豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


9月−73, 284トン (4. 7%) 

・夏の後半が比較的涼しかったこと等から早期出荷が進んだこと等もあり、 再び
 前年同月を上回る

・4〜9月の累計では、 2. 0%増と増加傾向

・と畜頭数は、 1, 414千頭 (4. 6%) と前年同月を上回り、 4〜9月の
 累計では、 1. 6%増

・平均枝肉重量 (全国平均) は、 74.1kg/頭 (0.1%) と5月を除き、 昨
 年7月から連続で前年同月を上回って推移

肉豚生産出荷予測

 資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成9年10月31日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇


9月−47, 592トン (68. 7%) 

・SG解除で急増した7月をピークに減少、 しかし、 SG発動で激減した前年同月を
 大幅に上回る

・冷蔵品は、 テーブルミート用の一定需要から、 輸入禁止の台湾産を米国産、 カ
 ナダ産、 韓国産等が補い、 10, 870トン (▲19. 2%) と7月以降同
 水準

・冷凍品は、 7月をピークに減少しているが、 36, 721トン (148. 7
 %) とSG発動で激減した前年同月を大幅に上回る、 うち、 EU産は22,489
 トンと冷凍品全体の61. 2%を占めて台湾産を補完


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


9月の米国産−11, 730トン (57. 1%) 

・冷蔵品は、 台湾産の代替需要等から7, 795トン (47. 0%) と6月を
 除いて5月以降は前年同月を上回って推移、 国別シェアで7割を維持

デンマーク産−16, 316トン (4, 741. 5%) 

・SG解除により急増した7月の3割程度に減少しているが、 引き続き輸入が進む
・SG発動で激減した前年同月を大幅に上回って推移


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


9月−122, 026トン (▲2. 2%) 

・輸入品は、 47, 450トン (▲12. 5%) と7カ月連続で前年同月を大
 きく下回る

・国産品は、 74, 577トン (5. 8%) と生産量の増加傾向等から、 5カ
 月連続で前年同月を上回る


◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり) ◇


9月の家計購入量−393g/人 (▲0. 5%) 

・家計購入量は、 小売価格の上昇、 量販店の特売実施率の低下等から、 8月に引
 き続き前年同月を下回る

8月の加工仕向肉量−31, 729トン (0. 5%) 

・国産品は、 9, 534トン (0. 9%) と、 7月を除き5月、 6月に続いて
 再び前年同月を上回る


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


9月−180, 556トン (▲20. 3%) 

・輸入が引き続き進んだため、 前月よりわずか1千トン程度の減にとどまる
・SG発動直後で高水準であった前年同月の約8割


◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令) ◇


9月−496円/kg (▲0. 4%) 

・上旬から中旬までは堅調に推移したが、 出荷頭数の増加等から、 月末にかけて
 400円台前半まで値を下げる

10月 (速報値) −386円/kg (▲8. 3%) 

・消費が伸び悩む中、 出荷頭数の増加等から価格が下がり、 月末には安定基準価
 格 (385円) を割るなど、 前年同月をもかなり下回る


◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


9月の冷凍品 「うで」 −449円 (▲1. 8%) 
 「もも」 −485円 (▲11. 0%) 

・うでは、 台湾産の輸入禁止措置直後の4月に前年同月を上回ったのを除き、 8
 年10月から連続で下回って推移

・ももは、 8年10月から12カ月連続して前年同月を下回って推移

・一方、 ロース、 ヒレとばらは前年同月を上回って推移


◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇


9月の米国産 「ロース」 −859円/kg (0. 9%) 

・7年10月以来24カ月連続で前年同月を上回って推移
・しかし、 7月をピークに価格は低下


◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品)◇


9月のデンマーク産 「ばら」 −636円/kg (6. 7%) 

