群馬県/福田 博文
宮城村では、平成10年度から一部集落で集団転作が取り組まれ、このほ場の管 理を請け負っている組織として鼻毛石機械利用組合がある。組合は中核農家10名 (うち8名が畜産農家)で構成され、共同利用の高性能機械により地域の米麦収 穫作業等を受託する村内有数の組織である。 この地域は米麦二毛作であり、麦転作を行なっているが、麦の収穫と同時期の 田植え作業との重複を避けることや、集団として作業面積が多いため、機械・省 力化が必須条件となっており、これらの条件を解決するための転作作物および作 業体系等が機械化組合の課題として上げられていた。 11年度は、直播栽培と県の補助事業を奨励した結果、新種「瑞豊」で8.1ヘク タール(乾田直播2.1ヘクタール、湛水直播6.0ヘクタール)の作付けとなった。 12年度は、機械化体系による飼料稲の取り組みを行った結果、品種「はまさり」 で6.6ヘクタール(乾田直播5.4ヘクタール、湛水直播1.2ヘクタール)の作付と なった。
【ホールクロップ専用収穫機(12年10月)】 |
作業体系・機械化体系 ●乾田直播 〈種子準備〉選種→ 浸種・催芽 〈本田作業〉耕耘→ 播種→ 覆土・鎮圧 (ロータリー) (ミスト機) (ローラー) →入水→除草剤散布水管理→ (ハイクリブームスプレーヤー) →落水→収穫・調製 (ディスクモアー、テッダー、 レーキ、ロールベーラー、ラッピング、 ベールラッパー、フロントローダー) ●湛水直播 〈種子準備〉選種→浸種・催芽→カルパーコーティング 〈本田作業〉耕耘→ 入水→ 代かき→ (ロータリー) (ハロー) →播種芽干し→入水→ (湛水土壌播種機) →除草剤散布水管理→落水→ (ハイクリブームスプレーヤー) →収穫・調製 (ディスクモアー、テッダー、レーキ、 ロールベーラー、ラッピング、ベールラッパー、フ ロントローダー) 畜産農家の所有している作業機械等の利用により、生産から収穫調製までの一 連の作業について、省力化が図られコスト低減につながった。