豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


2月―72,262トン(1.1%)

・と畜頭数と枝肉重量の増加を受けて、再び前年同月を上回る。
・9年度累計では、1.7%増。
・と畜頭数は、1,357千頭(0.8%)と3カ月連続で前年同月を上回る。
・平均枝肉重量(全国平均)は、76.1kg/頭(0.3%)と再び、前年同月を上回る。

肉豚生産出荷予測

 資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成10年3月31日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇


2月―26,987トン(37.0%)

・SG発動下で在庫も多く冷凍品の輸入が激減した前年同月を大幅に上回る。

・昨年はSG関係で大幅に増えたため、9年度累計では、23.2%減。

・冷蔵品は、テーブルミートの一定需要等から、9,680トン(▲7.7%)。13ヶ月
 連続で前年同月を下回って推移。

・冷凍品は、17,308トン(87.9%)と前年同月を大幅に上回るも、4月の基準輸
 入価格の引き下げを前に前月よりも約3千トン減少。


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


2月 米国産―9,729トン(84.0%)

・冷蔵品は、前月より増え7,276トン(52.6%)と、引き続き、冷蔵品全体の75%
 を占める。9年度累計では23.3%増。

・冷凍品は、2,453トン(373.5%)とSG発動下で激減した前年同月を大幅に上回
 るも、9年度累計では、22.8%減。

デンマーク産―4,802トン(514.4%)

・SG解除の9年7月に激増し、その後、減少。
・9年度累計では23.5%増。


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


2月―106,660トン(▲3.1%)

・国産品は、生産量の増加を受けて、71,970ト ン(0.6%)とわずかながら再び
 前年同月を上回る。

・輸入品は、34,689トン(▲10.0%)と前月、11カ月ぶりに前年同月を上回った
 が、再び下回る。

◇図5:豚肉の家計購入量(1人当たり)◇


2月の家計購入量―376g/人(▲4.6%)

・4カ月ぶりに前年同月をやや下回る。

1月の加工仕向肉量―25,720トン(3.9%)

・国産品は、8,187トン(7.7%)と大幅に減少した前年同月を上回る。
・輸入品は、17,533トン(2.2%)と3カ月ぶりに前年同月を上回る。 


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


2月―114,585トン(▲24.9%)

・輸入品在庫は、98,514トン(▲27.1%)と8カ月ぶりに10万トンを割る。
・在庫率(在庫量/推定出回り量)は、1.07カ月と前月より微増。
・未通関在庫は、前月より1,737トン増だが、5,747トン(▲62.7%)。


◇図7:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇


2月―453円/kg(▲1.7%)

・初旬は500円を超える日もある等、堅調であったが、中旬に弱含みとなった。
・出荷頭数の増加等から、前年同月をわずかに下回る。

3月(速報値)―426円/kg(▲11.4%)

・1日の全国出荷頭数が6万頭台と低水準の日が多く、ほぼ410円〜440円台で推移。

・前年同月は、台湾での口蹄疫発生による輸入禁止措置の影響で、高値となった
 ため前年同月をかなり下回る。


◇図8:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


2月冷凍品「うで」―402円(3.2%)
  同  「もも」―426円(▲3.5%)

・うでは、4カ月連続で前年同月を上回る。しかし、月毎にみると、9年4月から
 低下傾向。

・ももは、8年10月から連続して前年同月を下回って推移。


◇図9:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品)◇


2月  米国産「ロース」―776円/kg(▲11.8%)

・7年10月から24カ月連続で前年同月を上回った後、9年10月から5カ月連続で前
 年同月を下回る。

・月毎にみると、9年7月をピークに低下してきたが、12月から上昇。


◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品)◇


2月デンマーク産「ばら」―590円/kg(▲12.3%)

・9年2月から9カ月連続して前年同月を上回った後、11月から4カ月連続で下回る。

・月毎にみると、9年4月をピークに低下傾向で推移。1月にわずかに値を上げた
 が再び下げる。



トピックス
豚肉の産地等表示は「今後、益々増えると思う」が多数意見

◇図11:産地等表示豚肉の販売状況◇

◇図12:産地等表示をして販売する理由◇

◇図13:産地表示等豚肉の購入理由◇

◇図14:産地等の表示は今後どうなると思うか◇


 全国食肉公正取引協議会は、産地や銘柄を表示した豚肉に対する表示実態につ
いて、会員の店舗で販売店と消費者に対して調査を行い、3月に中間集計を公表
した。

 集計された調査表は総数で4,433枚(販売店2,230枚、消費者2,203枚)で、店舗
種別に示すと、専門店1,314店(58.9%)、量販店641店(28.7%)、生協83店(3.7
%)、農協125店(5.6%)、その他67店(3.0%)である。

 これによると、産地等を表示して販売をしている店舗は全体の52.8%となって
いる。店舗種別内訳では、量販店が86.8%、生協が86.7%と積極的に行っている
が、専門店では32.6%とまだその傾向が低い(図11)。

 産地等を表示して販売している根拠についての回答数(複数回答)は、「本部
(本店)からの指示」が518(44.3%)、「生産者と提携して仕入れている」が4
46(38.1%)、続いて「品質がいいから」が395(33.8%)となっている。

 また、表示して販売する理由についての回答数(複数回答)は、「他の店と違
いを出したいから」が660(56.4%)、「本部(本店)からの指示だから」が370
(31.6%)、「品揃えを豊富にしたいから」が366(31.3%)、「店の高級感を出
すため」が295(25.2%)、「客層を広げたいから」が250(21.4%)となってい
る。「よく売れるから」という回答は240(20.5%)と必ずしも主流ではない(図12)。

 しかし、売れ行きについては、「表示のないものより良く売れる」と全体の64.
6%が回答している。店舗種別にみても「よく売れる」が多く、専門店でも63.3%
となっている。

 消費者に対する調査では、「産地等を表示した豚肉を購入したことがある」が
全体の57.4%となっている。

 購入の理由についての回答数(複数回答)は、「良い肉のような気がしたから」
が585(46.3%)、「安心できるような気がしたから」が528(41.8%)となり、
銘柄等がつくことで消費者に信頼感を与え、商品選択の大きな要因となっている
ようである(図13)。

 しかし、購入した人の中では「おいしかった」が65.7%あるものの、「あまり
他の肉と変わらない」が30.5%ある。

 また、購入しなかった人の理由についての回答数(複数回答)は「銘柄をつけ
た肉は高いから」が296(31.6%)となったが、「表示が信用できなかったから」
が157(16.7%)と消費者の表示に対する不信感も伺うことができる。

 また、今後、「○○豚」等の表示はどうなると思いますかという質問には、販
売店に対する調査では、「今後、益々増えると思う」が全体の62.3%(図14)、「わ
からない」が10.3%であった。店舗種別では「今後、益々増えると思う」が量販
店では76.7%、生協では84.9%と多いが、専門店では52.6%と少ない。

 一方、消費者では、「今後、益々増えると思う」が57.1%となったが、「わか
らない」が19.8%と販売店に比べ多く、一部の消費者の中の多くには戸惑いが感
じられる。

 この調査の最終的な報告書は、後日、同協議会が作成する予定である。(指定
助成対象事業、食肉消費店頭情報収集調査事業)



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