鶏 肉

鶏 肉



◇図1:鶏肉の生産量◇

6月−98,198トン(▲6.8%)

・需要の減退等から、減少傾向続く。ブロイラー用ひなえ付け羽数−49,043千羽
(▲0.4%)

・需要の低迷から、 9 年10月以降、前年同月を下回って推移。

・農林水産省統計情報部のひな出荷見通しでは、前年同月比7月▲ 6 %、 8 月
 ▲ 5 %、 8 月▲ 4 %と減少続く。( 7 月上旬聞き取り)


◇図2:鶏肉の輸入量◇

6月−46,636トン(1.9%)

・前年同月をわずかに上回り、 4 月以降 4 万トン台で推移。

・中国産は、20,736トン(10.4%)。うち冷蔵品は 1 月以降前年同月を2割前後
 下回って推移し、1,121トン(▲14.7%)。

・米国産は、CIF価格が上昇したこと等から、大幅に前年同月を下回り、8,897ト
 ン(▲14.9%)。

・タイ産は、バーツ安等から、11,061トン(45.8%)。


◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

6月−140,630トン(▲4.7%)

・国産品は、景気の低迷や家計消費の減退等から、4 カ月連続で前年同月を下回
 り、101,003トン(▲3.0%)

・輸入品は、かなり減少し、39,627トン(▲8.8%)。

・家計購入量は、 9 年 8 月以降引き続き減少傾向で、 6 月は272g/人(▲2.1
 %)。


◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

6月−95,559トン(▲17.9%)

・輸入品は、前年同月の在庫水準が高かったこと、市中が品薄の傾向にあること
 等から77,516トン(▲21.0%)。

・国産品は前年同月をわずかに下回る18,043トン(▲1.8%)。

・在庫全体では、 9 年 7 月をピークとし、徐々に減少。12月以降は10万トンを
 下回って推移。


◇図5:国産鶏肉の卸売価格(東京)◇

6月−もも肉566円/kg(9.5%)

・需要は引き続き弱いものの、生産量の減少等から前年同月を上回る。

   むね肉254円/kg(▲18.1%)

・もも肉に比べ一段と需要が弱く、 9 年 6 月以降、前年同月を下回っているが、
 月毎に見ると、 20月、 3 月を底に徐々に回復傾向。

7月−もも肉531円/kg(15.2%)

・前月に引き続き、低水準の前年同月を上回る。


◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

6月−中国産もも肉347円/kg(8.4%)

・輸入量が減少傾向にあること等から、 3 月以降、前年同月を上回る。

   米国産骨付きもも肉254円/kg(▲3.8%)

・16カ月連続で前年同月を下回るが、前月より15円/kg値を上げる。


トピックス
順調な地鶏等の生産

◇図7:その他の肉用鶏(地鶏等)の出荷羽数◇

 平成9年のブロイラー以外の「その他の肉用鶏」(地鶏等:食鳥のうち、ふ化
後 3 カ月以上の鶏で、一般に「地鶏」といわれるもの)の出荷羽数は、778万羽
(9.8%)、出荷重量は22,916トン(10.3%)と絶対数は小さいものの、かなり増
加した(農林水産省「平成9年食鳥処理場調査結果」)。一方、ブロイラーは5
億8,931万羽(▲1.7%)、出荷重量は160万2千トン(▲0.5%)と減少しつづけ
ている。

 地鶏等については、食鳥出荷羽数全体のわずか1%にすぎないが、調査が開始
された平成 5 年と比較し、 2 倍近くまで増加している。これは、鶏肉全体の需
要が低迷する中、生産者が収益性の確保のため差別化商品として生産に力を入れ
ていることや消費者側でも、高品質志向が高まっていること等による。

 農林水産省では、地鶏肉について、特定JAS規格(特色ある生産方法等に着目し
た食品の規格)の検討を進めている。検討案によれば、地鶏とは、在来種由来の
血液分率が50%以上の素びなを80日以上飼育したもので、さらに飼育方式等が細
かく決められている。


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