牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

12月−700,191トン (▲2.0%)

・北海道は平均泌乳量が前年同月をわずかに下回ったこともあり、 1 年 5 カ月
 ぶりに前年を下回る(▲0.5%)。都府県は飼養頭数の減少等から3.1%下回り、
 全体では 9 年 4 月以降、概ね前年同月を下回って推移。

・10年度累計では、1.0%減。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:12月−25.6kg(▲0.8%)
都府県:12月−25.9kg(0.4%)
    1月−26.1kg(0.4%、速報値)

・北海道は 9 年 8 月以降、前年同月を上回って推移。10年9月以降伸びが鈍化
 し、11月以降はわずかに下回る。  

・都府県は 9 年 9 月以降伸び悩み、概ね前年並みで推移。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

12月−393,446 トン(▲1.7%)

・9年10月以降、ほぼ前年同月を下回って推移。10年度累計では2.1%減。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
 飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、12月は63,
 276kl(▲3.3%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

12月−315,795kl(▲2.7%)

・8年 8 月以降、概ね前年同月を下回って推移し、12月もわずかに下回る。
・10年度累計では2.9%減。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

12月−乳飲料     92,138kl(2.5%)
   はっ酵乳  48,365kl(11.9%)

・消費者の健康志向、メーカーの栄養強化タイプを中心とした積極的な商品開発
 等を背景に、 9年10月まで両アイテムとも 2 桁の伸び。

・乳飲料は、10年度累計では2.0%増と伸びが鈍化。

・はっ酵乳は、3カ月連続で前年同月を10%以上回り、好調。10年度累計では9.4
 %増。


◇図6:乳製品向け処理量◇

12月−298,652トン (▲2.3%)

・9年11月以降、概ね前年同月を上回って推移したが、10年10月以降下回る。

・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、10年度に
 は伸びが鈍化したが、12月は7,770トン(7.9%)。10年度累計では2.6%増。

・9年 5 月以降、ほぼ 2 桁の伸びを示してきた直接消費用ナチュラルチーズは、
 10年6、7月と前年同月を下回るも8月以降回復し、12月は1,197トン(5.7%)。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

12月の生産量−17,114トン (▲10.7%)

・9年11月以降、前年同月を上回って推移するも、9月以降は脱脂濃縮乳の仕向
 け増等から下回る。

・10年度累計では前年同期並(▲0.1%)。

・推定出回り量は18,200トン(▲7.1%)。推定期末在庫量は、43,400トン(▲7.4
 %)と前年同月をかなり下回る。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

12月−13,672円/ 25kg (▲0.4%)

・9年4月以降、ゆるやかに値下がり傾向。

・10年 8 月まで、推定期末在庫量が 6 万トン台と高水準で推移したこともあっ
 て、 9 月に 9 円、10月に 5 円、11月に18円の下げとなった。12月は 1 円上
 げ、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.4%上回る。


◇図9:バターの需給◇

12月の生産量−7,111トン (▲7.7%)

・9年6月以降、概ね前年同月を上回って推移したが、10月以降はクリーム生産
 量の伸び等から下回る。

・10年度累計では2.1%増。

・推定出回り量は10,100トン(▲2.4%)。推定期末在庫量は24,700トン(25.9%)
 と前年同月を大きく上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

12月−989円/kg(▲0.4%)

・9年11月以降6月まで 8 カ月連続993円で推移。生産量、在庫量の増加を反映
 し、 7 月に 2 円下げ、以降 9 月まで同水準。

・10月以降、生産量は前年同月を下回るも、引き続き在庫量が高水準であること
 等から、10、11月と各 1 円下げた。12月は前月と同価格。


トピックス

3 分の 1 の家庭で、冷蔵庫に国産ナチュラルチーズ


◇図11:現在冷蔵庫の中にあるチーズの種類◇

◇図12:国産ナチュラルチーズの保有状況(%)◇

◇図13:国産ナチュラルチーズの最近の購入頻度◇

◇図14:チーズを購入する時、産地にこだわるか◇

 (社)全国牛乳普及協会は、平成10年に実施した「第12回牛乳乳製品の消費動向に関する調査」の中で、初めて一般家庭における国産ナチュラルチーズの消費動向についての調査を行った。
 この調査は、家庭の主婦を対象とし、地域別、都市規模別に全国の6,000世帯を対象に行われ、そのうち4,472世帯から回答があった。
 現在、冷蔵庫の中にあるチーズの種類についての設問では、全体の37.3%がナチュラルチーズを保有。そのうち国産ナチュラルチーズを保有しているのは、全体の32.3%であった(図11)。
 これを主婦年齢階層別に見ると、30代以下より40代以上で国産ナチュラルチーズの保有率が高くなっている。また、都市規模が小さくなるほど、国産ナチュラルチーズの占める割合が高くなる傾向が見られる(図12)。
 国産ナチュラルチーズの購入頻度では、週に 1 回以上(12.8%)と月に数回(33.7%)で46.5%になるが、全く買わない人も24.0%あり、消費拡大の余地が残されていることがうかがえる(図13)。
 国産ナチュラルチーズを食べている理由を、月に 1 回以上の購入者を対象に聞いたところ、 1 位が「値段が手ごろ」(43.2%)、020位が「近くの店で売っている」(42.8%)、030位が「おいしい」(42.0%)となっており、価格、流通、味と三拍子揃ったことが、受け入れられた理由となっている(表 1 )。また、購入頻度が 2 〜 3 カ月に 1 回以下の人を対象に、国産ナチュラルチーズを食べていない理由を聞いたところ、最大の理由は「チーズそのものを食べない」で33.6%に上る。次いで「プロセスチーズを食べる」(25.9%)、「おいしくない」(14.5%)、「食べ方がよくわからない」(12.6%)の順となっている(表 2 )。
 チーズを購入する際の国産へのこだわりについては、「どちらでもよい」が57.2%と圧倒的に多い。国産愛好派は「国産」(13.1%)と「できれば国産」(27.2%)を併せると40.3%に上り、「外国産」(0.4%)と「できれば外国産」(1.2%)の合計1.6%を大きく引き離している(図14)。

表1 国産ナチュラルチーズを食べている理由
(複数回答)
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表2 国産ナチュラルチーズを食べていない理由
(複数回答)
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 資料:(社)全国牛乳普及協会「1998牛乳乳製品の消費動向に関する調査」

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