◎地域便り


受精卵和牛による村おこし

岡山県/森 大二


 和牛の優れた産地として栄えた、岡山県真庭郡新庄村では平成 8年度から、高
齢化や後継者不足に悩む畜産農家が受精卵移植を活用して、地域畜産の活性化を
目指す試みが始まった。

 酪農・和牛が共存する道を切り開こうと、酪農家( 6戸)が優秀な和牛を生産
し、和牛農家( 3 戸)が経験を生かして育成するシステムである。

 酪農家が導入、又は自家育成した乳牛には優秀な和牛受精卵を移植妊娠させ、分
娩後直ちに和牛育成の熟練者で、グループの中心でもある福井幸平氏(56歳)な
どが引き取り育成する。福井氏は和牛飼育の経験が長く(子取りめす牛 6頭飼養)、
動機について「個人経営の改善も大切だが、農家同士の連携を強め、注目される
地域づくりを行うことこそ、これからの畜産の生き残り、活性化にとって最も重
要なこと」と力説している。

 楽しみの多い地域の新しい芽が大きく育つよう、経営担当:普及センター、衛
生担当:家畜保健衛生所、予防治療担当:共済連、育成技術担当:経済連と関係
機関が連携指導を強めている。

 平成 9 年の最初の 1 クールの20頭は発育も良く、優れた経営成果が得られ、
現在 2 クール目を育成中である。

新庄村畜産グループの取組み

 ・平成9年は20頭全頭が北海道からの導入

福井氏の経営成果(平成9年1クール)

【すくすく育つET産子】

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