神奈川県/堀 与志美
企業的養豚経営において肉豚の生産効率を高めるため、SEW方式(Segrigated Early Weaning,分離早期離乳)を導入する機運が高まっている。神奈川県横浜市 泉区の(有)横山養豚(母豚300頭)は県の都市型養豚施設整備事業を利用し、9 年10月、離乳子豚舎及び育成子豚舎を建設した。豚舎はウインドレス構造となっ ており、当立地場所が都市化の真ん中にあるため、効果が期待されている。 この方式の主な特徴は次のとおり。(1)肉豚の生産を分娩時期を 1 週間を単 位として、グループ単位でオールイン・オールアウトで行う。同一日齢でグルー プを構成することによるストレスの軽減とオールアウト後の豚房の洗浄乾燥によ り、衛生対策の向上を図れる。(2)1豚舎を6区画に区切り、区画ごとの独立構 造とし、離乳時期を従来の23日齢から18日齢と早期に行い、母豚からの疫病感染 を防ぎ、子豚の健康を維持するとともに、母豚の分娩回数の増加を期待している。 (3)哺乳期( 0 〜18日齢)、離乳期(19日齢〜 9 週齢)、育成期( 9 〜15 週齢)毎に異なる豚舎で育成する。 豚の発育に合わせて温度、換気量をコンピュータで自動調節している。換気シ ステムは、天井裏全体を換気に利用し、効率的なチムニー方式を取り入れている。 空気が部屋全体へ万遍なく広がるよう、天井には多数の小さな穴があいたソフト エアーパネルを利用している。仕切枠や床面等にも耐久性などに工夫をしている。 特に消毒及び湿度保持のために各棟に1部屋ごとに独自に改良した細霧システム を採用し、舎内環境に気を配っている。 SEW方式で、子豚を最適な環境条件で飼養することができるため、発育の向上と 死亡事故 0 を目指している。 豚舎概要
【屋根の上にでているのがチムニー式の排気筒】 |
【天井の全面から空気が吹き出し、中央の筒状のチムニーから排気される。】 |