◎地域便り


新しい人材育成法、 酪農技術総合セミナー

北海道/田中 義春


 北海道北見管内ではJA職員等を対象にした酪農技術総合セミナーが開催されて
いる。 これは厳しい酪農情勢を反映して、  「現場対応力のある人材育成」 を目標
にJAの指導・支援体制の確立を目指している。 

 プログラムや開催日程は先進酪農家や道立北見農業試験場、 家畜保健衛生所な
どの委員が定期的に集まり決定する。 飼養管理など酪農技術に関する10テーマ
を講義、 視察、 実技などを通じて2年間で学ぶ。 一つのテーマは3〜4日間で消
化する。 セミナーは、 平成5年から始まり、 3年かけて終了。 2回目の今回はす
でに8テーマを終了している。 参加者は管内のJA職員、 改良普及員などおよそ1
5名程度で研修終了までメンバーは変わらない。 

 受講した研修生は受講内容を同僚のJA職員や農協青年部に報告するように義務
付けられている。 研修生からの評価も高く、 習ったことを仲間とさらに勉強する
など成果も見られる。 

 今年からは、 町村及びJA職員から会費を徴収し、 広く農業関係者を集めてタイ
ムリーな講師を招き公開講座を開催している。 飼料作物及びふん尿処理について
の講座で2回実施したが、 100名以上集まり関心の高さがうかがえる。 

 特に最近は、 規模拡大によって排出されたふん尿の量が莫大で、 河川に流れ出
て大きな問題になっている。 会場からも質問が相次いだが、 地域としてこの問題
を解決する上で大きな話題提供になったことは間違いない。 

 こうした人材育成方法は道内の他管内からも注目されており、 視察や話を聞き
にくるところもある。 

 酪農に関しては技術的項目が多く、 しかも現場では最先端の技術や経営を実践
する農業者が出現している。 彼らと真剣に議論できる人材の育成が、 現場の指導
者に強く望まれている。 
【乳牛のボディコンディションについて研修中】

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