鶏 卵

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◇図1:鶏卵の生産量◇

1〜3月−623,133トン(▲1.0%)

・卸売価格の下落等から、減少傾向にあったが、3月は12カ月ぶりに前年同月を
 わずかに上回る。10年度累計は、2,520,581トン(▲1.9%)。

・今後の生産指標となる4月のえ付け羽数は9,796千羽(2.1%)と10カ月ぶりに前
 年同月を上回る。農林水産省統計情報部のひな出荷見通しでは、前年同月比で、
 11年5月▲1%、6月▲4%、7月は▲1%。(5月上旬聞き取り)


◇図2:鶏卵の入荷量(東京)◇

4月−8,681トン(▲0.2%)

・10年9月の8,354トン(▲9.0%)を底に、徐々に回復傾向にあり、4月は前年同
 月並み。


◇図3:鶏卵の輸入量◇

4月−10,302トン(10.3%、殻付き換算)

・全卵粉、乾燥卵白等の増加から、2カ月連続で前年同月をかなり上回る。


◇図4:鶏卵の卸売価格(東京・M)◇

4月−198円/kg(23.0%)

・出荷量の減少等から、低水準だった前年同月を大幅に上回る。
・標準取引価格189.36円/kgで、補てんはなし。

5月−192円/kg(35.2%)

・引き続き、前年同月を大幅に上回る。
・標準取引価格186.51円/kgで、補てんはなし。


トピックス

採卵鶏飼養戸数、かなり減少


 農林水産省の畜産統計によると、平成11年2月1日現在の採卵鶏の飼養戸数(種
鶏のみの飼養者および成鶏めす羽数1,000羽未満の飼養者を除く、以下「飼養戸
数」という。)は5,060戸(▲6.1%)とかなり減少し、成鶏めす飼養羽数(以下
「飼養羽数」という。)は143,051千羽(▲1.5%)とわずかに減少した。   

 これは、飼養者の高齢化、後継者不足、悪臭等の環境問題に加え、鶏卵価格の
低迷が、小・中規模飼養者層の経営に大きな打撃を与えたためと思われる。

 1戸当たりの飼養羽数は、28,300羽(4.8%)と引き続き増加した(図5)。

◇図5:成鶏めす羽数規模別の飼養戸数の推移◇

規模別にみると、規模が小さい階層ほど、減少率が大きい。1,000〜4,999羽層で
は、1,390戸(▲8.1%)、5,000〜9,999羽層では850戸(▲6.6%)、10,000〜49,9
99千羽では1,730戸(▲6.5%)、50,000〜99,999羽では350戸(▲5.4%)、100,00
0羽以上では350戸(0.0%)となっている(図6)。

◇図6:成鶏めす羽数規模別の飼養戸数の推移◇

 100,000羽以上の大規模階層の総飼養戸数に占める割合は7.0%にすぎないもの
の、総飼養羽数では49.6%を占め、年々その割合は高まる傾向にある(図7)。

◇図7:採卵鶏の成鶏めす羽数飼養規模別の飼養戸数と飼養羽数割合
(平成11年2月1日)◇

 県別飼養羽数を見ると、上位5県は、比較的大消費地に近い茨城県、鹿児島県、
千葉県、愛知県、北海道で、前年と順位は変わらなかった。全県に占める5県のシ
ェアは28.4%(3.3%)とやや増加した(図8)。

◇図8:採卵鶏の成鶏めす羽数(県別)(平成11年2月1日)◇

 一方、1戸当たりの飼養羽数の上位5県は、青森県、岩手県、広島県、新潟県、
富山県であった。青森県と新潟県は、前年を下回ったものの、他の3県は10%以
上規模を拡大している。環境問題等から、比較的大消費地から離れた県で規模拡
大が進む傾向がうかがわれる(表)。

表 1戸当たりの成鶏めす飼養羽数上位5県
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 資料:農林水産省「畜産統計」
 注1:各年2月1日現在
  2:( )内は前年比

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