◎地域便り


コイの放流で環境保全への意識高揚を

鹿児島県 上山勝行

 鹿児島県曽於 (そお) 郡大隅町の畜産基地で、 畜産農家14戸の経営者とその家

族らが、 昨年12月26日に畜産基地を囲むように流れている月野 (つきの) 川と大

鳥 (おおとり) 川に黒コイ約200匹を放流した。 放流したコイは (株) 志布志畜

産の貯留池で飼われ、 投げ網などを使い捕獲したもので、 体長は25〜70cmと大型

である。 



 昭和50年から54年に建設された畜産基地大隅第一地区月野団地には、 標高165m

の台地に養豚と肉用牛の大型畜産経営体がある。 経営者は周辺の環境保全に対し

てはいつも気を配ってきたが、 地域住民から悪臭や水質汚濁などの苦情が寄せら

れることもあり、 その都度対応に苦慮してきた。 



 個々の対応では抜本的な解決にならないため、 畜産基地の経営者みんなで取り

組もうという気運が高まり、 平成7年8月に畜産基地から河川までの側溝の清掃

を行った。 2回目の今回は、 河川へのコイの放流を行った。 



 【経営者、家族らが集まりコイの放流】



 また、 平成7〜8年度に、 国の環境保全対策事業を活用し、 共同利用のふん尿

処理施設を整備し、 環境保全対策に万全を期すこととしている。 



 春先には、 放流したコイが産卵し多数のコイが地域住民を和やかにしてくれる

ものと期待される。 参加者らは、 「地域のために少しは役に立てたのでは」 「今後

とも継続しよう」 と、 かねての忙しさを忘れ、 すがすがしい晴れ晴れとした気持

ちで帰路についた。 




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