◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

都市近郊で自然を満喫できる 「愛知牧場」

(愛知県 佐合 克好)

  名古屋市の東に隣接する日進市に一般の方達が畜産に触れることのできる通
称 「愛知牧場」 (笈、知兄弟社経営) がある。 17haと、 この地域では広大な牧
場にはなだらかな斜面に青々とした牧草地が広がり、 来場者はその中を散歩で
き、 ここが都市近郊であることを忘れてしまう。 敷地の中央には搾乳牛100頭
のフリーストール式牛舎があり、 乳牛や搾乳作業も見学できる。 ここでは、 生
乳を全量自社プラント(S44年建設)で処理して、 販売までしており、 酪農だけ
でなく多角経営に取組んでいる。 

 日進市の人口が増加するに従い、 同市や名古屋市をはじめ各地から休日に訪
れる家族や幼稚園の遠足で賑わうようになってきた。 このため、 愛知牧場の経
営コンセプトを地域住民、 消費者とのふれあいに重点を置き、 畜産や農業への
理解を深めるため、 乳牛の他に小家畜動物園を設けたり、 ポニーの乗馬を始め
た。 また、 家庭菜園の貸し出しや芋掘り大会の開催など大人から子供まで楽し
めるようなアイデアを絞り、 来場者との交流が図られてきた。 

  さらに、 自社の生乳処理プラントを活かしたログハウス風の喫茶店や売店で
の、 牛乳やアイスクリームの直売や近隣の生活協同組合等を通じた牛乳の販売
など消費者交流にも力を入れてきた。 来場者により楽しんでもらうため観光牧
場化も進め、 パターゴルフ場、 レストハウス、 乗馬クラブ、 バーベキュー場等
を設置してきた。 昨年の来場者数は延べ約30万人であり、 今後も増加が見込ま
れている。 

 愛知牧場では経営の目標を@地域住民、 消費者とのふれあい、 A作る牧場か
ら売る牧場への転換、 B来場者に楽しんでもらうための観光牧場化、 C農業に
関する体験や知識の普及、 D地域の農業者との交流と農産物の紹介等とし、 そ
の目標に沿った牧場内の施設整備を図っていく計画である。 

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