豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


12月−86,640トン (4.5%) 

・母豚頭数が横ばいであるなか、 市場開催日が前年同月より多かったこと等もあ
 り、 再び前年同月を上回る。 

・9年度累計では2.1%増。 

・と畜頭数は、 1,630千頭 (4.4%)。 

・平均枝肉重量 (全国平均) は、 75.9kg/頭 (0.1%) とほぼ前年同月並
 み。 

豚肉生産出荷予測

 資料:農林水産省畜産局「豚肉生産出荷予測」(平成10年2月2日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇


12月−30,889トン (▲29.0%、 SG算定ベース) 

・在庫が十分にあること等から、 SG発動下の前年同月を再び下回る。 

9年度 (4〜11月) 累計

・冷蔵品は、 台湾産の輸入禁止措置の影響等から、 88,627トン (▲30.2
 %) と前年同期を大幅に下回る。 

・冷凍品は、 台湾産の輸入禁止措置の影響や前年はSG発動前に輸入が激増した
 こと等から、 315,219トン (▲24.2%) と前年同期を大幅に下回る。 


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


9年度 (4〜11月) 累計
米国産−106,851トン (▲9.0%) 

・冷蔵品は、 価格優位性等からSG解除の7月以降、 前年同月を大幅に上回って
 推移し、 66,384 (16.8%) と、 冷蔵品全体の75%を占める。 

・冷凍品は、 EU産のシェア拡大や前年はSG発動前に激増したこと等から、 4
 0,468トン (▲33.3%)。 

デンマーク産−136,567トン (17.8%) 

・SG解除の9年7月に激増し、 その後、 漸減。 
・冷凍品全体の43%。 


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


9年度 (4〜11月) 累計−983,654トン (▲2.3%) 

・国産品は、 生産量の増加を受けて9年5月以降、 11月を除いて前年同月を上
 回って推移し、 594,433トン (3.4%)。 

・輸入品は、9年3月以降、 前年同月を下回って推移し、389,221トン(▲9.
 8%)。 


◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり) ◇


12月の家計購入量−434g/人 (1.7%) 

・なべ物需要の伸び等から2カ月連続で前年同月を上回る。 

11月の加工仕向肉量−36,908トン (▲1.6%) 

・3カ月連続で前年同月を上回ったが、 ハム、 ソーセージ等の歳暮用消費の伸び
 悩み等から、 再び前年同月を下回る。 

・輸入品は、3カ月連続で前年同月を上回った後、11月は26,162トン(▲1.
 5%)。 


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


12月−132,699トン (▲25.6%) 
・7月、 8月と輸入量が激増したため、 引き続き10万トンを超えているものの、 
 SG発動で増加した前年同月を下回って推移。 


◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令)◇


12月−483円/kg (5.2%) 

・12月に入り、 年末需要やなべ物需要が強まり、 上旬には2カ月ぶりに400
 円台に回復。 

・東京市場の年末年始の休業期間が9日間と長く、 その間の手当て等から後半は
 500円前後で推移し、 月末には670円と高騰。 

1月 (速報値)−436円/kg (4.3%) 

・第1週は、 正月明けの需要の弱まりから400円を割る日があったが、 中旬に
 は雪の影響から出荷頭数が減り500円を超える日もあった。 


◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


12月冷凍品 「うで」 −420円/kg (6.5%) 
  同   「もも」 −457円/kg (▲1.0%) 

・うでは、 前月に引き続き前年同月を上回る。 

・ももは、 8年10月から連続して前年同月を下回って推移しているが、 前月よ
 りもわずかに値を上げる。 

・ヒレは、 8年5月以来17カ月連続で前年同月を上回った後、 2カ月連続で下
 回る。 


◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇


12月の米国産 「ロース」−766円/kg (▲4.4%) 

・7年10月から24カ月間、 前年同月を上回った後、 3カ月連続で前年同月を
 下回る。 

・9年7月をピークに値を下げてきたが、 12月はやや上げる。 


◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品)◇


12月デンマーク産 「ばら」−580円/kg (▲7.2%) 

・9年2月から9カ月連続して前年同月を上回った後、 2カ月連続で下回る。 

・SGが解除後の9年7月、 8月と輸入が激増し在庫が十分にあること等から引
 き続き低下傾向。 



トピックス
豚の生産量の季節変動について

◇図11:豚の分娩と出荷時期◇

◇図12:平均枝肉重量◇


 豚の生産量には、 冬は増加し夏は減少するという季節変動がある。 

 過去3年のと畜頭数を比較すると、 11、 12月平均と7、 8月平均では約3
0万頭程度の差がある。 

 関係者によると、 豚はもともと春と秋に分娩する習性があるが、 春に生まれた
子豚に比べ、 秋に生まれた子豚は冬を越すことで事故も多く、 そのため、 春から
夏にかけての出荷頭数が少なくなるという。 

 また、 豚は家畜化され1年を通じ分娩するようになってはいるが、 夏の暑いと
きは受胎率が下がるという。 さらにこの時期の受胎では冬に分娩されるので、 子
豚の事故率が高くなり、 出荷適期となる夏の出荷頭数が減ると考えられる (図1
1)。 

 夏場は秋に比べ、 増体も悪く、 過去3年間の枝肉重量では、 11月平均の76.
4kgに対し8月平均は73.5kgと約3kg (▲3.7%) も少なくなってい
る (図12)。 

 しかし、 夏でも冷夏と猛暑、 冬でも暖冬と厳冬があり、 地域によっても条件が
異なるため、 概ねこのようなことが考えられる。 


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