◎専門調査レポート


産地ブロイラー企業の地域貢献

京都産業大学経営学部 教授 駒井 亨

 

 




はじめに

 農林水産省統計情報部の「平成12年食鳥処理場調査結果」によると、12年
にブロイラーを処理した処理場数は218あり、その年間総処理羽数は5億6,923万
4,000羽であった。

 社団法人日本食鳥協会などの資料から推定すると、年間500万羽以上のブロイ
ラーを処理するブロイラー企業(1社で2ヵ所以上の処理場をもつ企業もある)
は27社あり、その合計処理羽数は全体の約80%を占める。

 日本にこのような大規模なブロイラー処理場が続出したのは昭和40年代の後半
(1970年代)以降のことで、現在操業している処理場の多くは50年代までにつく
られたものである。

 日本のブロイラー産業はこうした産地処理場を中核として発達したが、ブロイ
ラーの生産は、これらの産地処理場(ブロイラー企業)との契約生産者および企
業の直営農場によって行われてきた。産地ブロイラー企業は、これまで約30年間
にわたって、ブロイラーの生産、処理加工、運送などに携わる多数の人々にその
所得を保証して、地域経済に大きく貢献してきた。

 今回は、ブロイラーの主要産地である鹿児島県および宮崎県のブロイラー企業
について、その地域経済への貢献の実態をレポートしたい。


株式会社ジャパンファームの沿革

 ジャパンファームは、三菱商事他の出資により、44(1969)年設立され、鹿
児島県曽於郡大崎町にブロイラー事業の立地を決定した。

 44年といえば、ブロイラーの年間生産羽数はすでに3億羽近くに達していたが、
マーケット・サイズ(出荷時の生体重)が小さくて、1羽当たり1.6キログラム
程度であったから、その年間出荷総生体重量は現在(年間155万トン)の3分の
1にも満たなかった。

 当時は、ブロイラーの生産は、経済連(経済農業協同組合連合会)、食鳥問屋、
商社、飼料会社、食品会社、水産会社などと生産農家との契約生産が一般で、企
業によるブロイラーの大規模な直営生産は少なかった。

◇ジャパアンファーム主要事業所◇

 A 本社、生産事業本部、製造事業本部、販売促進本部
   アグリ事業本部、中央研究所(大崎工場・加工品工場)
 B 垂水農場、垂水工場
 C 養豚事業本部
 D 潟Wェーエーフーズ(加工食品工場)

 筆者の推定によると、今日では、企業によるブロイラーの直営生産は、全国の
ブロイラー生産羽数の少なくとも約3割を占めている。

 ジャパンファームは、大崎町に処理場を建設すると同時にその周辺に種鶏場、
孵化場およびブロイラー農場を建設し、月産60万羽のブロイラー生産を開始した。

 ブロイラー事業と同時に、47年には鹿児島県大口市に直営の養豚場および食肉
処理工場を建設し、年間10万頭の肉豚の出荷体制を完備した。

 54年には鹿児島県垂水市に月産45万羽のブロイラーを生産、処理加工する施設
を建設している。

 現在では、上記の大崎、大口、垂水の各事業を拡大してブロイラーは年間3,00
0万羽を処理加工し、肉豚は年間15万5,000頭を生産し、会社の資本金は30億円、
年間売上高は220億円に達している。
【45(1970)年から操業している
株式会社ジャパンファーム大崎工場
(年間1,500万羽のチキンを処理する】

養鶏・養豚事業で2,000人を雇用

 会社案内によると、ジャパンファームは、大崎、大口、垂水の3事業所を合わ
せて従業員数は1,025名となっているが、このほか、鶏ふん除去・鶏舎の水洗・
ブロイラー出荷・種卵の採集・処理場での懸鳥作業・二次加工作業、各種運送業
務(生鳥・鶏ふんなど)を担当する協力会社の従業員(約470名)、ブロイラー
の委託生産農家(33戸)、飼料製品等の搬送業務(トラック)従業者などをも合
わせると、2,000人近い従業者を直接・間接に雇用していることになる。

