◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

乳牛の敷料にライ小麦を試作

(北海道 金田光弘)

  北海道の浜中町農協と釧路東部普及センターでは、 同農協の研修牧場内で昨
年8月からライ小麦 (ライ麦×小麦の新種) の試作に取り組んでいる。 
 
  現在酪農家の敷料は、 品質の低下した牧草、 オガクズ、 バークチップ(樹皮)、 
麦わらなどが主体だが、 乳牛の飼養頭数の増加とともに、 年々敷料の確保がむ
ずかしくなってきている。 
 
  今回の取り組みは、 敷料の地域内自給と安定確保をめざすもので、 ライ小麦
は、 わらが太く吸水性があるため、 高収量が期待できるのではないかと試験栽
培を実施することとなった。 
 
  昨年8月に播種し、 その後の管理は、 早春に硫安 (20kg/10a) を分追した
だけといういたって簡単なもの。 収量調査の結果は、 草丈120cm、 麦わら10a
当たりの生産量は700kg、 子実400kgで麦わらの収量は小麦に比べ10a当たり400
kg多かった。 
 
  有機・無農薬で栽培した子実を原料にパンを試作し、 町内限定で販売する計
画もあり、 ライ小麦にかける夢は大きくふくらんでいる。 
 
    

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