牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

6月−734,785トン(0.2%)

・北海道は経産牛頭数の増加に加え、平均泌乳量の伸びもあり、前年同月を3.3%
 上回った。都府県は飼養頭数の減少等から2.1%下回ったが、全体では 9年8
 月以降10カ月ぶりに微増。

・北海道は、通常 7 月にピークを迎えるが、 6 月は318,973トンで過去最高。


◇図2:1頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:6月−28.4kg(2.5%)
都府県:6月−26.3kg(0.4%)
    7月−25.6kg(▲0.4%、速報値)

・北海道は 9 年 8 月以降前年同月をわずかながら上回って推移。  6 月は前年
 同月が減少していたこともあり、 2 カ月連続 2 %台の伸び。  

・都府県は 9 年 9 月以降伸び悩むが、6月は10カ月ぶりに前年同月をわずかに
 上回る。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

6月−438,179 トン(▲3.0%)

・9年 6 月以降、減少傾向が続く。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、乳飲料の生産は引き続き増加傾向。

・加工乳は、 9 年11月以降 8 カ月連続で前年同月を下回り、6月は66,153kl
(▲8.0%)とかなり減少。


◇図4:牛乳の生産量◇

6月−348,131kl(▲4.5%)

・8年 8 月以降減少傾向が続き、 6 月も前年同月をやや下回る。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

6月− 乳飲料 102,534kl(2.0%)
    はっ酵乳  62,997kl(15.0%)

・消費者の健康志向、メーカーの栄養強化タイプを中心とした積極的な商品開発
 等を背景に、 90年10月まで両アイテムとも 2 桁の伸び。

・乳飲料は、前年同月を上回って推移するも、 10月以降は伸び率が 1 桁台。

・はっ酵乳は、 1 、 2 月に前年同月を下回るも、3 月以降は持ち直し、6月は
 8カ月ぶりに 2 桁台の大きな伸び。


◇図6:乳製品向け処理量◇

6月−288,048トン (5.9%)

・生乳生産が前年同月比 0.2%増加する中、優先的に仕向けられる飲用牛乳等向
 け処理量は同3.0%減少し、乳製品向け処理量がかなり増加。

・生クリーム等需要拡大事業の効果等から近年大きく伸びてきたクリームは、前
 年度当初の伸びが大きかったこと等から6月は5,030トン(▲6.9%)と同年同
 月を下回ったが、 8 年 6 月をやや上回る水準。

・9年 5 月以降、ほぼ 2 桁の伸びを示してきた直接消費用ナチュラルチーズは、 
 6月は1,203トン(▲9.2%)と大幅な伸びを示した前年同月をかなり下回る。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

6月の生産量−17,296 トン (10.6%)

・9年11月以降増加傾向で推移し、 4 月以降は同年同月を 1 割程度上回る。

・推定出回り量は18,400トン(6.2%)、推定期末在庫量は66,400トン(25.8%)
 で前月よりも1,100トン減少。

・10年度カレントアクセス分として事業団が輸入した脱脂粉乳17,036トンのうち、
 10,037トンについて 7 月 9 日と 8 月 5 日に売渡入札を実施し、全量落札。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

6月−13,706円/25kg (▲0.2%)

・前年度に引き続き、安定指標価格を 5 %程度上回って推移。

・9年4月以降、わずかに低下傾向。生産量、在庫量の増加を反映し、4月に7
 円、5月に1円下げ、6月にはさらに7円下げて安定指標価格(13,090円/25
 kg)を4.7%上回る。


◇図9:バターの需給◇

6月の生産量−8,002トン (15.8%)

・9年6月以降増加傾向で推移。10年度に入りクリーム生産量が前年同月をかな
 り下回ったこと等から、 5 月、 6 月と前年同月を 1 割以上上回る。

・推定出回り量は6,100トン(▲17.1%)、推定期末在庫量は31,200トン(13.7%)
 で前月よりも1,800トン増加。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

6月−993円/kg(0.2%)

・9年4月以降5カ月連続で同水準の後、9月、11月にそれぞれ1円上げ、以降
 6月まで 8 カ月連続同水準で推移。


トピックス
黒毛和種の交配割合34.1%、農水省は優良後継牛の生産促進対策を緊急実施

◇図11:乳用牛への黒毛和種の交配状況◇

◇図12:地域別状況(平成9年)◇

 (社)日本家畜人工授精師協会の調査によると、乳用牛への黒毛和種の交配の
割合は、 70 年の28.1%が、 8 年には30.7%と30%を超え、 9 年には34.1%に
達している。こうした中で、未経産牛頭数は7年の73万 9 千頭から10年は67万頭
と 1 割近く減少し、優良な乳用後継牛の確保が懸念されている(図11)。

 黒毛和種の交配割合は、北海道が15.3%で最も低いが、都府県の平均は47.4%
と、ほぼ2頭に1 頭の割合となっている。地域別では近畿が54.7%と最も高く、
次いで東北(50.8%)、九州(50.2%)の順となっている(いずれも 9年、図12)。

 このような状況に対し、農林水産省は優良な後継牛の生産を促進し、乳用牛の
改良を確実に進めるため、交配奨励金(交配 1 回当たり1,500円以内)の交付を
含む優良乳用後継牛生産促進対策事業(指定助成対象事業)を緊急に実施するこ
ととした。


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