 ブロイラーの生産事業(直営)について見ると、
 
種鶏部門
 16農場:常時30万羽飼育

孵卵部門
 2工場:年間初生雛3,200万羽孵化

ブロイラー部門
 43農場:年間2,500万羽出荷

鶏ふん処理部門
 3工場:年間26,000トン製造

の4部門を合わせて271名の社員が勤務しており、またブロイラーの処理加工
(製造事業)では、

 大崎工場:年間1,460万羽処理
 垂水工場:年間1,490万羽処理
 エキス工場:エキスオイル年間2,500トン製造
 化製工場:年間4,300トン製造
 加工品工場:年間2,500トン製造

の5工場で従業員数は合計438名となっている。

このほか、関連会社として株式会社ジェーエフフーズが従業員数121名、また、
販売促進本部および東京、大阪、福岡、鹿児島、沖縄の各営業所に合計56名が所
属している。


合理化されたブロイラー飼育

 ジャパンファームの大崎地区のブロイラー生産農場(直営)は18農場あり、そ
のうち最大規模は1農場で37万4,000羽を収容(12棟)する。平均規模は17万羽
収容(6〜8棟)で、年間5.1回生産(1回の飼育期間は42〜54日間)、年間約
82万羽を出荷する。この平均規模の生産農場は、農場に隣接した社宅に居住する
一組の夫婦が管理する。ブロイラーの給温、給餌、給水、換気などの日常の飼育
管理作業はほぼ自動化されていて、鶏舎の見まわりや機械類のチェックなどの軽
労働が主であるから、日常の飼育管理は夫婦2人と通勤の補助要員を雇用する。
【ジャパンファームの直営ブロイラー
生産農場(12棟、合計収容羽数37万4千羽、
年間180万羽のブロイラー生産を
夫婦1組と補助要員2名で管理している)】
 ブロイラー飼育が採卵鶏や他の家畜(乳牛、肉牛、豚)の飼育と異なる点は、
オールイン・オールアウト・システムを採っているため、1回の飼育から次の入
雛(初生雛のえ付け開始)までの間(通常20日間前後)は1農場の全育成舎が空
舎(鶏が全く飼育されない)状態となる。この期間は、もちろん育成舎の補修や
次回の入雛準備などの雑務はあるものの飼育管理の肉体的・精神的負担からは完
全に解放されることである。

 その上、ブロイラーの捕鳥・出荷や出荷後の鶏ふん除去などの労働は協力会社
の従業員によって行われるから、飼育管理者の負担にはならない。

 また育成舎や器具・機械類のメンテナンスは、ジャパンファームの工務・施設
専門要員が担当して処置する。

 このようなブロイラーの合理化された飼育(生産)システムは、ブロイラーの
大羽数飼育(高い労働生産性)を可能にしている。


地域と一体化したアグリ事業

 ジャパンファームは、そのブロイラーおよび肉豚の生産・処理加工事業のため
に多数の地域居住者を直接、間接に雇用して、地域経済に大きく貢献すると同時
に、地元農村との共存共栄なくしては企業の存続は不可能との考えから、平成8
年アグリ事業に参入し、大崎、大口の両地域で地元農村と一体化したアグリ事業
を展開し、2000年4月にはアグリ事業本部を設立した。

 ジャパンファームの展開するアグリ事業の基本的理念・目的は、食料自給率の
向上、農業の持続的発展、農村振興であり、そのための貢献手段として、養鶏・
養豚事業から発生する有機質肥料を農地に還元して、自然環境に配慮した自然リ
サイクル農業を推進することにある。

 ジャパンファームのブロイラー事業の本拠地である大隅半島は、約4万ヘクタ
ールの農業用地があり、そのうち2.5万ヘクタールは畑作用地で、全国でも有数
の畑作地帯となっている。

 ブロイラー事業では大量の鶏ふん、処理場残さ、孵化場残さが発生し、これを
処理して年間約2万5,000トンの有機質肥料が生産されているが、その一部を地
元の農地に還元するため、約100戸の農家を対象に合計約80ヘクタールの農地
(畑)で、主として根菜類の契約生産(年間約1,900トン)に取り組んでいる。

