◎地域便り


肉用子牛生産振興大会開催

栃木県/武井 明宏


 栃木県の広々とした那須地区の中で、大田原市と西那須野町の境にある那須野
が原ハーモニーホールを会場に、11月18日「肉用子牛生産振興大会」が開かれた。
この大会は、県内肉用子牛の生産流通を行っている栃木県経済連が主催し、矢板
子牛市場開設35周年を記念して開かれた。これからの肉用子牛の生産振興を推進
するとともに、現在約8,000頭の上場がある市場のさらなる活性化を図り、10,000
頭上場の達成を目指すものである。矢板市場の購買者をはじめ、子牛生産者や、
関係農協、関係機関、県農務部及び家畜市場のある矢板市など関係市町村から約
300名が出席した。

 大会ではまず、主催者挨拶及び経過報告が行われた。また、本県の肉用子牛の
生産は、昭和30年代に馬の生産に代わるものとして県北地域を中心に開始され、
年々繁殖雌牛の増加がみられ、流通については、県内に点在した子牛市場を昭和
53年に矢板市場に統合し、現在は年24回の開催となっており、価格面でも全国上
位にランクされるまでになっていることが報告された。

 大会終了後、(社)全国和牛登録協会の池田和徳常務理事による「これからの
和牛の育種と改良について」と題した記念講演が開催された。その中で「和牛の
登録について」では、和牛登録の意義は、改良のための情報を得ることであり、
和牛の所有者が自ら進んで改良することが必要であるということであった。また
「産肉能力の改良の必要性」では、国際競争に打ち勝つためには、育種事業の活
性化と効率化が重要であり、そのために優良遺伝子の海外流失防止等の国際的な
改良競争をする必要が出てくる。さらに、生産子牛の産肉能力のレベルアップを
図り、斉一化を進め、生産コストの低減を進めていかなければならないとのこと
であった。

 出席者は、和牛生産にかかわる推進方策と改良のための心構えを充分に理解し、
生産者と関係者が今後さらなる協力体制をとる必要性を感じる有意義な大会とな
った。
taikai.gif (29548 バイト) 【大会の風景】

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