・2月以来8カ月連続して前年同月を上回って推移するも、 4月をピークに価格
 は低下



トピックス
環境保全型農業調査
畜産部門別調査結果について

◇図11:環境面に配慮している事項別戸数割合 (複数回答) ◇


 農林水産省統計情報部は、 このほど 「環境保全型農業調査 畜産部門別調査結
果の概要 (平成9年2月1日現在) 」 を公表した。 

 これによると、 畜産経営において、 環境面に配慮している事項については、 各
畜種とも水質汚濁関連が多く、 その中でも、  「家畜ふん尿が雨水等で流出しない
ようにしている」 が6割〜7割を占めている (図11) 。 

 悪臭対策として、 肉用牛と豚では 「もみがら、 おが屑を用いている」 が多く、 
豚では 「微生物資材等を用いている」 も多い。 また、 豚と採卵鶏では 「害虫発生
を抑えるため、 薬剤を使用している」 経営が目立っている。 

 豚は全体の解答数がもっとも多く、 中でも 「脱臭装置を設置している」 割合が
他の畜種に比べて高く、 住宅地に近いこともあって環境対策の厳しさをうかがわ
せている。 

 家畜ふん尿の処理状況をみると、 大家畜では、 畜舎内への稲わら等の敷き料の
搬入もあること、 さらに飼料作物の栽培等と結びついていることから、概して「経
営耕地還元」 や 「野積み」 が多く、 中・小家畜では 「自家処理施設」 による処理
が多い (表) 。 

 豚では、 飼養規模の拡大と地域住民の環境に対する意識の高まりへの対応等か
ら、  「自家処理施設」 による処理が最も多い。 

 その処理方法をみると、 ふんとふん尿混合の処理では 「強制発酵」 が多く、 尿
では化学薬品等により汚濁成分を分解する 「浄化」 が多くなっている。 

  「自家処理施設」 による堆きゅう肥の処理施設に関する今後の意向を見ると、 
各畜種とも 「現在の自家処理施設を利用していく」 とする現状維持の意向が最も
多く、 次いで、  「自家処理施設を今後、 新設又は増設したい」 の順であり、 共同
施設利用に関しては、 家畜ふん尿の搬出入の作業負担の増加等から、 比較的低い
意向割合にとどまっている (図12) 。 

 豚について、 堆きゅう肥を製造するために主原料の生ふん尿の水分調整用等と
して用いた副資材の使用状況をみると、 ふん (分離処理) とふん尿混合が主原料
の場合は、 吸水性が高く資材として入手しやすい 「おが屑」 がもっとも多く、 次
いで 「もみがら」 となっている。 

 自家処理施設で製造した堆きゅう肥の仕向け先は、 乳用牛では、 飼料作物等の
栽培から農地への施肥としての 「経営耕地還元」 が最も多く、 次いで、 収入の確
保面からの 「販売」 の順であるが、 肉用牛、 豚及び採卵鶏では、  「販売」 が最も
多くなっている。 次いで、 肉用牛では 「経営耕地還元」 が多く、 豚と採卵鶏では
耕種農家等への 「無償で提供」 が多くなっている (図13) 。 

 また、 今後、 増やしたい堆きゅう肥の仕向け先の意向としては、 各畜種とも販
売が多い。 堆きゅう肥の販売形態をみると、 各畜種とも 「個人で販売」 が最も多
くなっている。 

 堆きゅう肥の個人販売地域をみると、 各畜種とも、  「市町村内の耕種農家」 へ
の販売が最も多く、 次いで、  「県内他市町村の耕種農家」 となっている。 

表 家畜ふん尿処理の状況戸数割合

 注:1 「共同処理施設」は、数戸の家畜飼養者が共同で設置した処理施設を
      利用した場合及び堆肥センターでの処理である。

   2 「その他処理施設」は、処理業者及び個人の処理施設に処理を委託・
      譲渡した場合である。

◇図12:堆きゅう肥処理施設に関する今後の意向別戸数割合◇

◇図13:堆きゅう肥の仕向け先別戸数割合◇


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