 また大口市の養豚事業から発生する日量130トンの排せつ物は醗酵処理して年
間約8,000トンの有機質肥料を生産し、これを地元農地に還元するため、55戸の
農家と契約して約40ヘクタールで銘柄米の契約生産を行うほか、タマネギの契約
生産にも取り組んでいる。一方労働力不足に悩む農家には低価格で肥料を散布し、
その面積は200ヘクタールに及んでいる。


地元と共同で温泉開発

 ジャパンファームが本拠を置く鹿児島県大崎町は志布志湾に面する日南海岸
(国定公園)の中心に位置していて、海岸には美しい松原が続いている。この
「くにの松原」内には、プール、バンガロー、キャンプ場、芝生広場、遊歩道な
どのレジャー施設が整備されていて豊かな自然や海浜レジャーを求めて訪れる多
くの人々に親しまれているが、この松原の隣接地に、大崎町(51%)、ジャパン
ファーム(29%)、JA(20%)の共同出資により温泉宿泊施設「あすぱる大崎」
が建設されている。

 広域交流活性化センターである「あすぱる大崎」は、宿泊施設のほかコンベン
ションホール、研修室もあり、またその一部には設備の充実した大浴場(温泉)
が一般に開放されていて、地元、近隣の人々が毎日温泉浴で疲れを癒すことがで
きる。

 「あすぱる大崎」には地域物産展示即売場が併設されていて、地域の特産農産
物などが販売されている。

 こうした第三セクター的施設は往々にして赤字経営に陥りやすいというが、ジ
ャパンファームの経営上の助言・協力によって「あすぱる大崎」の経営は順調に
推移しているという。

 大手企業の存在は、地域の雇用や商品・サービスの購買、地元自治体への納税
などによって大きく地域貢献しているが、その反面地元とのあつれきも生じやす
い。従って地元との共存共栄の「あかし」として、「あすぱる大崎」のような癒
しのための施設の共同経営は最も望ましいのではないだろうか。
【ジャパンファームが大崎町、
JAと共同経営する温泉保養施設
「あすぱる大崎」】


生産団地と共生する宮崎くみあいチキンフーズ株式会社

 宮崎くみあいチキンフーズ株式会社(宮崎市花ヶ島町:以下宮崎チキンと略称)
は、昭和47(1972)年、株式会社宮崎経済連ブロイラーセンターとして設立され、
平成4年、現在の社名に変更した。

◇宮崎くみあいチキンフーズ株式会社の主要事業所◇

 A 本社
 B 中部工場、周辺に第1生産団地
 C 南部工場、周辺に第2生産団地
 D 北部工場、周辺に第3生産団地
 E 山田孵化場
 F 佐土原孵化場、食鶏加工センター


 昭和47年に1日5,000羽のブロイラーを処理する工場としてスタートした高鍋
処理工場(現在の中部工場)は、翌48年には早くも1日2万羽処理に拡大し、ま
た同じ年直営孵卵場も新設している。

 高鍋処理場は、第一団地と呼ばれる、宮崎中央(南宮崎、高岡)、西都、児湯
の3農協に所属する生産者の生産するブロイラーを処理する処理場で、現在は1
日2万7,000羽を処理する。
 
 49年には都城市に1日6,000羽を処理する都城処理工場(現在の北部工場)が
建設され、この処理場は、都城、こばやし、えびの、はまゆう(日南・串間)の
4農協に所属する第二団地の生産者が生産するブロイラーを処理し、現在では1
日4万5,000羽を処理する宮崎チキン最大の処理場となっている。

 55年には、日向市美々津で操業していた日向食品株式会社の処理場を経済連が
取得し、現在この処理場は1日2万7,000羽を処理する北部工場として、日向、
尾鈴、延岡3農協に所属する第三団地の生産者が生産するブロイラーを処理して
いる。

