◎地域便り


和牛生産者7名が牛肉販売店 「牛肉屋」 をオープン

鳥取県/高見 尚文
 「地域の人に安く、 本物の味を知ってもらおう」 と、JA鳥取西部管内の肉用牛
生産者7名が、 県の多角的畜産体質強化事業を活用し、 その名も 「牛肉屋」 とい
う牛肉販売店を平成8年12月にオープンさせた。 

 店舗は、 日野郡溝口町のメンバーの車庫を改造して作った。 事業費は約420
万円で、 そのうち150万円は県からの補助金を活用した。 

 販売する牛肉は、 メンバーが肥育した黒毛和種の経産牛が主体。 米ぬかや大豆
等を利用し、 分娩前後を含め約1年間肥育。 「完熟度の高い、風味豊かで昔のよう
な牛肉」 というのが、 メンバーの一人であるKさんの評価である。 

 牛肉は、 食肉センターからブロック肉にしたものを、 注文に応じて精肉にしパ
ック詰めにして配達している。 店頭販売はしていない。 

 店舗運営には、 出荷牛1頭につき処理加工費4万円と店舗維持管理費相当を徴
収して当てている。 販売価格については、 一応、 グループで話し合うが、 最終的
には出荷者が決定する。 これまでの平均単価は1kg当たり約1,700円であ
る。 

 事業を始めた昨年末から、 毎月1〜2頭分の牛肉を販売しているが 「値段も手
ごろでうまい」 と好評で、 注文に応じきれないのが実態である。 当面の課題をK
さんは 「牛の生産者や血統等を書いたラベルを肉に表示し、 責任をはっきりさせ
たいと思っていますが、 食味にバラツキのない牛肉をつくることが第一です」 と、 
どこまでも消費者の立場に立った牛肉の生産と販売が重要と語っている。 

 オープンして間もない畜産農家の 「牛肉屋」 さんだが、 時宜を得た取り組みで、 
今後の発展を期待したい。 


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