◎地域便り


飼料稲の直播省力栽培技術体系の推進

群馬県/福田 博文


 宮城村では、平成10年度から一部集落で集団転作が取り組まれ、このほ場の管
理を請け負っている組織として鼻毛石機械利用組合がある。組合は中核農家10名
(うち8名が畜産農家)で構成され、共同利用の高性能機械により地域の米麦収
穫作業等を受託する村内有数の組織である。

 この地域は米麦二毛作であり、麦転作を行なっているが、麦の収穫と同時期の
田植え作業との重複を避けることや、集団として作業面積が多いため、機械・省
力化が必須条件となっており、これらの条件を解決するための転作作物および作
業体系等が機械化組合の課題として上げられていた。

 11年度は、直播栽培と県の補助事業を奨励した結果、新種「瑞豊」で8.1ヘク
タール(乾田直播2.1ヘクタール、湛水直播6.0ヘクタール)の作付けとなった。

 12年度は、機械化体系による飼料稲の取り組みを行った結果、品種「はまさり」
で6.6ヘクタール(乾田直播5.4ヘクタール、湛水直播1.2ヘクタール)の作付と
なった。
【ホールクロップ専用収穫機(12年10月)】
作業体系・機械化体系

●乾田直播

〈種子準備〉選種→    浸種・催芽
〈本田作業〉耕耘→    播種→    覆土・鎮圧
     (ロータリー) (ミスト機)  (ローラー)
→入水→除草剤散布水管理→
    (ハイクリブームスプレーヤー)
→落水→収穫・調製
    (ディスクモアー、テッダー、
    レーキ、ロールベーラー、ラッピング、
    ベールラッパー、フロントローダー)

●湛水直播

〈種子準備〉選種→浸種・催芽→カルパーコーティング
〈本田作業〉耕耘→ 入水→ 代かき→
     (ロータリー)  (ハロー)
→播種芽干し→入水→
  (湛水土壌播種機)
→除草剤散布水管理→落水→
  (ハイクリブームスプレーヤー)
→収穫・調製
 (ディスクモアー、テッダー、レーキ、
  ロールベーラー、ラッピング、ベールラッパー、フ
  ロントローダー)

 畜産農家の所有している作業機械等の利用により、生産から収穫調製までの一
連の作業について、省力化が図られコスト低減につながった。

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