 上記の3生産団地を合わせて、生産者戸数は152戸、その年間ブロイラー生産
羽数は合計2,700万羽に上り、宮崎県内ブロイラー生産総羽数の27%を占める。


3団地152戸のブロイラー生産者

 前記のように、宮崎チキンの契約生産者は宮崎県の北部、中部、南部に分かれ
て3つの団地を形成し、各団地で生産されるブロイラーは、それぞれの中心に位
置する処理場で処理される(表1)。

 3団地を合計すると、生産者戸数152戸、ブロイラー育成舎棟数654棟、1戸当
たり平均棟数4.3棟、年間出荷羽数2,669万羽、1戸当たり平均年間出荷羽数17万
5,000羽となる。

 第1団地と第3団地のブロイラーの出荷作業(捕鳥、輸送)および鶏ふんの除
去作業は協力会社である尾鈴産業(作業員80人)が担当し、また第2団地の出荷
・除ふん作業は他の協力会社である全輪興業(作業員45人)が担当している。

 ブロイラー用の初生雛は直営孵化場2ヵ所で年間1,629万羽を生産しているが、
この種卵はJA延岡ほか協力種鶏場3社から購入している(年間、種卵約2,000万
個)。初生雛は直営孵化場の生産だけでは足りないので、協力孵化場3社から合
計年間1,139万羽を購入している(個数、羽数はいずれも平成13年計画数値)。

 直営孵卵場2カ所の従業員は合計23名であるが、このほか協力種鶏場および協
力孵化場の従業者数も加えると、種鶏・孵卵部門だけで約100人が働いていると
推定される。

 3団地152戸の生産者はそれぞれ夫婦1組がブロイラーの生産に従事している
から、総数では304人、これに出荷・除ふん作業員(協力会社)合計125人、種鶏
・孵卵部門100人を加えると、ブロイラーの生産関係全体で529人が働いているこ
とになる。

表1 宮崎くみあいチキンフーズ鰍フ生産団地の内訳



ブロイラー生産者には年間収益900万円を保証

 宮崎チキンとブロイラーの生産契約を結んでいる3団地152戸のブロイラー
生産者の生産する年間2,700万羽のブロイラーは、宮崎チキンが生体1キログラ
ム当たり150円の年間一定価格で買い取る。

 標準的な生産者は、1棟9千羽を出荷するブロイラー育成舎4棟を所有し、こ
れを年間4.7回転使用して、年間16万9,200羽を出荷する。1羽当たりの平均出
荷生体重は2.72キログラムであるから年間出荷生体総重量は460トンと計算され
る。生体1キログラム150円(トン当たり15万円)とすると年間の売上高は6,9
00万円ということになる。

 この売上高から初生雛代、飼料代、薬品代などの費用を差引いて生産者に支払
われる収益は表2のとおり900万円近くで、この収益からブロイラー育成舎の電
気料金、公租公課および(借入金がある場合は)支払利息と償還(返済)金額を
差し引いた残額が生産者の年間所得となる。

 宮崎チキンの試算によると、この年間所得は1戸当たり平均700〜800万円にな
るという。

 このような高所得を毎年安定的に保証できる農・畜産物は少ないのではないか。

 最近数年間は鶏肉の輸入数量が急増して、国内産鶏肉の価格を圧迫しているが、
国内産ブロイラーの成長期(昭和50〜60年代)には上記所得金額よりはるかに高
額の所得が保証されていた時期もあり、主要生産地にはブロイラー御殿と呼ばれ
る豪邸の新築が目立ったことも記憶に新しい。
【1回9,000羽出荷、年間4.7回転で
4万2,300羽を出荷するブロイラー育成舎。
標準的な生産者は4棟を所有し、
夫婦で飼育管理する。】
表2 宮崎くみあいチキンフーズ褐_約生産者の年間収益の推移

