豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


3 月―77,655トン(5.0%)

・母豚頭数が横ばいの中で、市場開催日が前年同月より多かったこと等もあり、前
 月に引き続き、前年同月を上回る。

・ 9 年度累計では、2.0%増と4年ぶりに前年を上回る。

・と畜頭数は、1,462千頭(4.7%)と 4 カ月連続で前年同月を上回る。

・平均枝肉重量(全国平均)は、75.9kg/頭(0.3%)と2カ月連続で前年同月を上回る。

肉豚生産出荷予測

資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成10年4月28日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇


3 月―25,678トン(10.6%)

・SG発動下で在庫も多く、冷凍品の輸入が減少した前年同月をかなり上回る。

・前年度は、SGの関係で大幅に増えたため、 9年度累計では、22.0%減。

・冷蔵品は、テーブルミートの一定需要等から、11,165トン(14.7%)。前年は
 台湾産の輸入禁止措置等から減少したこと等から、14カ月ぶりに前年同月を上
 回る。

・冷凍品は、14,513トン(7.7%)と前年同月を上回るも、 4 月の基準輸入価格
 の引き下げを前に前月よりも約 3 千トン減少。


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


3月米国産―11,276トン(96.3%)

・冷蔵品は、8,514トン(54.3%)と、 9 カ月連続で前年同月を大幅に上回る。
 冷蔵品全体の76.3%を占める。 9 年度累計では25.5%増。

・冷凍品は、2,762トンとSG発動下で激減した前年同月を大幅に上回るも、 9 年
 度累計では、18.9%減。 

  デンマーク産―2,584トン

・SG解除の 9 年 7 月に激増し、その後、減少。
・ 9 年度累計では25.5%増。


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


3 月―110,367トン(▲3.5%)

・国産品は、生産量の増加を受けて77,852トン(5.3%)と 2 カ月連続で前年同
 月を上回る。

・輸入品は、32,516トン(▲19.5%)と 2 カ月連続で前年同月を下回る。


◇図5:豚肉の家計購入量(1人当たり)◇


3月の家計購入量―407g/人(▲1.3%)

・9年11月から 3 カ月連続で前年同月をわずかながら上回った後、 2 カ月連続
 で下回る。

2月の加工仕向肉量―26,524トン(▲1.3%)

・国産品は、8,119トン(▲4.4%)とかなり減少した前年同月をさらに下回る。
・輸入品は、18,405トン(0.1%)と 2 カ月連続で前年同月を上回る。


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


3 月―107,550トン(▲20.6%)

・輸入品在庫は、91,676トン(▲22.3%)と 2 カ月連続で10万トンを下回る。

・在庫率(在庫量/推定出回り量)は、0.97カ月と 9 カ月ぶりに1カ月分を下回
 る。

・未通関在庫は、前月より953トン増だが、6,700トン(▲73.9%)と落ち着いた
 動き。


◇図7:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇


3月―426円/kg(▲11.4%)

・ 1 日の全国出荷頭数が 6 万頭台と低水準の日が多く、ほぼ410円〜440円台で
 推移。

・台湾での口蹄疫発生による輸入禁止措置の影響で高値となった前年同月をかな
 り下回る。

4月(速報値)―452円/kg(▲16.8%)

・ゴールデンウィークの需要等から後半にかけて、400円台後半で堅調に推移。月
 末にかけて 1 日の全国出荷頭数が、 8 万頭台と高水準となったこと等もあり
 一服。

・台湾産の輸入禁止措置の影響で、高値となった前年同月を大幅に下回る。


◇図8:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


3 月  冷凍品「うで」―404円(▲8.6%)
	同 「もも」―424円(▲14.5%)

・うでは、 5 カ月ぶりに前年同月を下回る。
・ももは、 8 年10月から連続して前年同月を下回って推移。
・月毎にみると、うで、ももとも 9 年 4 月以降、基調として低下傾向。


