◎地域便り


SEW方式(分離早期離乳)による子豚育成

神奈川県/堀 与志美


 企業的養豚経営において肉豚の生産効率を高めるため、SEW方式(Segrigated 
Early Weaning,分離早期離乳)を導入する機運が高まっている。神奈川県横浜市
泉区の(有)横山養豚(母豚300頭)は県の都市型養豚施設整備事業を利用し、9
年10月、離乳子豚舎及び育成子豚舎を建設した。豚舎はウインドレス構造となっ
ており、当立地場所が都市化の真ん中にあるため、効果が期待されている。

 この方式の主な特徴は次のとおり。(1)肉豚の生産を分娩時期を 1 週間を単
位として、グループ単位でオールイン・オールアウトで行う。同一日齢でグルー
プを構成することによるストレスの軽減とオールアウト後の豚房の洗浄乾燥によ
り、衛生対策の向上を図れる。(2)1豚舎を6区画に区切り、区画ごとの独立構
造とし、離乳時期を従来の23日齢から18日齢と早期に行い、母豚からの疫病感染
を防ぎ、子豚の健康を維持するとともに、母豚の分娩回数の増加を期待している。
(3)哺乳期(  0  〜18日齢)、離乳期(19日齢〜 9 週齢)、育成期( 9 〜15
週齢)毎に異なる豚舎で育成する。

 豚の発育に合わせて温度、換気量をコンピュータで自動調節している。換気シ
ステムは、天井裏全体を換気に利用し、効率的なチムニー方式を取り入れている。
空気が部屋全体へ万遍なく広がるよう、天井には多数の小さな穴があいたソフト
エアーパネルを利用している。仕切枠や床面等にも耐久性などに工夫をしている。
特に消毒及び湿度保持のために各棟に1部屋ごとに独自に改良した細霧システム
を採用し、舎内環境に気を配っている。

 SEW方式で、子豚を最適な環境条件で飼養することができるため、発育の向上と
死亡事故 0 を目指している。

豚舎概要

 

【屋根の上にでているのがチムニー式の排気筒】

【天井の全面から空気が吹き出し、中央の筒状のチムニーから排気される。】

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