豚 肉


豚 肉



11月の生産量 前年同月をやや下回る

 11月の国内生産は、 と畜頭数が160万4千頭 (▲5.1%) と前年同月をやや下回 り (図1)、 生産量も、 と畜頭数の減少を受けて、 8万5千542トン (▲4.9%)と 前年同月をやや下回った (図2)。
◇図1:豚肉のと畜頭数◇
◇図2:豚肉の生産量◇
 猛暑の影響から出荷の遅れた分が集中したと見られる10月に一時的に生産量は 前年と同水準になったものの、 長期的な飼養頭数の減少等から、 11月は再び前年 割れとなった。  平均枝肉重量 (全国平均) は、 76.2kg (1.7%)と、 前年同月をわずかに上回っ た。

11月の輸入量 前年同月を大幅に下回る

 11月の輸入量は、 2万4千208トン (▲52.7%) と大幅に減少した (図3)。 こ れまで、 国内生産量の減少を背景に、 前年同月比で、 7年5月から大きな伸びを 示してきたが、 10月にSG発動を見込んだかけ込み輸入が大量にあったことから、 11月は大きな減少となった。 特に、 冷凍品は、 1万2千851トン (▲67.4%) と 前年同月を大きく下回った。 一方、 主としてテーブルミート用の冷蔵品は1万1 千356トン (▲3.0%) と前年同月をやや下回るにとどまった (図4)。
◇図3:豚肉の輸入量(冷蔵・冷凍別)◇
◇図4:豚肉の国別冷蔵品輸入量◇
 輸入相手先別では、 冷蔵品が主体の米国からの輸入が8千193トン (▲1.4%) と前年同月をわずかに下回ったのに対し、 冷凍品が主体となる台湾が1万1千381 トン (▲50. 2%)、 デンマークも1千835トン (▲87.3%) と、 前年を大幅に下 回った。

11月の推定出回り量 前年同月をやや下回る

 11月の推定出回り量は、 13万2千844トン (▲4.4%) と前年同月をやや下回っ た (図5)。 国産品は国内生産量の減少を受けて8万5千598トン (▲5.0%) と、 前年同月をやや下回った。 一方、 輸入品は長期的な国内生産量の減少等を背景に、 6年4月から一貫して前年を上回って推移してきたが、 前月にあった前倒し需要 が一服したとみられ、 4万7千246トン (▲3.2%) と、 20カ月ぶりに前年を下回 った。
◇図5:豚肉の推定出回り量◇

11月の期末在庫量 輸入品在庫は依然高水準

 11月の推定期末在庫量は、 13万5千253トン (54.1%) と、 前年同月を大幅に上 回った (図6)。 国産品は、 生産量の減少を受けて、 1万2千109トン (▲23.0%) と前年同月を大幅に下回った。 一方、 高い在庫水準で推移してきた輸入品は、 輸 入量の急減を受けて前月より減少したものの、 輸入品の期首在庫が高水準にあっ たことや、 輸入品出回り量がやや減少したことから、 12万3千144トン (70.9%) と前年同月を依然大きく上回る水準となった。
◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇

11月の国産枝肉価格 前年同月をやや上回る

 11月の卸売価格 (東京市場・省令) は、 生産量の減少に加え、 加工用にうで、 ももを求める加工メーカーの需要等から、 相場は堅調となり、 421円/kg (4.2%) と前年同月をやや上回った (図7)。  12月の卸売価格 (速報値) は、 東京市場での取引頭数が前年同月に比べて減少 した上に、 輸入品の出回りが絞られたとみられることから、 448円 (8.5%) と前 年同月をかなり上回った。  また、 11月の国産豚肉の仲間相場は、 全ての部位で前年同月を上回ったが、 特 に冷蔵品うでが480円/kg (24.5%)、 ももは555円/kg (18.5%)、 冷凍品うでが 478円 (30.8%)、 ももが535円 (23.8%) といずれも前年を大幅に上回った。
◇図7:豚肉の卸売価格と供給量◇

11月の輸入豚肉仲間相場 総じて堅調

 11月の冷蔵品輸入豚肉の仲間相場は、 全ての部位が前年同月を上回った。 ロー スは台湾産836円/kg (6.8%)、 米国産は763円/kg (6.6%) といずれも前年を かなり上回った。 ヒレは台湾産が1, 058円 (7.4%) とかなり、 米国産は899円/ kg (1.6%) とわずかに、 いずれも上回った (図8)。 台湾産かたロースは781円/ kg (9. 0%) と前年同月をかなり上回り、 輸入量が減少したとみられるもも肉も、 696円と前年を大幅に上回った (25. 1%)。
◇図8:輸入豚肉の仲間相場◇
 冷凍品は、 前年同月の価格を総じて上回った。 特に、 米国産のヒレ、 台湾産の ヒレ、 うで、 ももは、 いずれも前年を大幅に上回った (それぞれ21.8%、 28.4%、 45.2%、 29.6%)。

今月のトピックス


−急騰した輸入価格−


 11月に通関された冷蔵豚肉の輸入価格 (CIF) は、 台湾産、 米国産いずれも大 きく値を上げた。 これは、 セーフガードの発動 (輸入基準価格の引き上げ) に応 じて、 高級部位を中心とした輸入や、 加工度合を高めた製品の輸入等が行われた ためと見られる。  しかしながら、 11月の冷蔵輸入豚肉の仲間相場は前年同月をいずれも上回った ものの、 前月に比べれば一様ではない。 輸入量が少なかったと見られる 「台湾産 もも肉」 が前月より大幅に値を上げたものの、 その他の部位では、 大幅な値上げ には至らなかった。 米国産は逆にひれ、 ロースともに前月に比べて値を下げた。
◇冷蔵豚肉の輸入価格(CIF)◇

元のページに戻る
月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る