◎地域便り


パソコン簿記に取り組む酪農家たち

鳥取県 井崎敏彦

 山陰農業を先駆するといわれる鳥取県東伯町は、 酪農家数69戸と県下市町村の

中で最も多く、 県の総生産乳量の約15%を占める酪農の盛んなところである。 



 乳牛の改良も積極的に行われ、 成牛1頭当たりの搾乳量は県平均を500kg以上

も上回る7, 800kgを誇っている。 さらに町内の飼養頭数20頭以上の酪農家での1

頭当たりの搾乳量の平均は8, 250kgに達している。 



 経営管理に対する関心も高く、 町内の酪農家が、 平成6年より従来の帳簿式の

複式簿記に代えて、 鳥取県米子農業改良普及センター笠見普及員考案のソフト 

(ABOT) を活用したパソコン簿記に取り組んでいる。 



 平成6年東伯町酪農組合の13名で発足したパソコン簿記グループも昨年には新

たに10名が加わり23名になり、 2月に1回の割合で会合ももたれている。 取り組

んでいる農家の多くは認定農業者で町内でも比較的規模の大きな酪農家である。 



 次のグラフは東伯農業改良普及センターで作成されたものでパソコン簿記に取

り組んでいる酪農家の規模を示すものである。 



 【東伯町酪農家の記帳の実態】



 パソコン簿記は従来の帳簿式に比べ計算ミスがないため、 記帳労力が大幅に軽

減されると利用している農家に好評を得ている。 



 このためパソコンの購入も急増し、 パソコン簿記グループの農家23名中22名が

所有している。 



 現在、 記帳結果をもとに経営分析と改善に懸命の努力を図ると共に、 繁殖台帳

等飼育技術面のパソコン利用方法を検討している。 




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