埼玉県/加島 恭美
平成13年5月28日、五月晴れの中、彩の国地鶏タマシャモ普及協議会設立総会 が盛大に開催された。この協議会は、埼玉県産の地鶏であるタマシャモの生産と 消費を拡大し、ブランドとしての確立を図るために設立されたものである。 会員には、生産者はもちろん、処理・加工、販売に携わる方々も加わり、また 事務局は埼玉県農林総合研究センター畜産支所内に置かれ、県を挙げてのタマシ ャモ普及推進体制が整備された。 さて、タマシャモとはいったいどんな地鶏なのであろう。 タマシャモの歴史は、さかのぼること昭和50年から始まる。埼玉県養鶏試験場 (現埼玉県農林総合研究センター畜産支所)において、大和シャモ、ニューハン プシャー(卵肉兼用種)、大シャモの交配によりできあがった交配種を、53年か ら6年間かけて、タマシャモとして固定した。さらに、タマシャモとロードアイ ランドレッド(卵肉兼用種)を交配し、産卵性を高めた系統を母方に用い、タマ シャモを父方として交配したものが、現在のタマシャモである。 畜産支所で生産されたヒナは、県内4戸の農家に払い下げられ、平飼いで約20 週間飼育された後、製品として流通・販売される。(飼育期間は、販売先のニー ズにより18週間から22週間と開きがある。)出荷される羽数は、年間約5,000羽 で、今後は年間1万羽程度まで増加する予定である。 本協議会の会長は、タマシャモ生産農家であり、自分の経営する中華料理店で タマシャモ料理を提供し、タマシャモの普及に力を入れている。タマシャモ料理 を食べた人々の評判も上々で、写真でも分かるように、タマシャモ肉はブロイラ ーに比べて、赤みが強く、しっかりとした歯ごたえとうまみを持つ。家庭料理で は、鍋料理からあぶり焼きまでいろいろな料理法で、おいしく味わえる。しかし、 タマシャモの生肉を購入できる店は残念ながら1軒に限られている。 今後は、本協議会の活動により彩の国唯一のブランド地鶏として、ヒナの増産 体制の確立及び販路の拡大が期待される。
【埼玉県の地鶏タマシャモ (左が♂、右が♀)】 |
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【肉はブロイラーに比べ赤みが強いのが特徴】 |