大阪府/石崎 隆則
平成10年 3 月 6 日、全大阪養豚農業協同組合主催の平成 9 年度第 2 回豚肉 品質向上技術・消費拡大研究会が、大阪市南港市場において開催された。 この研究会は永年続けてきた「大阪府肉豚共進会」の廃止後、開催されるよう になったもので、今回は府下の地産、地消の理想に向けた、おいしい豚肉づくり に取り組んでいる養豚生産者 6 名から各 5 頭ずつ、計30頭の肉豚が出荷された。各 5 頭の内 4 頭は冷と体で、 1 頭は ロース面をカットして出された。当日は市場、格付協会、大阪府環境農林水産部 振興整備室、農林技術センター、家畜保健衛生所、畜産会、大阪府総合畜産農業 協同組合連合会の職員が審査に当たった。これは順位を決めるためでなく、参考 数値をつかむための審査である。今回はロース断面積を見せることによって、ロ ース芯の大きさ、肉汁滲出性、筋間脂肪、脂肪交雑等を詳しく検討することがで きた。 当日、上場された約550頭から極上が5頭でたが、そのうちの2頭が研究会から の出品で、それぞれ、556円/kg、518円/kgという高値で取引された。こうした 研究会を実践していることが、買参人に好感を与え、高く評価されていることか ら、近年、市場関係者の府内産豚肉に対する評判は良くなっている。 午後からの研究会では、まず格付協会から格付の方法について説明があり、出 品者毎に所見が述べられ、一部出品者に背脂肪の厚さと軟脂が指摘された。意見 交換会においても、品種、密飼い、飼料給与面など突っ込んだ意見が出され、肉 色についてもバラツキ、濃さが一部指摘された。さらに、肉質と給与飼料の関係 でも活発なやりとりが行われた。 この研究会は、豚肉の消費拡大促進を目標としていることから、府内産豚肉の 良さを認識してもらうために試食用として、出品の豚肉を消費者に配り、アンケ ートにこたえてもらうようにしている。 この結果は消費者の意見として、次回の研究会で発表される予定となっている。
【ロース断面も審査】 | ||
【1頭、1頭、慎重に審査】 |