◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

微生物資材に畜産経営が寄せる熱い期待

(鳥取県 山崎 和夫)

  一般家庭から出る生ゴミのリサイクルで関心を集めている特定微生物群の
利用が畜産の分野でもかなり普及しつつある。 
 鳥取県の試験研究機関では取り上げてはいないものの、 畜産農家の間には
口コミなどでその利用が広まり、 ブームになっている。 
 3月18日、 倉吉市で県畜産会主催の 「畜産経営技術発表会・交流会」 で、 
酪農家2人、 養豚農家2人、 米・野菜農家1人の計5人からそれぞれ経営の
概況、 微生物資材活用の動機、 時期、 活用を始めてからの飼育管理や発育状
況、 経営の成果、 今後の取り組みについて発表があり、 多数出席した畜産農
家、 関係者から熱い視線が寄せられた。 

 古電柱を利用したフリーストールで乳牛47頭を飼養している岸本町のSさ
んは、 Uターン就農以来8年。 農薬や化学肥料を敬遠して有機農法を模索中
に微生物資材に出合い、 飼料に混合給与しており、 ふん尿の臭気が緩和、 牛
がおとなしくなり健康状態も良好とのこと。 特に毛のつやが良くなり、 牛の
蹄病がなくなったので、 今後も、 利用を続けたいと話していた。 
 また、 東伯町のOさんは、 母豚約80頭を飼育。 微生物資材とのつきあいは
長く様々の体験を経て悪臭問題を克服、 子豚と母豚の健康増進、 肉質向上に
はすばらしい成果をあげていた。 

 肉質の向上は上物率アップ、 肉色に見られ、 近く直売方式に経営の転換を
図りたいと抱負を話していた。 

 最後に会場からの 「地域別、 畜種別に相互に緊密な連携の下、 組織的な情
報交換を図り、 使用方法、 効果確認に努めよう」 との動議を採択し、 交流会
を終えた。 
  
    

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