◎地域便り


有機資源リサイクル (畜産環境技術) シンポジウムを開催

岡山県/藤原 寿隆


 中国四国農政局では、 近年の環境問題の関心の高まりを受け、 廃棄物の発生を
抑制し有機資源の再利用または循環的利用を検討するため、  「有機資源リサイク
ルシンポジウム」 を開催した。 

 農林水産省では、 家畜ふん尿など有機資源のリサイクルシステムの確立と普及
を、 21世紀までに達成すべき技術課題 (農業キーテクノロジー) の1つと位置
付けており、 今回は (財) 畜産環境整備機構の協力の下にシンポジウムの開催に
こぎつけたものである。 10月24日に岡山市内で開催された同シンポジウムに
は、 中国四国各県の農業改良普及センターや家畜保健衛生所、 農協職員、 民間会
社などから約250名が参加、 環境問題に対する関心の高さを裏付けた。 

 まず、 横溝助教授 (岡山大学農学部) が 「わが国における持続的畜産経営の確
立と家畜ふん尿の堆肥化処理」 と題して基調講演を行い、  「地域が共同で堆肥化
処理施設の運営を行えば、 低コストでの経営が可能となる」 ことを強調した。 

 続いて、 野菜農家と協力しながら堆肥生産を行っているJA東伯など中国地方の
4団体からの事例発表が行われた。 この中で、 倉敷市の幸農会堆肥生産利用組合
の貝原組合長は 「畜産農家は耕種農家の要望する堆肥を生産するだけでなく、 耕
種農家を理解し、 協力を深めることが必要」 と発表した。 

 また、 パネルディスカッションでは 「堆肥生産のコスト意識、 作業の役割分担
を明確にすること」 、  「農家個人でなく、 共同あるいは地域ぐるみで堆肥処理に
取り組むことが必要」 等の意見が出された。 

 中国四国農政局では、 有機資源リサイクルを一層進めるための推進会議を発足
させており、 今後は未利用資源の活用をテーマに検討を進めることにしている。


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