◇図9:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品)◇


3 月  米国産「ロース」―726円/kg (▲20.4%)

・ 7 年10月から24カ月連続で前年同月を上回った後、9年10月から 6 カ月連続
 で前年同月を下回る。

・月毎にみると、12月から上昇していたが、再び低下。

・前年は、SGとSSGの重複発動等により上昇していた中で、台湾産の輸入禁止措置
 の影響でさらに上がったため、前年同月を大幅に下回る。


◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


3 月デンマーク産「ばら」―576円/kg(▲17.7%)

・9年 3 月から 9 カ月連続して前年同月を上回っ た後、11月から 5 月連続で
 下回る。

・月毎にみると、 9 年 4 月をピークにおおむね低下傾向で推移。

・前年は、在庫の減少やオランダでの豚コレラ発生によるEU域内の品不足の影響
 等を受け上昇していたこと等から、前年同月を大幅に下回る。



トピックス
種雌豚頭数拡大意向調査で  2 割が「増頭」、 8 割弱が「現状維持」

◇図11:肉豚の銘柄化について◇

◇図12:SPF豚化について◇

◇図13:肥育豚生産用種雌豚の頭数規模の拡大意向について(一貫経営)◇

◇図14:肥育豚生産用種雌豚の頭数規模の拡大意向について(一貫経営)◇

◇図15:今後の生産目標について◇


 社団法人中央畜産会は、「養豚経営における飼養動向等に関する調査結果」(指
定助成対象事業、養豚経営安定推進指導事業)を公表した。

  調査は9年8月に実施され、集計された調査表は総数で154件(飼養形態別では、
繁殖経営5件、肥育経営 1 件、一貫経営が148件(全体の96.1%))である(表
 1 )。

表1:飼養形態別集計件数

 注:割合は154件に対する経営形態別の計の割合。

 「後継者の有無」については、全体をみると「就労済み」が26.6%、「将来就
労予定」が9.1%、併せて35.7%となっている(表 2 )。しかし、「未定」が44.
8%と「就労済み・予定」を上回っており、「予定なし」も19.6%と2割近い状況
にある。

表2:後継者の有無

 注:( )内は横計に対する割合。

 生産資材購入についてみると、肥育豚後期購入飼料の主な調達方法は、「市販
配合」が62.4%ともっとも多く、次いで「指定配合」が29.1%、「自家配合」が
6.4%であった。

  肥育素豚生産用種豚の更新方法についてみると、「雌豚」は「すべて外部導入」
の割合が最も高く、44.7%を占め、次いで、「自家生産・外部導入」が32.9%、「す
べて自家生産」が22.4%であった。

  一方、「種豚」についてみると、「すべて外部導入」が66.7%を占め、次いで、
「自家生産・外部導入」が22.7%、「すべて自家生産」が10.7%であった。

 「肉豚の銘柄化」については、「すでに実施している」が54件(37.2%)、「将
来実施したい」が58件(40.0%)となり、8割近くが「銘柄化」に関心がある(図
11)。
 
 「SPF豚化」については、「実施している」が9件(6.2%)と少ないが、「将
来実施したい」が24件(16.4%)と併せて22.6%となっている(図12)。

  今後の肥育豚生産用種雌豚の頭数規模の拡大意向については、一貫経営の場合
は、「増頭」が30件(20.4%)、「同じ」が114件(77.6%)となっている(図13)。
これを経営類型別にみると「増頭」が個人経営では19件(18.2%)、家族法人経
営では9件(24.3%)となっている(図14)。規模別では、規模が大きいほど「増
頭」の意向割合が高まっている(表 3 )。

表3:肥育豚生産用種豚の頭数規模拡大意向(種雌豚規模別)


  今後の生産目標については、最も指摘が多かったのは、「生産性の向上」で84件
(複数回答、54.5%)、次いで「コストの低減」が42件(27.3%)、「高品質」が
21件(13.6%)、「安全性」が16件(10.0%)であった(図15)。



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