牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

4月−716,938トン (▲1.4%)

・北海道は前年同月を0.3%上回ったが、都府県は飼養頭数の減少等から2.7%下
 回る。全体では9年4月以降、概ね前年同月を下回って推移。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:4月−26.6kg(▲1.1%)
都府県:4月−26.4kg(▲0.4%)
    5月−26.3kg(▲0.8%、速報値)

・北海道は、10年9月以降伸びが鈍化し、11月以降は概ね前年同月をわずかに下
 回って推移。  

・都府県は、10年11月以降概ね前年並みで推移したが、4月、5月と前年同月をわ
 ずかに下回る。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

4月−396,979 トン(▲4.7%)

・9年10月以降、ほぼ前年同月を下回って推移。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
 飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、4月は62,9
 27kl(▲6.6%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

4月−313,586kl(▲5.7%)

・8年8月以降、概ね前年同月を下回って推移し、4月もやや下回る。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

4月−乳飲料   101,898kl(2.8%)
   はっ酵乳 65,285kl(15.6%)

・消費者の健康志向、メーカーの機能強化タイプを中心とした積極的な商品開発
 等を背景に、9年10月まで両アイテムとも2桁の伸び。

・乳飲料は、前年同月を概ね上回って推移しているが、伸びが鈍化。

・はっ酵乳は、7カ月連続で2桁台の伸び。


◇図6:乳製品向け処理量◇

4月−311,240トン(3.2%)

・10年10月以降前年同月を下回って推移したが、11年2月以降上回る。

・チーズ生産量は11,124トン(0.2%)、うち直接消費用ナチュラルチーズは1,1
 33トン(▲8.7%)と9カ月ぶりに前年同月を下回る。            

・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、4月は5,9
 41トン(17.1%)と3カ月連続で大幅な伸び。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

4月の生産量−18,606トン (▲2.9%)

・10年9月以降、脱脂濃縮乳仕向けの急増等から概ね前年同月を下回って推移。

・推定出回り量は20,800トン(0.3%)。推定期末在庫量は、44,900トン(▲27.7
 %)と前年同月を大幅に下回る。

・事業団は、11年度カレントアクセス分のうち脱脂粉乳10,800トンについて、2
 月25日に入札を実施、全量落札。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

4月−13,643円/ 25kg (▲0.5%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。
・4月は3カ月連続の同価格で、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.2%上回る。


◇図9:バターの需給◇

4月の生産量−8,783トン (1.0%)

・10年10月以降、クリーム生産量の伸び等から前年同月を下回って推移したが、
 3月以降わずかに上回る。

・推定出回り量は8,100トン(16.0%)。推定期末在庫量は32,600トン(17.8%)
 と前年同月を大幅に上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

4月−986円/kg(▲0.7%)

・在庫量の増加を反映し、緩やかな値下がり傾向。

・4月は前月の1円下げに続き2円の下げ。

・11年度の安定指標価格については、内外格差の縮小、消費の拡大を図る観点か
 ら、24円引き下げられ、931円/kgとなった。


トピックス

チーズ消費量5.1%増−直接消費用ナチュラルチーズで国産割合がアップ


 5月に公表された「平成10年度チーズ需給表」(農林水産省畜産局牛乳乳製品
課)によると、7年度に20万トン台に乗り、その後も増加傾向のチーズの総消費
量は、平成10年度は234,048トン(5.1%)で過去最高となっている (図11)。

◇図11:チーズの総消費量◇

 総消費量の内訳は、ナチュラルチーズが119,387トンで51.0%、プロセスチーズ
が114,661トンで49.0%と平成5年度以降わずかにナチュラルチーズの比率がプロ
セスチーズを上回って推移している。
 国産ナチュラルチーズは14,810トンで全体の6.3%であるのに対し、国産プロセ
スチーズは109,006トンで46.6%を占めている。しかし、図12の小円グラフで示す
ように、国産プロセスチーズの原料となるナチュラルチーズは、その78.2%が輸
入によるものである。この「プロセスチーズ原料用」以外を「直接消費用」(カ
マンベール等で業務用その他原料用を含む)と称し、区別している(図12)。

◇図12:平成10年度チーズ総消費量の内訳◇

 ナチュラルチーズ消費量の推移を「直接消費用」と「プロセスチーズ原料用」
で比較すると、双方とも拡大傾向にある中、「直接消費用」では国産が3年連続
で増加し、伸び率が輸入を上回っているのに対し、「プロセスチーズ原料用」で
は国産が2年連続で減少し、輸入が伸びてきている(図13)。

◇図13:平成10年度国別輸入量◇

 平成10年度の輸入の内訳を国別に見ると、ナチュラルチーズ全体(直接消費用
+プロセスチーズ原料用)ではオーストラリア、ニュージーランドの順でオセア
ニア地域が多く、また、プロセスチーズではフランス、デンマーク等EU諸国とア
メリカが多くなっている(図14)。

◇図14:ナチュラルチーズの生産量・輸入量◇

 チーズの消費量が総じて増加する中で、輸入量も増加しており、国産の割合は
必ずしも上昇していない。チーズ総消費量の国産割合を見る(プロセスチーズ分
を原料のナチュラルチーズに置き換えて推計)と16.1%となり、過去2年はわず
かに上昇したが、10年度は前年度を0.5ポイント下回った。また、プロセスチー
ズ料用ナチュラルチーズは21.8%で、昨年度に続き1.5ポイントの低下となった。
こうした中、直接消費用ナチュラルチーズは国産割合が12.4%と2年連続で前年
度のシェアを上回って伸びているが、まだ決して高いとは言えない。国産チーズ
の更なる発展を期すためには、輸入品にない商品特性でもって差別化を追求する
など、一層の創意と工夫が重要と思われる(図15)。

◇図15:国産割合の推移◇


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