豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇

3月−73,938トン (1.9%) 
・と畜頭数は、 昨年3月が極めて低水準であったこともあり、 1,396,492頭 (0.4
 %) と8カ月ぶりに前年同月を上回る

・平均枝肉重量 (全国平均) は、75.6kg/頭 (1.5%) と8年7月以降前年同月を
 上回って推移


◇図2:豚肉の輸入量◇

3月−23,207トン (17.6%) 
・冷蔵品は、 テーブルミートの固定需要があるものの、 口蹄疫発生で3月20日か
 ら台湾産の輸入禁止措置が講じられたこと等から、 合計で9,736トン(▲11.4%) 

・冷凍品は、 13,471トン (54.0%) とSG解除直前で減少した前年同月を大きく上
 回る


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:台湾からの豚肉輸入量◇

3月の米国産−5,744トン (▲6.6%) 
・冷蔵品は、 概ね4〜5千トン台でほぼ一定
・冷凍品は、 在庫が充分なこと等から前月に続いて低水準

台湾産−13,918トン (35.1%) 
・冷凍品が、 10,642トン (83.8%) とSG解除直前で減少した前年同月を大幅に上
 回る


◇図4:豚肉の推定出回り量◇

3月−114,326トン (▲1.5%) 
・輸入品は8カ月ぶりに前年同月を下回り40,412トン (▲4.7%) 

・国産品は、 前年3月の出回り量が極めて低水準だったこともあり、 5カ月ぶり
 に前年同月を上回り73,914トン (0.4%) 


◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり) ◇

3月−412g/人 (2.6%)
・牛肉の減少とは対照的に豚肉は増加 

・2月の加工仕向肉量は、 ハム、 ソーセージの生産量減少から26,874トン (▲5.
 7%) と7カ月連続で前年同月を下回る 


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇

3月−135,441トン (95.8%) 
・在庫の取崩しは進んでいるが、 6月末までSGが発動されること等から (昨年は
 3月末までの発動)、 依然、 高水準


◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令) ◇

3月−481円/kg (0.4%) 
・台湾での口蹄疫発生による輸入禁止措置の影響で、 冷蔵豚肉が品薄感が広まり、 
 下旬に一時的に 600円を超える日もあったが、 月平均では前月比20円高にとど
 まる

4月 (速報値)−543円/kg (▲2.3%) 
・品薄感から600円台のスタートとなったが、末端需要が弱いこと等から徐々に値
 を下げ、 月末には500円を割る


◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇

3月冷凍品 「うで」−442円 (▲6.4%) 
同 「もも」−496円 (▲9.3%) 
・3月は、 台湾産豚肉の輸入禁止措置等から、 全品目が値を上げる


◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇

3月米国産 「ロース」−912円/kg (8.6%) 
・3月は、 台湾産豚肉の輸入禁止措置等から、 全品目が値を上げる


◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇

3月台湾産 「もも」−415円/kg (▲24.5%) 
・台湾産豚肉の輸入禁止措置等から、 全品目が前月より値を上げる
・4月には、 「うで」 が値を下げる等、 全般に冷凍品相場も落着いてきたもよう

 (注) 台湾からの豚肉の輸入禁止措置の対象は、 

1 平成9年2月21日以降にと畜されたもの

2 平成9年2月20日以前にと畜されたものであっても、 3月18日以前に発送さ
  れていないもの



トピックス
飼養頭数前年比0.9%の減少にとどまる上半期の肉豚出荷予測も、 前年比1%減

 農林水産省は、 4月30日、 平成9年2月1日現在の豚の飼養戸数、 頭数を公表
した。 

 豚の飼養戸数は、 1万4千400戸で、 前年に比べ10.0%減少している (図11、表
1)。 

◇図11:豚の飼養戸数、 頭数の推移◇

 

表1 豚の飼養戸数、頭数の推移

 注:( )内は前年比、データはいずれも2月1日現在。

 同省では、 肉豚の販売価格が比較的堅調に推移したものの、 飼養者の高齢化、 
後継者不足、 飼養環境の悪化に加え、 飼料価格が高騰した影響等から、 小・中規
模の飼養者層を中心に飼養中止があったことによるとしている。 

 一方、 飼養頭数は7年、 8年に前年比3%以上減少したが、 今年は、980万9千
頭と、 0.9%の減少にとどまった。 

 これについては、 大規模な飼養者における規模拡大があったものの、 小・中規
模の飼養者層を中心とした飼養中止があったこと等によるとしている。 

 この結果、 1戸当たりの飼養頭数は、 前年の618.8頭から681.2頭 (10.1%) と
なった。 

 子取り用めす豚頭数も、 6年以降前年比3%程度の減少が続いたが、 今年は93
万2千400頭と、 前年に比べて0.9%の減少にとどまった。 

 子取り用めす豚を飼養している飼養戸数 (1万2千700戸)における1戸当たり
の飼養頭数は、 前年の66.8頭から73.4頭 (9.9%) となった。 

 肥育豚の飼養頭数規模別構成比をみると平成5年には、 「1〜499頭」 の階層が
26.2%を占めていたが、 本年は20%を割っている (図12)。 

◇図12:肥育豚の飼養頭数規模別の構成比◇

 逆に1,000頭以上の階層の頭数構成比は平成5年には、 54.5%であったが、本年
は62.8%とかなり増えている。 

 また、 同省畜産局食肉鶏卵課は4月25日、 9年度上半期の肉豚出荷予測頭数を、 
7,999千頭 (対前年比▲1.0%) 程度と公表した (表2)。 

表2 肉豚生産出荷予測(畜産局)


 増減の要因は

1)増加の要因

・経営規模の拡大に伴う母豚の増加
・SG発動に伴う高価格続きによる廃業予定の延期及び種付け頭数の増加

2)減少の要因

・後継者不足、 環境問題等による廃業、 それに伴う母豚の減少

としている。 

 平成6年度以来、 と畜頭数の減少率が3〜5%で推移してきたことからすると、 
9年度は生産量の減少にある程度ブレーキがかかることが期待される。 

 また、 台湾の口蹄疫、 オランダ等の豚コレラの発生は、 国内生産の重要性を我
々に改めて認識させた。 飼養頭数の減少率の縮少が、 増加につながることを期待
したい。 

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