◎地域便り


肉用牛経営を支える若き削蹄師!

鹿児島県/神宮司 恒幸


 鹿児島県鹿屋市は、 本県一の農業地帯であり、 畜産地帯でもある。 特に肉用牛
は、 全国的にも有数の産地である。 

 同市内の大窪秀一さん (30歳) は、 父菊男さん (58歳) とともに繁殖牛4
5頭、 肥育牛15頭を飼養する後継者である。 彼は、 また、 肉用牛経営の傍ら削
蹄師としても地域の大家畜経営を陰で支えている。 県内には現在387名の削蹄
師がいる。 

 蹄の悪い牛には、 歩行が困難になったり、 ストレスがかかり体調を崩して乳量、 
受胎率及び増体量が低下するなどの弊害が起きやすい。 このため適切な削蹄は、 
大家畜経営を向上させる上で、 極めて重要な管理作業である。 

 秀一さんは、 削蹄師の技術向上を目的に行われた鹿児島県牛削蹄競技会 (県牛
削蹄事業連絡協議会主催) で見事優勝した。 この競技会は毎年行われており、 1
3回目の今年は24名の参加があった。 特定の牛の蹄をどのように削り揃えたら
よいかを30分で判断する筆記と特定の牛の前後片側の蹄を25分で削蹄し仕上
げる実技の2種目の合計で競われた。 

 彼の夢は、 繁殖牛50頭肥育牛50頭の一貫経営であり、 また、 削蹄技術で地
域畜産に貢献したいと願っている。 このような彼を、 市、 農協及び農業改良普及
センターは、 大いに期待している。 
【削蹄中の大窪秀一さん】

 


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