★ 農林水産省から


農業経営資源活用総合融資について

経営局 金融調整課 企画調査班 爲季 信男




基本要綱の制定

 農業経営資源活用総合融資は、「食料・農業・農村基本法」(平成11年法律第
106号)および「食料・農業・農村基本計画」(12年3月24日閣議決定)の目指
す効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造の確立に向
けて、意欲ある担い手に対し、個々の農業経営の実情に応じて、積極的な経営展
開や負債整理に要する資金をきめ細かに融通することを目的として創設され、こ
れに伴って「農業経営資源活用総合融資基本要綱」が定められた。


5資金の役割分担

 農業経営資源活用総合融資基本要綱に定められている5資金の役割分担は、次
の通りであるが、個々の資金使途、貸し付け条件等はそれぞれの要綱に定められ
ている。

認定農業者向け資金

1 農業経営基盤強化資金(スーパーL資金の拡充)

 農業経営改善計画等の認定を受けた農業者に対して、計画に即して規模拡大そ
の他の経営展開を図るのに必要な資金を農林漁業金融公庫から融通

2 認定農業者育成確保資金

 農業経営改善計画等の認定を受けた農業者に対して、計画に即して農業経営の
展開を図るのに必要な資金を、農協等から融通

負債対策のための資金

1 経営体育成強化資金

 前向き投資資金と償還負担軽減資金を一体的に融通する資金を、農林漁業金融
公庫から融通

2 農業経営維持安定資金

 経営改善に係る計画期間(10年)中の制度資金等の負債の円滑な支払に必要な
資金を融通(一括前倒し融通も可能)する等、償還負担の軽減を図る資金を、農
林漁業金融公庫から融通

3 農業経営負担軽減支援資金

 営農負債の借換えを行うことによって、償還負担の軽減を図るのに必要な資金
を、農協等から融通


負債対策3資金の活用

 負債対策の3資金を活用して、借入金の負担軽減を図る場合の各資金の相互関
係は、

1 農業経営負担軽減支援資金で対応できる場合は、極力当該資金で対応し、当
 該資金で対応できない場合には、経営体育成強化資金または農業経営維持安定
 資金で対応することを基本とする。

2 経営体育成強化資金と農業経営維持安定資金との関係については、経営体育
 成強化資金は、負債の償還負担軽減と併せて前向き投資を行う場合の資金であ
 り、前向き投資を予定せずに負債の償還負担軽減のみを行う場合は、農業経営
 維持安定資金で対応するものとする。

 負債対策3資金の融資に関して、借入申込者の作成書類、融資機関の行う融資
審査の考え方、債権保全措置、融資に係る事務手続き等が、共通事項として定め
られている。

 この内容の概要については、「農業負債の返済に支障を来している方へ」と題
する農水省経営局金融調整課作成のパンフレット(別紙)に簡潔に整理されてい
る。


別紙

農業負債の返済に支障を来している方へ

−新しい負債整理資金のご案内−

 「借入金の返済で資金繰りに四苦八苦。もう少し償還負担が減れば、経営に明
るい展望が見えるのに」こうした農業者のご要望に応えるために、新しい融資制
度がスタートしました。

@ まず、現在融資を受けている金融機関と償還条件の緩和について御相談下さ
 い。

A 償還条件の緩和だけでは、経営の再建が図れない場合には、次の負債整理資
 金の活用について、それぞれの融資機関等と御相談下さい。

(1) 資金の内容(「AとB」又は「AとC」はセットで借りることもできます。)


(2) 相談受付窓口

 農協・信農連・農林公庫等の融資機関、農業改良普及センター、市町村および
都道府県経営改善支援センターでご相談に応じます。

(3) 融資審査の考え方

@ 負債整理資金等の融通によって、農業経営を再建し、地域農業の担い手とな
 っていくことのできる方にお貸しします。

A このため、

 ・経営者の経営能力(技術レベル、経営マインド等)はどうか
 ・経営上の問題点は何か
 ・どの点を改善すれば経営が再建できるか
 ・経営改善計画は実行可能なのか
 ・経営改善計画が実行されれば、融資の返済は可能か

 を審査いたしますので、借受申込書と一緒に経営改善計画を提出していただき
ます。

B 経営改善計画は、自分で作成していただきますが、必要があれば、地域農業
 改良普及センター、市町村等がお手伝いいたしますので、ご相談下さい。

C 審査の結果、経営改善計画の達成や融資の返済の可能性に疑問がある、とさ
 れた場合は、1年間経営能力等の向上に努めていただき、1年後に再度判断す
 ることといたします。

(4) 債権保全の考え方

@ 物的担保と農業信用基金協会の保証を基本とし、保証人は徴求しないことを
 原則とします。

A 担保物件の評価は、近隣の類似物件の売買価格等を勘案して、適切に行いま
 す。

B 以上の債権保全措置で融資額全額がカバーできない場合でも、経営能力等か
 らみて、経営改善計画の達成・融資返済が確実と考えられるときは、融資を行
 います。

(5) 審査に要する期間

 申込から1カ月半で、融資できるかどうか判断いたします。

 特別な事情がある場合には、1カ月半までに、状況をご説明いたします。

(6) 融資した後のフォロー

 経営再建が確実に進むよう、融資後も、融資機関が中心となって、関係機関と
も連絡・協調してお手伝いいたします。

 このため、毎年、借受者は経営状況を融資機関に報告していただきます。

(トラブル相談窓口)

 以上の負債整理資金につきまして、トラブル等がありましたら、下記に御連絡
下さい。

農林水産省 経営局 金融調整課 企画調査班(爲季・永井)
 Tel 03-3502-8111代表(内線4375)

元のページに戻る