◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

昔懐かしい手ゼリで市場に熱気

(鹿児島県 野入 宏承)

  鹿児島県種子島の子牛取引は、 種子島中央家畜市場で押しボタン方式でセ
リが行われており、 平成6年は6,076頭の子牛が取引きされ、 遠くは関西、 沖
縄からの購買者もある。 
 
  6月の子牛市場は、 708頭の子牛が上場し、 1日目、 2日目と順調にセリが
進められていたが、 2日目の残り80頭のところで少々元気の良い子牛が出場、 
健康ぶりを発揮し、 購買者席に突っ込み、 机を壊し電動セリ機の配線を切る
アクシデントが発生。 セリができなくなり場内は一瞬騒然となった。 
 
  とそのとき、 この道30年の熊毛畜連の八木幸一参事が、 おもむろにセリ台
の上に立ち、 手ゼリを開始、 購買者を圧倒した。 すると、 購買者も久しぶり
の手ゼリに勢いがつき、 だんだんとセリ価格が上昇した。
 
 セリを見守っていた関係者も久しぶりの活気のある手ゼリ風景と市場の熱
気に触れ興奮気味であった。 
 
  なお、 熊毛畜連管内には世界遺産登録された屋久島と口永良部島にも子牛
市場があり、 それぞれ年3回市場が開始され、 1回の取引頭数が60頭前後と
少ないため、 手ゼリによる取引が行われている。 
    

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