◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

空き倉庫を利用した焼肉レストランで地元のお肉を

(群馬県 金井 哲夫)

  群馬県JAグループでは、 激変する環境変化に対処し、 組合員に信頼される
力強いJAを築いていくため、 JA合併基本構想に基づく合併が進められており、
複数市町村を事業区域とする広域合併JAが、 続々と誕生している。 
 
  こうした広域合併JAの一つで、 年間4千から5千頭を出荷する県内一の肉
牛産地でもあるJA新田郡では、 このほど遊休倉庫を活用して地元牛使用の焼
肉レストランを開設した。 そのねらいは、 @畜産物輸入攻勢がJA管内の畜産
農家の経営を直撃しているので、 輸入食肉に対抗すべく、 安全で新鮮かつ美
味しい地元産の食肉の消費拡大を地域で実施する、 A広域合併JA誕生後の管
内の組合員や消費者との密接な関係を構築し、 JAの地域における存在感を焼
肉レストランという場を媒体としてPRする、 BJA保有の既存施設 (米麦保管
用の政府指定倉庫)の有効活用を図るなどであり、 カントリーエレベーター
建設で遊休化した倉庫を焼肉レストラン 「くら」 に改装して、 この3月にオ
ープンした。 

 50坪 (165u) の倉庫は築後約35年を経ているが、 大谷石づくりの壁は全
くといっていいほど傷みがなく、 夜はライトアップし、 おしゃれな雰囲気を
醸しだしている。 客席は全部で120席、 2階には和室もあり50人規模の宴会
もできる。 
 
  オープン以来、 連日盛況で、 同JAの荻野組合長は「輸入肉は一切使いませ
ん。 おいしい肉を少しでも安く地元の方々に提供して、 国産の良さを理解し
てもらいます」 と意欲満々に語っている。 毎年2月1日に行うものであり、 
市町村・農協の協力を得て実施している。 

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