◎地域便り


和と話で輪になり利益を上げよう

新潟県/森山 則男
 「農業をする喜び、食料をあずかる喜び、夢と希望を持てる喜び」を経営理念
に多角的展開を行っている新潟県六日町の(有)山田畜産、社長山田光昭さん(44)。
新潟県魚沼産こしひかりの地で母豚250頭の養豚一貫と水稲2haの複合経営で、昭
和58年に法人化。夫婦と常雇 2 人で経営し、社会保険等の充実を図っている。

 養豚部門は、群馬に本部のある大手養豚会社のグループの一員として、指導を
受けながら、生産管理と経営管理を行い、県内の同グループ販売会社を通して、「越
後もち豚」のブランドで出荷・販売している。経営管理は、複式簿記により月次
試算表を作り、グループ検討会を行っている。また、前年の計画と実績に基づき
今年度の計画を作成する予算書方式を取り入れて実行している。

 水稲部門は地域の仲間8人と西部生産組合を組織化、組合長として活躍。強制
発酵装置で作った良質堆肥を約30haに散布し、評価の高い「魚沼産こしひかり」の
さらなる高付加価値化を図っている。特に、水稲への堆肥散布は倒伏や食味への
影響を気にする人が多く利用状況はまだ少ないが、土壌条件を勘案しながら積極
的に利用し、おいしい米の生産を目指している。 

 4月11日には、地元消費者に高品質農産物を顔の見える形で届けるために、野
菜、豚肉、こしひかりや総菜を扱う直売店を地元に開店させた。山田さんの目標
は後継者とともに母豚の規模を倍増し、水稲部門の生産組織を法人化すること。
豚ふん堆肥を有効利用しながら地域や消費者に喜んでもらえる養豚と稲作の総合
農業を目指している。

 農業改良普及センターのニュー農業塾の塾長として、また、県の指導農業士と
して活躍、海外研修など情報も豊富な山田さんから「情勢は厳しい、畜産はダメ
だ」という言葉は聞いたことがない。新潟県が新たに始めた有機農産物等の生産・
流通支援、そして、認証する「にいがた有機・元気・活気」事業の名は山田さん
のためにつけたような感じさえし、この動きを県内に広めたいものである。


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