牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

6月−29,179トン(2.5%)

・ 7 年 1 月以降、基調としては減少傾向だが、 6月は、3カ月ぶりに前年同月
 を上回る。10年度累計では、0.6%減。

・枝肉重量は、各品種ともわずかながら増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

6月の和牛−45,186頭(1.8%)
   乳牛−56,272頭(0.6%)

・和牛は、微減傾向だが、 6 月はめすが2.3%増、去勢も1.2%増。

・乳牛は、減少傾向が続くが、 6 月の去勢は 8 年 7 月以来 2 年ぶりに前年同
 月を上回る。


◇図3:牛肉の輸入量◇

6月−47,016トン(▲26.8%)

・冷蔵品は、総じて需要見合いの輸入量で前年同月を、やや上回る。

・冷凍品は、 4 〜 5 月累計が前年同期を大幅に上回り、SG発動懸念から、通関
 保留が増加し、前年同月の半分。

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

6月の米国産−20,782トン(▲29.0%)

・冷蔵品は、ロインの減少傾向(▲8.5%)、ばらの増加傾向(28.8%)続く。

   豪州産−23,690トン(▲22.9%)

・冷蔵品は、 4 、 5 月と前年同月をかなり下回った後、3カ月ぶりにわずかな
 がら上回る。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

6月−80,077トン(▲6.8%)

・ 2 月以降、前年同月を上回って推移。6月は、輸入品がかなり減少し、 5 カ
 月ぶりに前年同月を下回る。


◇図6:牛肉の家計購入量( 1 人当たり)◇

6月−259g/人(0.6%)

・9年11月までは、かなり減少した前年同月を上回って推移し、回復傾向だった
 が、12月以降は、消費支出が低迷する中で、 6 カ月連続して下回る。

・6月は、前年同月が1.5%減少していたこともあり、わずかながら上回る。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

6月−99,113トン(▲0.8%)

・ 4 〜 5 月累計輸入量が前年同期を大幅に上回り、SG発動懸念から、通関保留
 が増え、未通関在庫が15,502トンと前月末の2.6倍に増加。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

6月−1,040円/kg(▲8.8%)

・生産量の減少傾向、国産品志向等から引き続き高水準にはあるものの、景気低
 迷の影響もあり、 1 月以降前年同月を下回って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京・和牛去勢)◇

6月のA5−2,449円/kg(2.2%)

・ 4 月は約1年ぶりに前年同月を下回ったが、5月、6月と再び上回り、2,400
 円台。

   A3−1,606円/kg(▲0.3%)

・前月、前年同月をわずかに上回ったが、再びわずかながら下回る。A2は、1
 月以降低下傾向が続く。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢、F1去勢)◇

6月の乳去勢B2−598円/kg(▲23.0%)

・頭数減で手当てしにくく、需要が他品目へ移行していること等から、前年同月
 を大幅に下回る。

   F1 去勢B3−1,235円/kg(▲9.9%)

・2月、4月と前年同月を下回り、 6 月は15カ月ぶりに1,300円を割り込む。ほ
 ぼ 1 年半にわたる上昇傾向も一服か。B 2 は 9 年11月から低下傾向。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

6月の米国産冷蔵リブアイロール1,781円/kg(2.3%)

・需要は強くないものの、輸入量減少、輸入価格上昇から、総じて前年同月を上
 回る。

   豪州産冷蔵グラス・フルセット−545円/kg(7.9%)

・前月に引き続き、前年同月を上回る。割安感等からグレインショートが3月を
 底に値を上げる。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

6月の頭数−26,151頭(▲3.3%)

・母牛頭数の減少等から、減少傾向続く。

6月の価格−357千円(▲2.1%)

・11カ月ぶりに360千円を割り込む。

・基調としては、8年11月以降、わずかながら低下傾向。おすに比べ、めすの低
 下率が大きい。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

6月の子牛価格−85千円(▲27.9%)

・取引頭数は大幅減少だが、9年10月以降低下傾向。枝肉価格の低下もあり、4
 月に 2 年ぶりに10万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−22千円(▲54.8%)

・子牛価格の低下もあり、前年同月を大幅に下回る。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

6月の子牛価格−183千円(▲7.5%)

・枝肉価格の低下もあり、 9 年 9 月以降、低下傾向。 4 月に 9 カ月ぶりに20
 万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−92千円(▲16.2%)

・9年12月に10万円を割り込み、1月以降前年同月比で、低下傾向に転じる。取
 引頭数は引き続き大きく増加傾向。


トピックス
月により変動の大きい牛肉輸入量

◇図15:冷凍牛肉の輸入量◇

◇図16:冷蔵牛肉の輸入量◇

 牛肉の輸入量は、このところ増加傾向で推移しているが、5月は前年同月比47.
9%増、 6 月は同26.8%減と、月によって増減が激しくなっている。

 これは、輸入量の約半分を占める冷凍品が、毎年4月の関税率引き下げ前には
通関保留で減少し、逆に4月以降、一斉に通関されることが大きな要因である。

 冷凍品は今年も、 3 月まで減少した反動で、 4月、 5 月と輸入量が多く、前
年同期比40.3%増となり、前年度第 1 四半期の117%に設定されるトリガーレベ
ルを超えて、SGが発動される懸念が広まった。このため、6月下旬には通関保留
の動きが広まり、6月の冷凍品輸入量は前年同月の半分となった。しかし、7月
以降は、また、輸入量が大幅に増加していると見込まれる。

 一方、冷蔵品は、ほぼ需要見合いの輸入が行われ、季節により変動はあるもの
の、毎月27千トン程度が輸入されている。

 牛肉の輸入量は増加傾向にはあるものの、1月当たりの需要量に大きな変はな
く、需要に見合った適切な輸入が望まれる。


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