◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

マニュアレポート '95まとまる

(北海道 橋立 賢二郎)

  北海道十勝管内の改良普及員の畜産部会では、 平成6年に家畜ふん尿処理
の利用実態調査を行い、 このほど、 その調査結果をまとめた 「マニュアレポ
ート '95」 を作成した。 
 
  畜産経営の家畜の多頭化に伴い、 ふん尿処理が各地で問題となっている。 
ふん尿は、 もともと貴重な自給肥料として有効に活用されなければならない
が、 最近では厄介者として位置づけられている。 そのため、 処理に消極的な
経営も少なくない。 また、 飼料畑をあまり持たない酪農家や肉牛 (肥育) 農
家などでは処理が追い付かずオーバーフローするという問題がある。 
 
  この調査は、 同部会 (会員37名) のほか、 十勝農業試験場、 十勝支庁など
の協力を得て実施したもの。 
 
  調査戸数は190戸 (酪農148戸・肉牛17戸・複合経営25戸)で、 この種の調査
としては前例がない大がかりな調査であった。 レポートは、 実態を明らかに
したうえで、 それぞれに現状と問題点、 今後の課題、 考察などをわかりやす
くまとめてある。 

 1) 乳牛・肉牛・複合経営のふん尿処理
   (ふん尿の形状、 草地への還元状況など) 

 2) 堆きゅう肥・スラリー肥料成分
   (T−N.P2O5.  K20. CaO. MgOほか、 窒素形態、 PHなど) 

 3) ふん尿の処理事例と経費
   (22事例について必要経費、 労働時間) 

 特に、 3) のなかでは処理方式別に、 ふん尿1t当たり費用 (60〜1,000円) 
1t当たり処理時間 (0.1時間から3時間)を算出しており、 いずれも処理方式
によって大きな差がある。 
 
  このレポートは、 これからのふん尿処理を検討するうえで参考になると、 
関係者の間で評判になっている。 

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