 注)生体買取価格:1キログラム当たり150円、
   1羽当たり出荷生体重2.72キログラム
   生産者1戸当たり4棟所有、年間16万9,200羽出荷


3処理工場で合計870人を雇用

 宮崎チキンの平成13年度の計画では、2,669万8千羽を処理し、その生体総重
量は7万1,067トン、製品(ガラを除く)出荷重量は約4万トンを予定している。

 処理工場はいずれも年間274日稼動しているから、3工場で毎日約10万羽を処
理していることになる。

 2年には宮崎郡佐土原町に食鶏加工センター(工場建物面積360坪)を建設し
て鶏肉加工品を製造している。

 処理工場の従業員数は、協力会社の派遣従業員を含めて、中部、北部工場各22
0人、南部工場430人で合計870人となる。

 製品の輸送は、ランテック、大場運輸、久留米運送、福岡運送の4社が分担し
ており、製品(大部分が生鮮解体品)の40%を関東、25%を中部、13%を近畿、
中国・九州へ10%、県内へ12%分荷輸送している。

 製品の輸送は10トン積の冷蔵車延約60台を使用しているという。

 宮崎チキンの各種協力会社に対する年間の支払金額は運輸関係を除いて20億円
以上に上るという。

 ブロイラーの処理加工関係部門では、運輸関連をも含めると1,000人近い人員
が働いていることになる。

 前述のブロイラー生産部門の従業者数529人と加えると、宮崎チキンのブロイ
ラー生産・処理加工事業では、直接・間接に1,500人近い人員を雇用しているこ
とになる。


鶏ふんは大部分焼却処分

 宮崎チキンの生産・処理する年間2,700万羽のブロイラーの排出する鶏ふんは
年間5万4,400トン(トラック1万880台分)、日量199トン(5トン積トラック
40台分)に上るが、この大量の鶏ふんは、約20億円を投じて最新設備の焼却設備
を建設し、排出される鶏ふんの大部分を焼却する予定であるという。

 鶏ふんは750〜760℃で焼却し、焼却後の残灰は肥料として有利に販売できると
いう。

 ブロイラーの主要産地では、鶏ふんが大量に排出されて、その処分に難渋して
いる。

 一部の地域では、欧州での前例に倣って発電用燃料として処分・利用しようと
する動きもあるが、未だ実現に至っていない。

 多くの場合、鶏ふんは醗酵・乾燥、減量して販売または田畑などに施肥してい
るが、乾燥鶏ふんの販売は需要地への輸送費用さえ賄えない現状で、鶏ふんの処
理は産地ブロイラー企業にとって大きな負担となっている。


おわりに

 農林水産省統計情報部の「畜産物流通統計」(11年)によると、鹿児島県のブ
ロイラー生産羽数は1億487万羽、また宮崎県のそれは1億52万羽で両県を合わ
せた生産羽数は全国生産羽数(5億7,148万羽)の36%を占める。

 鹿児島県のブロイラー企業は、鹿児島くみあいチキンフーズ(年間3,000万羽
生産・処理)、アクシーズ(同2,000万羽)、マルイ食品(同1,200万羽)とジャ
パンファームの大手4社で県内生産総羽数の90%以上を占め、また宮崎県のブロ
イラー企業は、国内最大手の児湯食鳥(年間4,200万羽生産・処理)、日本ホワ
イトファーム(同1,600万羽)、宮崎サンフーズ(同900万羽)に宮崎くみあいチ
キンフーズを加えた大手4社で県内生産総羽数の94%を占める。

 上記8社に、鹿児島、宮崎両県にまたがる丸紅畜産(年間1,500万羽)を加え
ると、この9社で鹿児島、宮崎両県のブロイラーのほぼ全量を生産していること
になり、その製品(生鮮鶏肉および加工品)等の総売上高(年額)は約2,000億
円と推定される。

 またこの9社が、ブロイラーの生産・処理加工・輸送等のために直接・間接に
雇用する人員は合計1万人にも達すると推定される。

 このように、産地ブロイラー企業は雇用機会の少ない遠隔地や農村にとって、
男女を問わず、幅広い年齢層の就業希望者に安定した高所得を保証する貴重な存
在であって、今後も安定的に存続・発展することが強く望まれる。

元のページに戻る