12月−714,337トン (0.0%)
・9年4月以降、 7、 8月だけはわずかに増加したものの伸び悩み、 9年度累計
では0.2%減。
・北海道は前年同月を1.4%上回ったが、 都府県は飼養頭数の減少等から1.0
%下回り、 9年4月以降減少傾向が続く。
北海道:12月−25.8kg (1.6%)
都府県:12月−25.8kg (▲0.4%)、1月−26.0kg (▲0.4%、 速
報値)
・北海道は9年7月に前年同月並みとなり、 以降5カ月連続で前年同月をわずか
ながら上回る。
・都府県は8年度の伸びが大きかったこともあり、 9年9月にわずかに減少に転
じ、 以降伸び悩む。
12月−400,167トン (▲2.7%)
・9年4月以降、 5月、9月を除き前年同月を下回る。 9年度累計では0.8%減。
・牛乳の生産が減少傾向である一方、 乳飲料及びはっ酵乳の生産は好調が続く。
・加工乳は9年度に入っても、 8月にわずかに落ち込んだ以外増加傾向であった
が、 12月は65,406kl (▲3.5%) と11月に続き減少。 9年度累計
では0.5%増。
12月−324,203kl (▲2.5%)
・9年9月にわずかに増加したが、 8年8月以降減少傾向が続き、 12月は前年
同月をわずかに下回る。
・9年度累計では、 2.5%減。
12月の乳飲料−91,815kl (13.6%)
はっ酵乳−43,221kl (4.6%)
・健康志向、 栄養強化タイプ等を中心としたメーカーの積極的な商品開発等を背
景に、 一貫して前年同月を上回って推移。 9年1月から10月まで両アイテム
とも2桁の伸びであったが、 はっ酵乳は11月から伸び率が1桁台。
・9年度累計では、 乳飲料が13.5%増、 はっ酵乳が12.5%増。
12月−305,268トン (4.0%)
・生乳生産量が前年同月並みで、 優先的に仕向けられる飲用牛乳等向け処理量が
わずかに減少したことから、 乳製品向け処理量はやや増加。
・生クリーム等需要拡大事業の効果等から生産量が大きく伸びてきたクリームは、
9年7月以降伸びが1桁台となり、 12月は7,206トン (▲6.8%) と2
年2カ月ぶりに前年同月を下回る。
・9年5月以降、 ほぼ2桁の伸びを示してきた直接消費用ナチュラルチーズは、
好調な需要に支えられ、 12月も1,133トン (16.9%) と大幅な増加。
12月の生産量−19,170トン (11.9%)
・9年度の累計生産量は、 0.3%減。
・10年度カレントアクセス分13万7千トン (生乳換算) 相当の乳製品の輸入
は、 ホエイ等 (製品重量3,900トン) 以外について、事業団は脱脂粉乳17,
100トンを輸入することとし、 2月3日に入札を実施。
・推定出回り量は19,600トン (8.5%)、 推定期末在庫量は46,700ト
ン (13.8%) で前月よりも300トン減少。
12月−13,722円/25kg (1.9%)
・8年度に引き続き、 9年4月以降安定指標価格を5%程度上回って推移。
・9年7月以降4カ月連続同水準の後、 11月に3円下げ、 12月はさらに4円
下げて、 安定指標価格 (13,090円/25kg) を4. 8%上回る水準。
12月の生産量−7,707トン (15.5%)
・9年度の累計生産量は、 2.0%増。
・推定出回り量は10,300トン (0.8%)、 推定期末在庫量は19,600ト
ン (▲9.7%) で前月よりも2, 600トン減少。
12月−993円/kg (2.8%)
・8年2月、 3月の947円/kgを底に値を戻し、 在庫水準が前年より1割前
後低いこともあって、 8年9月から9年4月まで一貫して上昇傾向。
・9年4月以降5カ月連続で同水準の後、 9月、 11月にそれぞれ1円上げ、 1
2月は11月と同価格で、 安定指標価格(965円/kg) を2.9%上回る水
準。
拡大基調が続くはっ酵乳
「牛乳乳製品統計」(農林水産省) によると、 はっ酵乳の生産量は平成8年度5
54千キロリットル (10.5%) で、 4年度から5年間で約1.6倍に増加し、
他の乳製品と比較して非常に大きな伸びとなっている(図11)。 9年度について
は、 11月以降伸び率が1桁台となっているものの、 9年4月〜12月累計では
12.5%と2桁台の伸びを維持している。
はっ酵乳を商品タイプ別に分類すると、 大きく1)プレーン、 2)ハード、 3)フル
ーツ、 4)ドリンク、 5)その他に区分することができる。 各タイプの販売数量の構
成比を量販店のPOSデータで見ると、 ハードタイプが31.9%と一番多く、次
いでプレーンタイプ、 ドリンクタイプと続く (図12)。
タイプ別販売数量の推移を同じくPOSデータで見ると、 いずれのタイプも近
年販売量が増加しているが、 フルーツタイプの伸びが大きく、5年間で約1.7倍
となっている。 プレーンタイプは5年度に前年比34%増と伸びたが、 7年度に
落ち込み、 8年度は5年度のレベルまで回復。 ハードタイプは毎年着実に伸びて
いる (図13)。9年度累計(4〜12月) では、プレーンタイプが前年同期比11.
7%増、 ハードタイプ2.9%増、 フルーツタイプ3.6%減、 ドリンクタイプ4.
8%増と、 プレーンタイプの伸びが目立っている。
価格面では、 全体的に値下がり傾向の中で、 フルーツタイプのみ5年間で10
%程度値上がりしている。
平成9年度 「牛乳乳製品の消費動向に関する調査」((社)全国牛乳普及協会) に
よると、 牛乳の飲用理由については 「カルシウムがある」 (62.3%)、 「栄養が
ある」 (46.1%) など健康に関する機能的理由が上位を占めているのに対して、
ヨーグルトの食・飲用理由については「おいしい」 (54.3%)、「好き」 (44.8
%) などの嗜好性が、 「栄養がある」 (35.1%)、「カルシウムがある」 (32.5
%) を上回っている (図14)。
はっ酵乳の消費が伸びている要因として、 1)商品種類が豊富でバラエティのあ
るおいしさ、2)消費者の健康志向、 3)カルシウム不足等に対する消費者の意識向
上、 4)O−157問題をきっかけに、乳酸菌の整腸作用についての認識の向上、5)
乳糖不耐症で牛乳が苦手な者にも安心であることなどが挙げられる。
なお、 平成9年11月21日現在、 はっ酵乳では、 9つの製品 (フローズンヨ
ーグルト1を含む。) が厚生省から特定保健用食品の表示許可を受けており、それ
ぞれが、 整腸作用のある成分として各種の乳酸菌をかかげてPRしている。 この
ように、 今後は 「味」 プラス消費者の健康意識の高まりに対応した製品開発も活
発化しそうだ。
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