豚 肉

豚 肉



◇図1:豚肉の生産量◇

5月−73,749トン(7.0%)

・と畜頭数1,373千頭(6.7%)の増加は、市場開催日数の増加や4月に口蹄疫の発
 生から出荷できなかった肉豚が5月に入って出荷されたこと等によるものと思われる。

・平均枝肉重量(全国平均)は、76.7kg/頭(0.3%)と引き続き前年同月並み。

肉豚生産出荷予測
buta1b.gif (2643 バイト)
 資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成12年7月3日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇

5月−50,786トン(▲7.0%)

・冷蔵品は16,741トン(27.6%)と米国産、カナダ産を中心に引き続き増加傾向。

・冷凍品は34,030トン(▲18.0%)と2カ月連続で下回る。

・12年度第1四半期のSG発動基準数量は162,590トンと前年同期比31.6%減となっ
 ているため、冷凍品を中心に輸入が抑えられ、4、5月累計では96,493トン
 (▲21.0%)と大幅に減少。

輸入見込数量(農畜産業振興事業団調べ)
buta2b.gif (2563 バイト)


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇

5月の米国産−17,155トン(34.9%)

・冷蔵品は、11,655トン(30.4%)と引き続き大幅に増加。冷凍品は、5,493トン
 (46.1%)と前年同月が低水準であったこと等から大幅に上回る。

   デンマーク産−13,764トン(▲23.3%)

・現地での飼養頭数の減少やSGに対応した輸入控え等から2カ月連続で前年同月
 を大幅に下回る。

・韓国産は、3月27日以降輸入検疫証明書の発行を停止し、事実上輸入を停止し
 ていたが、口蹄疫発生が正式に確認されたことから4月10日以降輸入禁止。

・カナダ産は9,097トン(11.7%)とかなり増加。特に冷蔵品は3,622トン(81.4
 %)と大幅に増加。


◇図4:豚肉の推定出回り量◇

5月−122,971トン(▲0.1%)

・国産品は、73,580トン(7.7%)と4カ月ぶりに上回る。12年度累計では2.9%減。

・輸入品は、49,391トン(▲9.8%)と4カ月ぶりに下回る。12年度累計では0.5%
 増。

・合計では12年度累計で1.4%減。


◇図5:豚肉の家計消費量(1人当たり)◇

5月−405g/人(▲2.5%)

・3カ月連続で前年同月を下回る。

4月の加工仕向肉量−34,534トン(▲0.1%)

・増加傾向で推移していたが4月は前年同月並み。

・国産物は、8,922トン(▲7.2%)と20カ月連続で前年同月を下回る。輸入物は、
 25,612トン(2.7%)と16カ月連続で上回る。


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇

5月−96,266トン(11.6%)

・輸入品在庫は、引き続き前年同月を上回り、74,532トン(13.2%)。
・国産品在庫は、21,734トン(6.6%)と2カ月連続で前年同月を上回る。


◇図7:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇

5月−433円/kg(▲2.7%)

・月後半は夏場の需要期に向け400円台後半で推移したものの前年同月をわずか
 に下回る。

6月510円/kg(▲3.2%)

・夏場の需要期に向け徐々に値を上げており、9カ月ぶりに平均で500円/kgを上
 回ったものの3カ月連続で下回る。


◇図8:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇

5月   冷凍品「うで」−374円(▲6.0%)
    同 「もも」−387円(▲7.0%)

・うでは、10年3月以降、10年10月を除き、前年同月を下回って推移。
・ももは、8年10月以降、12年4月を除き、前年同月を下回って推移。


◇図9:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品)◇

5月  米国産「ロース」−646円/kg(▲2.9%)

・9年10月以降、前年同月を下回って推移。
・米国産ヒレ以外のすべての品目で前年同月を下回る。


◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品)◇

5月  デンマーク産「ばら」−537円/kg(14.3%)

・9年11月以降、前年同月を下回って推移していたが、4カ月連続で前年同月を上
 回る。

・輸入品冷凍のばらは、すべて前年同月を上回る。



トピックス

13年度第1四半期SG発動基準数量は18万トン程度か


13年度第1四半期SG発動基準数量の試算
buta11.gif (8736 バイト)
 注:12年度(1)は6月に前年度程度の6万トンが輸入された場合、13年度
   第1四半期のSG発動基準数量は13年度(1)の@になる。
   12年度(1)は6月に豚肉の品目別輸入動向調査による輸入見込数量4
   万4千500トン+調整品等250トンが輸入された場合、13年度第1四半
   期半期のSG発動基準数量は13年度(2)のAになる。
 豚肉の輸入数量は、平成8年度第2〜4四半期のSG(セーフガード)、1〜3月
のSSG(特別セーフガード)、9年度第1四半期のSGの発動により、一時的に減少
したものの、その後は、SG、SSG発動基準数量内で増加し、11年度は過去最高だ
った8年度に次ぐ652,929トン(19.6%)となった。この理由の1つには、11年度第
1四半期の輸入量が多かったことがある。これは9〜11年度の平均輸入量の119%
と設定される12年度第1四半期のSG水準を引き上げる結果となる。また、11年度
末には、12年度第1四半期のSG発動基準数量が162,590トンと低水準となったこと
から、前だおし輸入が行われたとみられる。

 12年度累計輸入数量(4,5月)は、SGベースで97,008トン(▲20.9%)と大幅に
減少しており、豚肉の品目別輸入動向調査による6月の見込み数量44,500トン
(▲27%)を勘案してもSG発動基準数量を下回る。現在WTO交渉も進んでいない
ことから、現在の国境措置が継続されるとすれば、13年度第1四半期のSG発動基
準数量は18万トン程度となる見込み。

 11年度の輸入品の推定出回り量は618千トンで、1四半期当たりとすると16万ト
ン程度であることから12年度は需要に見合った輸入ができるものと期待される。

元のページに戻る

月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る