牛 肉・肉用子牛

牛 肉


◇図1:牛肉の生産量◇


8月−28,775トン (5.5%) 

・病原性大腸菌O−157による食中毒の影響等で約2割減少した前年同月を上
 回る

・しかし、 4〜8月累計では4.4%減と、 7年11月以降、 減少基調で推移


◇図2:牛のと畜頭数◇


8月の和牛−45,864頭 (15.0%) 
乳牛−56,273頭 (▲0.6%) 

・和牛は、 約2割減少した前年同月をかなり上回り、 4〜8月累計では3.1%
 増

・乳牛は、 約2割減少した前年同月をわずかに下回る水準だが、 4〜8月累計で
 は8.7%減

・乳去勢は、 肥育期間の長いF1の比率が高まっていることもあり、 6年の猛暑
 等による分娩頭数の減少の影響が長引いていると見られること等から、 4〜8
 月累計で12.0%減


◇図3:牛肉の輸入量◇


8月−57,188トン (34.6%) 

・昨年大きく減少した冷蔵品は、 2.9%増と着実に回復
・冷凍品は、 SG発動で激減した前年同月の約1.8倍

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇


8月の米国産−28,089トン (45.8%) 

・冷蔵品は、 ロインを除き増加し、 前年同月比6.7%増、 冷凍品は、 ばら、 も
 も等が順調

豪州産−26,299トン (25.7%) 

・冷蔵品は需要回復傾向も、 前年同月比1.3%増にとどまる、 冷凍品は、 加工
 用 「その他」 が順調


◇図5:牛肉の推定出回り量◇


8月の推定出回り量−86,069トン (16.1%) 

・国産品、 輸入品ともに前年同月を上回る
・4〜8月累計で2.9%増と、 消費は回復傾向


◇図6:牛肉の家計購入量 (1人当たり) ◇


8月−280g/人 (13.4%) 

・2割近く減少した前年同月に比べ1割以上増も、 2年前の同月をまだ約8%下
 回る水準

・4〜8月累計で5.6%増と着実に回復


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇


8月−95,912トン (▲29.7%) 

・SG発動で大きく増加した前年同月に比べ、 大幅減少
・在庫率 (在庫量/推定出回り量) は、 1.11カ月 (▲39.5%) と低水準


◇図8:牛肉の卸売価格 (東京・省令)◇


8月−1,221円/kg (15.7%) 

・O−157食中毒発生で、 1,100円を割り込んだ前年同月をかなり上回る

・生産量の減少傾向、 国産品志向、 更に品揃えのきく大都市の市場に買いが集中
 していることもあり、 引き続き高水準


◇図9:牛肉の卸売価格 (和牛去勢・東京)◇


8月A5−2,415円/kg (5.5%) 

・主要規格中、 唯一下げ傾向だったA5は、 3月以降、 前年同月を上回って推移

A3−1,682円/kg (13.5%) 

・A3は、 量販店の和牛取り組み強化等から、 引き続き好調


◇図10:牛肉の卸売価格 (乳去勢・F1去勢、 東京) ◇


8月の乳去勢B2−809円/kg (18.1%) 
F1去勢B3−1,426円/kg (19.9%) 

・頭数減少の中、 輸入品から国産品にシフトしている量販店の需要等に支えられ、 
 引き続き好調

・その他、 主に挽き材、 加工用の乳メスC1は、 322円/kg(43.1%)と、 
 生産減、 需要回復等から引き続き高水準


◇図11:輸入牛肉の仲間相場◇


8月の米国産冷蔵112Aリブアイロール−1,820円/kg (13.3%) 

・冷蔵ロイン系が好調

・在庫豊富と見られる冷凍品チャックリブは、 引き続き前年同月を大幅に下回る
 が、 低下率は縮小

豪州産冷蔵グラス・フルセット−549円/kg (17.7%) 

・需要回復から、 需給が締まり、 全面安であった前年同月を1割以上、 上回る


肉用子牛

◇図12:肉用子牛 (黒毛和種) の市場取引価格◇


8月の頭数−18,668頭 (▲5.9%) 

・母牛の頭数減少等から、 減少傾向

8月の価格−371千円 (3.7%) 

・枝肉価格好調、 頭数減少等から、 6月ぶりに前年同月を上回る


◇図13:肉用子牛 (ホルスタイン) の市場取引価格◇


8月の子牛価格−113千円 (6.9%) 

・母牛頭数の減少、 F1生産の増加等から、 取引頭数は引き続き大幅減少
・枝肉価格好調だが、 価格は11万円台で推移し、 ほぼ高原状態か

ヌレ子価格−32千円 (▲21.0%) 

・前月より7千円下げ


◇図14:肉用子牛 (F1) の市場取引価格◇


8月の子牛価格−204千円 (1.6%) 

・枝肉価格好調等から、 3カ月ぶりに20万円台回復

ヌレ子価格−102千円 (6.5%) 

・2月以降、 10〜11万円台で安定的に推移


トピックス
需給が締まり、 堅調な豪州産冷蔵牛肉

◇図15:豪州産冷蔵品の輸入量と価格◇


 昨年度、 豪州産冷蔵牛肉は、 需要減退から輸入量が月間平均1万5千トンとピ
ーク時 (6年度) の約1万9千トンよりも大きく落ち込んだ。 逆に、 国内仲間相
場 (グラスフルセット) は需給が均衡し、 昨年10月以降今年5月まで概ね55
0円を上回って推移した。 

 不需要期の今年6月には、 輸入量の回復もあり、 一時500円台まで低下した
が、 夏の需要期に入るとともに値を戻してきた。 

 この背景には、 現地価格の上昇、 日本向け大型牛の供給不足といった豪州側の
要因に加え、 日本側では、 需要に見合った輸入が行われており、 供給過剰から値
を崩すといった従来のパターンが見られないことがある。 

 ただ、 国内相場が600円を超えると豪州産牛肉が持つ価格優位性が失われる
こともあり、 一本調子の上げは考えにくい。 今後も、 年末の需要期に向けて、 需
給バランスを考慮した輸入が望まれる。 


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