したこと又は生産者が飼養しており、 満12月齢に達したこと(保留)を指定協会が
 確認した肉用子牛につき交付されることとなっています。 
イ 本制度が平成2年度に発足して以来5年が経過した中で、 この間制度に加入した乳用
 種子牛の販売月齢の若齢化の傾向が顕著 (平成5年度において、 4〜5月齢での販売は
 約5割) となっています。 
ウ このように若齢化が進展したのは、 乳用種子牛の販売価格の著しい低下により、 これ
 を上回る高額の生産者補給金が交付されていることから、 育成期間を延長して個体販売
 収入を増加させるより、 育成期間を短縮して牛舎回転率を高め、 販売頭数を増加するこ
 とにより生産者補給金の増額を図る方が有利であることによるものと考えられます。 
エ このような若齢化の結果、 
 @ 肥育サイドが求める月齢 (6〜8月齢) の子牛の不足
 A 4〜5月齢の小型素牛の導入の増加により、 肥育期間の延長、 リスクの増大等コス
   トアップの要因となっていること
 等の問題が生じています。 

オ 以上のように、 乳用種子牛の若齢化は、 乳用種牛肉生産の非効率化をもたらすもので
 あるため、 肉用牛生産の健全な発達を目的として肉用子牛生産の合理化を図るとの本制
 度の趣旨に沿った運用の改善を図る観点から、 施行令の一部改正を行い、 肉用子牛の販
 売月齢の引き上げについて本年4月1日から施行したところです。 

カ この場合、 販売月齢の引き上げは、 2カ月の飼養期間の延長を生産者に強いることと
 なりますが、 他方、 販売月齢を 「4月」 としている現在の生産者補給金交付契約の有効
 期限は、 平成2年4月1日から平成7年3月31日までとなっていることから、 生産者は
 これを前提として子牛の生産を行っています。 このため、 肉用子牛の生産者に不測の不
 利益を与えないようにするとの観点から、 現在の交付契約の有効期間内に生産 (分娩) 
 された肉用子牛については、 従前の「4月」を適用する経過措置を設け、 同時に施行した
 ところです。 
改正後 現行
(販売に係る肉用子牛の月齢)

第9条 法第10条の政令で定める月齢は、満6月とする。
(販売に係る肉用子牛の月齢)

第9条 (同 左)
〜 満4月とする。

(6) 交雑種 (F1) について指定肉用子牛の規格を追加

ア 乳用種と肉専用種との交雑種は、 現行の品種区分において「肉専用種以外の品種」と
 して取り扱われていますが、 制度発足時には、 その割合もわずかであったため、「肉専
 用種以外の品種」 の平均売買価格の算定の対象となる 「指定肉用子牛」 に 「ホルスタ
 イン種 (雌を除く。 )」 のみを規定し、 交雑種は考慮されていませんでした。 

イ しかしながら、 制度発足後、 交雑種の個体登録頭数は増加の傾向を辿り、 現在では、  
 「肉専用種以外の品種」の個体登録頭数の2〜3割を占める状況となっています。 

ウ このよう状況にかんがみ、 本制度の適切な運営を確保する観点から、 交雑種を平均
 売買価格の算定対象に含めることとし、 このための指定肉用子牛の規格を追加するこ
 ととし、 施行規則の一部改正を行ったところです。 
改正後 現行
(指定肉用子牛の規格)

第1条 肉用子牛生産安定等特別措置法第5条第3項の農林水産省令で定める規格は、次の表の上覧に掲げる種別に属する肉用子牛であって、その体重が当該種別の区分に応じ同表の下欄に掲げる体重の範囲内のものであることとする。

(指定肉用子牛の規格)

第1条

(同 左)

肉用子牛の種類 体重 肉用子牛の種別 体重
ホルスタイン種(雌を除く。)及びホルスタイン種を母とする交雑種(雌を除く。) 220kg以上310kg以下 ホルスタイン種(雌を除く。) 220kg以上310kg以下
(7)  保証基準価格及び合理化目標価格の改定(本号の「畜産物行政価格等の決定について」
  を参照) 

(8) 指定市場の追加

  本制度における生産者補給金の算定の基礎となる指定肉用子牛の売買価格については、 
 法律に基づき平成2年3月1日農林水産省令第293号により農林水産大臣が指定を行った
 家畜市場における平均売買価格を採用してきたところです。 しかしながら、 その後、 家
 畜市場の統廃合、 肉用子牛の流通の変化等により、 指定市場における肉用子牛の取引割
 合が指定当時に比べ大きく変化してきているため、 平均売買価格の算定の基礎となる指
 定市場の見直しを行い、 平均売買価格の代表性を確保し、 本制度の円滑な運営を図る観
 点から、 現在指定している家畜市場 (105市場)に加え、 新たに36の家畜市場の指定を行
 ったところです。 

4 さいごに

 本制度が平成2年度に発足して早5年を経過し、 この間、 輸入牛肉の急増、 中でもチル
ド牛肉の割合の増加等に伴う高品質輸入牛肉の増加、 関税率の引き下げ、 円高の進展によ
り、 国内の牛肉価格は多大な影響を受け、 その結果、 肉用子牛価格も大幅な低下を招きま
した。 このため、 本制度において、 日本短角種を中心とする 「その他の肉専用種」 におい
ては平成2年度第3四半期以降17期連続して、  「肉専用種以外の品種」 においては平成3
年度第1四半期以降15期連続して、  「褐毛和種」 においては平成5年度第1四半期以降7
期連続して、 生産者補給金を交付している状況にあります。 
 今後、 UR農業合意に基づく関税率の引き下げ、 円高の進展等により、 輸入牛肉の増加が
懸念される中で、 本制度は、 我が国の肉用牛経営のよりどころとして極めて重要なもので
す。 
 従って、 今回の制度運用の改正につきましては、 過去5年間の実績を踏まえ、 関係者等
の意見をも十分拝聴しながら所要の改善を行ったところです。 厳しい現下の情勢の下で、 
本制度の一層の適正な制度運用を図ることが肉用牛経営の発達を図る上で極めて重要です。 
末筆ながら、 生産者をはじめ、 本制度に携わる関係者方々の御理解と御支援・御協力によ
り、 前述した制度運用の改善内容が周知徹底され、 的確かつ円滑に本制度が実施運用され
るようお願い申し上げます。 


 (注) 本文において、
  
 「運用通達」 とは、「肉用子牛生産者補給金制度の運用について」  
         (平成元年12月21日付け元畜A第3463号農林水産省畜 産局長通達) 
 
 「施行通達」 とは、「肉用子牛生産安定等特別措置法の施行について」 
         (平成元年12月21日付け元畜A第3462号農林水産事務 次官依名通達) 
 
 「施行規則」 とは、「肉用子牛生産安定等特別措置法施行規則」 
         (平成元年12月19日農林水産省令第46号) 
 
 「施 行 令」 とは、「肉用子牛生産安定等特別措置法施令」 
         (昭和63年12月22日政令第347号) 
 
 「法  律」 とは、「肉用子牛生産安定特別措置法」 
         (昭和63年12月22日法律第98号) 


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