◎地域便り


ヘルパーとして働きやすい農家、 働きにくい農家

愛知県 森下 忠

 平成7年11月9〜10日、 愛知県酪農農業協同組合連合会主催で県下のヘルパー

要員を対象にした研修会が開催された。 研修会では、 現在のヘルパー情勢や搾乳

技術についての講義や、 東阿酪農ヘルパー利用組合長の竹内氏による講演が行わ

れた。 竹内氏は、 過去にヘルパー経験があるため、 ヘルパー時代の体験談や、 酪

農家としてヘルパーに望むことを話された。 この講演に先立ち県酪連が 「ヘルパ

ーが働きやすい農家、 働きにくい農家」 はどのような農家かについてアンケート

調査を行った。 



 アンケートの回答は、 13組合41名のヘルパー要員から得られた。 



 ヘルパーとして働きやすい農家について、 3つまでの複数回答で聞いたところ

上位は、 1位人柄がよい24票 (20.0%)、 2位牛がきれい22票 (18.3%)、 同位牛

舎施設がきれい22票 (18. 3%) となった。 



 同様に働きにくい農家について聞いたところ、 1位牛が汚い23票 (20.0%)、 

2位牛舎施設が汚い22票 (19.1%)、 3位仕事に対して口うるさい14票 (12.2%)

となった。 



 意外であったのが、 働きにくい農家の中で、 搾乳時間が長い13票 (11.3%)、 

牛の頭数が多い5票 (4.3%) を理由とした人が比較的少なかったことである。 

このことから、 ヘルパーは搾乳作業自体よりも、 農家の人柄や牛や施設のきれい

さを求めていることが明らかになった。 



 近年、 各地でヘルパー組合が組織されているが、 ヘルパーの要員確保が問題に

なっている。 このような地域で、 今回の調査結果が生かされることが望まれる。 

特に、 牛や施設の汚れは、 酪農家の努力ですぐにでも解決できることである。 ヘ

ルパーが来ないことを嘆く前に酪農家自身がすべきことは山ほどあるのである。 



 また、 41名中24人までが働きやすい農家に 「人柄がよい」 を選んでいることは、 

農家との人間的なつながりが、 重要な問題であることを示している。 酪農家とヘ

ルパーの人間的な信頼関係が得られるような組織作りを期待したい。 




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