牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

12月−38,867トン(0.1%)

・ 7 年以降、基調としては減少傾向であったが、10年 6 月から概ね前年同月を
 上回って推移。

・10年度累計では、0.3%増。

・枝肉重量は、各品種ともわずかに増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

12月の和牛−72,926頭(▲1.1%)
   乳牛−60,421頭(▲1.9%)

・和牛は、去勢は5カ月連続で前年同月を下回る。めすは、0.3%増。

・乳牛は、去勢は6月から概ね前年同月を上回って推移。めすは11月に15カ月ぶ
 りに上回ったが、12月は6.0%減。


◇図3:牛肉の輸入量◇

12月−51,004トン(▲4.3%、SG算定ベース)

・10年度累計では、1.3%増。
・冷蔵品は、前年同月を6.2%下回る。累計では4.6%減。
・冷凍品は、前年同月を2.0%下回る。累計では6.8%増。

輸入見込数量(事業団調べ)
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◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

10年度(4〜11月)の米国産−239,894トン(4.0%)

・10年度累計で、冷蔵品は原産地高等から4.6%減。一方、冷凍品は、ばら等が数
量を伸ばし、同9.9%増。

          豪州産−222,279トン(0.3%)

・冷蔵品は同3.6%減。一方、加工用主体の冷凍品は同6.0%増と好調。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

10年度( 4 〜11月)−720,768トン(1.9%)

・輸入品は476,985トン(3.5%)と在庫の取り崩しが進み輸入量の伸びを上回っ
 た。国産品は243,783トン(▲1.1%)


◇図6:牛肉の家計消費量( 1 人当たり)◇

12月−329g/人(▲4.9%)

・9年12月以降は、消費支出が低迷する中で、前年同月を下回って推移。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

12月−87,195トン(▲4.8%)

・国産品は 4 月以降前年同月を上回って推移し、12月は12,150トン( 8 .0%)。
・輸入品は75,045トン(▲6.6%)と、 4 カ月連続で前年同月を下回る。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

12月−1,065円/kg(▲10.7%)

・10年度に入って、F1価格が低下してきたことや、長引く消費不振の影響等から
 10年 1 月以降前年同月を下回って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京、和牛去勢)◇

12月のA 5 −2,481円/kg(▲3.9%)

・ 3 カ月連続で前年同月を下回る。  

11月のA 3 −1,702円/kg(▲5.8%)

・7カ月連続で前年同月を下回る。A 2 は、10年 1月以降、前年同月を下回って
 推移。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢・F1去勢)◇

12月の乳去勢B2 −483円/kg(▲31.1%)

・消費低迷の中、需要が他品目へ移行していること等から、前年同月を大幅に下
 回る。

  F1去勢B3 −1,303円/kg(▲11.1%)

・消費低迷の中、全国的な取引頭数の増加もあり、7カ月連続で前年同月を下回
 る。B 2 は、 9 年11月以降、前年同月を下回って推移。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

12月の米国産冷蔵リブアイロール−1,861円/kg(1.9%)

・輸入価格の上昇、ロイン輸入量減少による品薄等から上昇し、9月にピークと
 なった。以降低下しているが、前年同月を上回る。

   豪州産冷蔵グラス・フルセット−503円/kg(▲11.3%)

・ 8 月以降 5 カ月連続で前年同月を下回る。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

12月の頭数−26,473頭(▲0.1%)

・母牛頭数の減少等から、基調としては前年同月比で減少傾向。

12月の価格−388千円(2.1%)

・8年11月以降、基調としては、前年同月比でわずかに低下傾向。しかし、10年
 9月から 4 カ月連続で前年同月を上回る。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

12月の子牛価格−75千円(▲36.2%)

・取引頭数は大幅減少だが、枝肉価格の大幅低下等から、9年10月以降、前年同
 月を下回って推移。 10年 4 月に10万円を割り込み、低下続く。

12月のヌレ子価格−19千円(▲28.6%)

・子牛価格の低下等から、前年同月を大幅に下回り、 2 万円を割り込む。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

12月の子牛価格−162千円(▲21.5%)

・枝肉価格の低下、取引頭数の増加等から、 9 年9月以降、前年同月を下回って
 推移。 10年 4 月に20万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−60千円(▲35.4%)

・子牛価格の低下、取引頭数の増加等から、ほぼ一貫して低下。


トピックス

卸売価格、規格間の価格差が拡大


◇図15:牛肉の規格別卸売価格◇

◇図16:和去勢A 3 との価格差◇

 枝肉の卸売価格を、去勢について規格別に見たものが図15である。乳去勢B3
とF 10  去勢B 2 はほとんど同じ価格水準と言ってよいであろう。ここ数年の価
格の推移を見ると、価格差はあるものの、全般的には、6年度に底を打って上昇
に転じ、9年にピークを迎え、10年度は低下傾向が続いている。また、牛肉の家
計消費が12月にピークとなる特徴を反映して、12月には上昇する傾向が見られる
が、これは価格が高い等級ほど顕著である。

 この卸売価格の推移を、和去勢A 3 との価格差で表したものが図16である。乳
去勢B 3 及びF 1 去勢B 2 については、7〜 9 年の間は、価格差は概ね600円前
後で推移したが、10年は700円/kg前後で推移した。和去勢A 2 、F 1 去勢B3に
ついても同様の傾向を見ることができる。「A 3 以上が高級牛肉、その他は大衆
牛肉」という 2 極化がはっきりとしてきたと言えよう。


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