牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

6月−721,453トン (▲0.3%)

・北海道は、昨年夏の猛暑による分娩の遅れ等から、3.1%減と2カ月連続前年同
 月を下回る。

・都府県は、1頭1日当たり平均泌乳量が前年同月をやや上回って推移しているこ
 と等から、1.9%増と6カ月連続で上回る。

・全国では11年10月以来8カ月ぶりに下回る。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:6月−28.0kg (▲0.7%)
都府県:6月−27.1kg(3.8%)
    7月−26.3kg(2.7%、速報値)

・北海道は、11年8月以来10カ月ぶりに前年同月をわずかに下回る。  

・都府県は、11年8月以降前年同月を上回って推移し、7月の速報値でも同様の傾
 向。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

6月−424,101トン(▲2.6%)

・10年11月以降、おおむね前年同月を下回って推移。

・飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、6月は
 64,471kl(▲2.7%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

6月−330,252kl(▲3.8%)

・9年10月以降、おおむね前年同月を下回って推移。


◇図5:乳飲料およびはっ酵乳の生産量◇

6月−乳飲料   110,407kl(▲0.9%)
   はっ酵乳 62,780kl(▲5.8%)

・消費者の健康志向、メーカーの積極的な新商品投入等を背景に、両アイテムと
 も11年度はおおむね前年を上回って推移した。

・乳飲料は、11年2月以来16カ月ぶりに前年同月を下回る。

・はっ酵乳は、4カ月連続で前年同月をかなり下回る。


◇図6:乳製品向け処理量◇

6月−288,964トン (3.5%)

・8カ月連続で前年同月を上回る。

・チーズ生産量は10,392トン(3.3%)、うち直接消費用ナチュラルチーズは
 1,397トン(13.2%)とかなり大きな伸び。

・クリーム生産量は、5,279トン(▲7.1%)と9カ月連続で下回る。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

6月の生産量−16,079トン(▲1.4%)

・7カ月ぶりに前年同月を下回る。

・6月の推定出回り量は 15,500トン(▲19.3%)。

・推定期末在庫量は、12年度カレントアクセス分の一部12,400トンの事業団在庫
 を含め、59,100トン(15.7%)と前年をかなり大きく上回る。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

6月−13,638円/ 25kg (0.0%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。

・12年度に入り、5月に2円下げ、6月は前月と同価格で、安定指標価格(13,090円
 /25kg)を4.2%上回る。


◇図9:バターの需給◇

6月の生産量−7,749トン (9.1%)

・8カ月連続で前年同月を上回る。

・推定出回り量は5,800トン(▲2.6%)と前年同月をわずかに下回る。

・推定期末在庫量は45,400トン(24.9%)と引き続き増加傾向で、前年を大幅に
 上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

6月−952円/kg(▲3.2%)

・在庫量の増加を反映し、値下がり傾向。

・12年度に入り、4月に3円、5月に2円、6月3円と3カ月連続で合計8円下げ、安定
 指標価格を4.6%上回る。


トピックス

バターおよび脱脂粉乳の流通ルートと用途(10年度推計)


 事業団がまとめた「主要乳製品の流通実態調査報告書−平成10年度−」から、
バターおよび脱脂粉乳の流通ルートと用途について紹介したい。

 この調査は、需要者である食品加工業、食品小売業、フードサービス等の構造
変化が著しいこともあり、消費実態の把握が困難な主要乳製品8品目(バター、
脱脂粉乳、クリーム、全粉乳、脱脂濃縮乳、濃縮乳、業務用牛乳、ホエイおよび
調製ホエイ)の生産流通および消費実態を社団法人食品需給研究センターに委託
して体系的に調査分析し、推計を行ったものである。


1 バター

 10年度推定出回り量(農畜産業振興事業団調べ)82,000トンを推定消費量、す
なわち乳業メーカーの推定供給量として行った推計では、社内消費17,300トン
(21.1%)を除いた64,700トン(78.9%)が社外販売である。そのうち需要者に
直接販売されるのはわずか3,500トン(社外販売量の5.4%)にすぎず、主に大手
乳業系列販社、乳製品卸、大手食品卸等の一次卸への販売が61,200トン(同94.6
%)と大部分を占め、さらに二次卸を経由するのは19,300トン(同29.8%)であ
る。

 業種別消費量は、「小売業(家庭用)」が23,000トン(28.0%)と最も多く、
次いで「製菓・製パン」21,800トン(26.6%)、「乳業」17,300トン(21.1%)
等となっている(図11)。

 用途別には、「小売業」が最も多く、「菓子類」12,600トン(15.4%)、「パ
ン類」9,800トン(12.0%)、「外食・ホテル」8,100トン(9.9%)がこれに続く
(図12)。

◇図11:バターの流通ルート◇

◇図12:バターの用途◇

2 脱脂粉乳  10年度推定出回り量(前述)220,000トンを推定消費量、すなわち乳業メーカ ーの推定供給量として行った推計では、社内消費が116,100トン(52.8%)を占め、 社外販売は103,900トン(47.2%)である。このうち需要者に直接販売されるのは 13,500トン(社外販売量の13.0%)で、一次卸が90,400トン(同87.0%)を占め、 さらに二次卸を経由するのは12,700トン(同12.2%)である。  業種別では、「乳業(脱脂粉乳を生産している)」が116,100トン(52.8%)で 5割強を占め、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」30,200トン(13.7%)、「製菓・製パン」 19,100トン(8.7%)が続く(図13)。

◇図13:脱脂粉乳の流通ルート◇

 用途別消費量は、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が59,900トン(27.2%)と最も多 く、次いで「乳飲料」50,800トン(23.1%)、「加工乳」33,100トン(15.0%)と 主に飲用牛乳等の原料仕向けとなっている(図14)。

◇図14:脱脂粉乳の用途◇

 推定消費量220,000トンのうち15,000トンが輸入脱粉で、主に「乳飲料」、「は っ酵乳・乳酸菌飲料」および「加工乳」に多く使用され、国産脱粉に比べ用途が 限定的である(図15)。

◇図15:脱脂粉乳の用途別消費量◇


元のページに戻る

月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る