牛 肉・肉用子牛

牛 肉


◇図1:牛肉の生産量◇

3月−28,916トン (▲8.0%) 
・7年11月以降、 前年同月を下回って推移


◇図2:牛のと畜頭数◇

3月の和牛−44,076頭 (▲4.7%) 
・14カ月連続で前年同月比マイナスの後、 1月、 2月プラスだったが、 再び前年
 同月を下回る

乳牛−58,281頭 (▲8.6%) 
・乳去勢 (▲9.3%) は、 母牛頭数の減少に加え、6年夏の猛暑による分娩頭数の
 減少等も影響


◇図3:牛肉の輸入量◇

3月−35,433トン (▲12.1%) 
・輸入牛肉の売れ行き不振、 円安等に加え、 冷凍品は、 4月からの関税引き下げ
 を前に未通関玉が増えて減少


◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2 豪州からの牛肉輸入量◇

3月の米国産−14,171トン (▲18.6%) 
・4月のSG解除を前に、 ばら主体の冷凍品が大幅減

豪州産−19,376トン (▲7.7%) 
・冷蔵品は11.6%減少、 需要一定の加工向け主体の冷凍品は5.3%増


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

3月−73,072トン (▲11.0%) 
・輸入品は、 13.7%減と減少傾向続く
・国産品は、 生産減から同じく6.8%減


◇図6:牛肉の家計購入量 (1人当たり) ◇

3月−281g/人 (▲4.6%) 
・8年4月以降、 BSE報道や病原性大腸菌 O−157食中毒等をきっかけに、 前年同
 月比1割程度の減少が続いてきたが、 3月の減少率は縮小


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

3月−83,630トン (4.4%) 
・昨年8月のSG発動前に積み上がった輸入品在庫は、 7月をピークに徐々に減少

・未通関在庫は、 4月の関税引き下げを前に2月末よりも約9千トン増加だが、 
 輸入量が絞られていることから、 前年同月比29.5%減


◇図8:牛肉の卸売価格 (東京・省令) ◇

3月−1,117円 (11.6%) 
・生産量が減少傾向の中、 国産品への人気集中、 品揃えのきく大都市の市場に買
 いが集中していること等から引き続き高水準

・主要規格は、 すべて前年同月比プラス


◇図9:牛肉の卸売価格(和牛去勢・東京)◇

3月のA5−2,335円/kg (0.4%) 
・主要規格中、 唯一低下基調だったA5は、 1月に続き、わずかながら、 再びプラ
 スに。 一足先に回復したA4は、 7カ月連続で前年同月比プラス

A3−1,525円/kg (6.3%) 
・A2、 A3は、 量販店の和牛取り組み強化等から、 引き続き好調


◇図10:牛肉の卸売価格 (乳去勢・F1去勢、 東京) ◇

3月の去勢B2−754円/kg (18.0%) 
F1B3−1,228円/kg (1.4%) 
・頭数減少の中、 輸入牛肉から国産にシフトしている量販店の需要等に支えられ、 
 好調

・乳去勢は、 900円台を超えた2月より151円安だが、 引き合いは引き続き強い


◇図11:輸入牛肉の仲間相場◇

3月の米国産冷蔵品112Aリブアイロール−1,699円/kg (8.4%) 
・ばら系を除き、 前年同月を上回るも、 2月よりも総じて低下

豪州産冷蔵品グラス・フルセット−543円/kg (1.9%) 
・輸入量が絞り込まれ、 総じて前年同月を上回る
・現地高から、 トリミングが366円 (10.9%、 前月比28円高) と上昇


肉用子牛

◇図12:肉用子牛 (黒毛和種) の取引価格◇

3月の頭数−43,224頭 (▲2.2%) 
・1月、 2月と前年同月比プラスの後、 再び下回る

3月の価格−379千円 (▲0.6%) 
・オスは前年同月並み、 メスは1.2%安


◇図13:肉用子牛 (ホルスタイン) の取引価格◇

3月の子牛価格−122千円 (28.9%) 
・母牛頭数の減少、 F1生産の増加等から、 取引頭数は大幅に減少
・枝肉価格が好調で、 肥育経営の導入意欲も強く、 価格は引き続き好調

ヌレ子価格−50千円 (▲6.7%) 
・2月より7千円高と8カ月ぶりに5万円台乗せ


◇図14:肉用子牛 (F1) の取引価格◇

3月の子牛価格−208千円 (7.2%) 
・頭数の増加にもかかわらず、 枝肉高から肥育経営の導入意欲が強く好調

ヌレ子価格−111千円 (▲4.1%) 
・引き続き前年同月を下回るも、 8年11月を底に回復


トピックス
出回り量、 23年ぶりの減少

◇図15:推定出回り量の年度別推移◇

 平成8年度の牛肉の推定出回り量 (消費仕向量、 部分肉ベース) は、 99万32千
トン (▲7.3%) と2年ぶりに100万トンを割り、 昭和48年度以来23年ぶりに前年
を下回った。 

 牛肉の推定出回り量は、 食生活の洋風化等を背景に長らく、 着実な増加傾向を
示してきた。 特に昭和63年の輸入自由化の決定後は、 大量の牛肉輸入が、 出回り
量の急拡大に寄与してきた。 

 だが、 平成6年度に100万トンを超えた牛肉市場の拡大速度は、7年度後半から、 
鈍化し始めた。 そして、 8年3月の英国からのBSE報道、 夏の病原性大腸菌O−15
7による食中毒をきっかけに、牛肉の消費は 「バブルがはじけるように」 急速にし
ぼんでしまった。 

 国内生産は、 減少傾向にあり、 また、 牛肉輸入量は、 前年割れを続けている。 
しかし、 牛肉の消費は中長期的には十分な拡大が見込まれており、 将来を見据え
た生産、 そして、 マーケティングが望まれる。 


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